スポーツ愛好家のためのオーストラリアガイド

緑と金の精神

オーストラリアの国旗に使われている色は赤、白、青の3色ですが、オーストラリアの代表選手は緑と金色でデザインされたユニフォームを着ています。緑と金の伝統は、1908年のオリンピックに出場したオーストラリア代表選手が、故郷を思い起こさせるような色のユニフォームを身に着けたときに始まりました。ユーカリの木、雨林、カントリーサイドの美しい緑と、ワトル（アカシアの一種）、菜種畑、パステル画のような夕日が織りなす金色の組み合わせです。多くのオーストラリア人にとって、緑と金はスポーツアイデンティティに対する誇りを感じさせる色と言えます。

スポーツの国、オーストラリア

毎年10万人以上がオーストラリアン・ルールズ・フットボール（Australian Rules Football）のAFLグランド・ファイナル（AFL Grand Final）を観戦します。そしてクリケットのテスト・マッチ（Test Matches）、テニスの全豪オープン（Australian Open）、F1オーストラリア・グランプリ（Formula 1 Australian Grand Prix）、ロレックス・シドニー・トゥー・ホバート・ヨット・レース（Rolex Sydney to Hobart Yacht Race）など、オーストラリアで開催される有名なイベントには実に大勢の人々が集まります。

しかしオーストラリア人は、このような年に一度の盛大なイベントが開かれるのをただ待っているわけではありません。各地のライフスタイルにおいて、スポーツは切っても切れない存在となっています。金曜の夜にはラグビーの試合に出かける前に友達同士がパブに集まります。シーズン中にはラグビーの試合が毎週金曜日に行われることもあります。日曜日には太陽の下で一日中テスト・クリケットの試合を観戦します。スポーツ好きのオーストラリア人のほとんどは、小学校に入学する前に自分の人生初の試合に参加していると思われます。

地元のサッカーの試合に参加する、シドニーを象徴するシドニー・ハーバー・ブリッジ（Sydney Harbour Bridge）を渡るマラソンに参加するなど、熱心なスポーツ愛好家がオーストラリアのスポーツ文化に溶け込む機会は豊富にあります。

オーストラリアならではのスポーツの魅力を知る

スポーツと自然が出会う場所

オーストラリア人のスポーツにかける情熱は、アウトドアでのアドベンチャーに対する熱意と同様に根強いものです。日の出を眺めながらのサーフィンにしても、草を食むカンガルーに囲まれてプレイするゴルフにしても、オーストラリアではスポーツと自然が出会う機会がよくあります。

オーストラリアで自然の中に分け入ってみれば、オーストラリアの風景から生み出される魔法のような瞬間をすぐに体感できます。真夜中のスキューバ・ダイビング、熱帯雨林の中を流れる急流でのラフティング、アウトバックの起伏に富んだ尾根をたどるハイキングなどに挑戦してみましょう。自然の中でするスポーツはアドレナリンが放出される究極の瞬間です。オーストラリアには自然な高揚感、つまりナチュラル・ハイを得られる機会が無限にあります。

オーストラリアでできるアドベンチャーを見つける

遊び心いっぱいのスポーツスタイル

年に一度、何千人もの人々がダーウィンの街に集まり、リサイクルされたビール缶から作られたボートでレースをします。ダーウィン・ライオンズ・ビール・キャン・レガッタ（Darwin Lions Beer Can Regatta）です。オーストラリア人は多くあるスポーツ・イベントを真剣に捉えている一方で、楽しむときにも実に真剣であると言っても過言ではないでしょう。

オーストラリア人は楽しい時間を過ごす機会を見逃しません。その証拠ですか？オーストラリア各地で開かれる一風変わったスポーツ・イベントのカレンダーを見てください。たとえば、愉快なスイカ祭りであるウォーターメロン・フェスティバル（watermelon festival）に参加してみませんか？「スイカ・スキー」では、参加者がスイカの皮を履いてスケートのように滑ります。また、クイーンズランド州のアウトバックで毎年開かれるキルトン・オーストラリアン・ダニー・ダービー（Quilton Australian Dunny Derby）では、車輪を付けたトイレ（ダニー）を参加者が引っ張る様子を観戦しましょう。南オーストラリア州で毎年開かれるマグロ祭りのツナラマ（Tunarama）では、ゴム製のマグロを遠くまで投げることを競うツナ・トス（Tuna Toss）が人気を集めています。地元の人々はどんなスポーツも心から楽しんでいるようです。