オーストラリアの歴史と文化を体験
国定記念物からアバン・ギャルドなギャラリー、インディペンデント・シアターまで、そのすべてがオーストラリアが誇る歴史と文化の宝物です。
オーストラリアの芸術シーンは隆々たるもので、展覧会、フェスティバル、イベントが1年中開催されています。オーストラリアの豊かな文化史を国内のさまざまな美術館で覗いてみましょう。世界とオーストラリアでトップクラスの芸術家の傑作を有名機関、小規模な商業ギャラリー、シティのレーンウェイ(裏路地)で見てみましょう。シドニー・オペラ・ハウスのような象徴的な会場でフル・スケールのパフォーマンスを鑑賞したり、バーやパブに行って新進気鋭の地元ミュージシャンに会ってみませんか。オーストラリアが贈る最高の歴史と文化についてもう少し読んでみましょう。
シドニー近郊
シドニーを訪れたら、ぜひシドニー・オペラ・ハウス(Sydney Opera House)でパフォーマンスを鑑賞してください。ここでは、スパン・オペラ、演劇、クラシック音楽、バレエなど、毎週上演される40以上の演目から好きな演目を選べます。2時間のバックステージ・ツアーに参加して、この素晴らしい建築ランドマークの舞台裏に行くこともできます。優雅なウォルシュ・ベイ(Walsh Bay)では、ザ・シドニー・シアター・カンパニー(The Sydney Theatre Company)やバンガラ・ダンス・シアター(Bangarra Dance Theatre)のパフォーマンスが上演されています。サリー・ヒルズ( Surry Hills)には、オーストラリアで名高いパフォーミング・アーティスト、ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、ジュディ・デイヴィスを輩出した大絶賛のベルボアー・ストリート・シアター(Belvoir St Theatre)があります。オーストラリア現代美術館(Museum of Contemporary Art:MCA)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(Art Gallery of New South Wales)、オーストラリア博物館(Australian Museum)ではロックスからハイド・パークまで、カルチュラルトレイルをたどってみましょう。パディントン(Paddington)、サリー・ヒルズ、レッドフェーン(Redfern)、チッペンデール(Chippendale)中心部の各地では、キャリッジワークス(Carriageworks)のマルチ・アート・スペースや現代中国美術館(contemporary Chinese art museum)ホワイト・ラビット・ギャラリー(White Rabbit Gallery)など、ギャラリーがたくさんあります。ミュージック・シーンの有名どころがギグを披露するニュータウン(Newtown)のエンモア・シアター(Enmore Theatre)も覗いてみましょう。1月にはシドニー・フェスティバル(Sydney Festival)、5月と6月はビビッド・シドニー(Vivid Sydney)で群衆の歓声を体験してください。
メルボルン近郊
メルボルンにあるオーストラリア最古の美術館、ビクトリア国立美術館(National Gallery of Victoria)では、70,000点以上のアート・コレクションを見て回ることができます。この近所には映画、テレビ、デジタル文化の世界に包まれるオーストラリア映像博物館(Australian Centre for the Moving Image)があり、行ってみる価値があります。サウスバンク(Southbank)のウォーターフロント・ハブには、創造力に富んだ有名なマルチメディアの展示物を鑑賞できるオーストラリア現代アート・センター(Australian Centre for Contemporary Art)と、オーストラリア・バレエ(Australian Ballet)やオペラ・オーストラリア(Opera Australia)のアーツ・センター(Arts Centre)があります。ドックランズ(Docklands)のパブリック・アートや、とても有名なストリート・アーチスト、フィッツロイ(Fitzroy)の壁画も見に行ってみましょう。盛装して贅沢なプリンセス・アンド・ハー・マジェスティーズ劇場(Princess and Her Majesty’s theatres)で大ヒットのミュージカルを見るのも楽しいですし、シティのレーンウェイ(裏路地)で親密なキャバレー、ドラマ、ジャズを鑑賞するのもよいでしょう。ビクトリア州の先住民アボリジニ文化の窓となっているメルボルン美術館(Melbourne Museum)を訪れたあとは、ビクトリア州のメルボルン王立植物園(Royal Botanic Garden)を抜けた場所にある先住民アボリジニの歴史散策ツアー(Aboriginal Heritage Walk)で知識を広げてみるのもまた一興です。メルボルンは、3月に開催されるメルボルン国際コメディー・フェスティバル(Melbourne International Comedy Festival)や5月に開催される国際ジャズ・フェスティバル(International Jazz Festival)など、無数の文化的イベントの拠点となっています。
ブリスベン近郊
サウス・バンクには、クイーンズランド文化センター(Queensland Cultural Centre)の延長線上に、ブリスベンの主要な数々の文化機関、クイーンズランド・アート・ギャラリー/クイーンズランド現代アート(Queensland Art Gallery | Gallery of Modern Art)、クイーンズランド博物館(Queensland Museum)、クイーンズランド・パフォーミング・アーツ・センター(Queensland Performing Arts Centre)があります。ここで有名なオーストラリア人アーティストの作品を見たり、この州で発見された恐竜ムッタブラサウルスの骨格を観察して1日過ごすのも楽しいです。夜まで滞在を延ばせるなら、バレエ、オペラ、またはオーケストラの上演に感じ入るのもいいでしょう。ニュー・ファーム(New Farm)では、ブリスベン発電所(Brisbane Powerhouse)の工業用スペースを改築して演劇、コメディ、ダンス、アート、マーケット、レストランを展開しています。近郊ではフォーティテュード・バレー(Fortitude Valley)で生演奏を披露しています(ファウンドリー(The Foundry)とズー(The Zoo)がおすすめです)。ウェスト・エンド(West End)中心部の郊外では、インディペンデント・シアターや音楽を体験することもできます。カスタムズ・ハウス(Customs House)の巨大なコリント式の柱の間で演奏するオーケストラに聴き入ったり、歴史的なブリスベン市役所(Brisbane City Hall)で開催されるコミュニティ・コンサートも素敵です。9月にはブリスベン・ライターズ・フェスティバル(Brisbane Writers Festival)とブリスベン・フェスティバル(Brisbane Festival)の両方にお越しください。
アデレード近郊
街路樹が連なるノース・テラス(North Terrace)は、アデレードで最も著名な文化機関が集まる場所です。南オーストラリア博物館(South Australian Museum)では、オーストラリアの先住民アボリジニの文化生活を象徴する3,000点以上の作品に驚嘆することでしょう。先住民アボリジニは、世界で最も古い歴史を持つ人々に数えられます。次に南オーストラリア美術館(Art Gallery of South Australia)の広間を散歩して、オーストラリアの植民地時代の素晴らしいアート・コレクションを見に行きましょう。ノース・テラスをさらに進み、州立図書館(State Library)、国会議事堂(Parliament House)、総督官邸(Government House)を尋ねてみましょう。州立オペラ(State Opera)、州立劇場(State Theatre)、オーストラリア・ダンス劇場(Australian Dance Theatre)、アデレード・シンフォニー・オーケストラ(Adelaide Symphony Orchestra)の活動拠点であるアデレード・フェスティバル・センター(Adelaide Festival Centre)でパフォーマンスを見るのも一興です。ウェスト・エンド(West End)で作品を手がけている芸術家や彫刻家を見たり、市の中心部にある優雅な通りから、ケント・タウン(Kent Town)とノーウッド(Norwood)をつなげる芸術の道を歩いてみましょう。アデレードでトップ4に入るフェスティバル、アデレード・フェスティバル(Adelaide Festival)、フリンジ・フェスティバル(Fringe Festival)、WOMAアデレード(WOMADelaide)、クリプサル500(Clipsal 500)は時期が重なっています。1か月間にわたって演劇、音楽、芸術、モーター・レースで祝福するこの「マッド・マーチ(mad March)」の開催中に、ぜひ訪れてみてください。アデレード・キャバレー・フェスティバル(Adelaide Cabaret Festival)の華々しいパフォーマンスは6月、LGBTIQの文化的多様性を祝うフィースト・フェスティバル(Feast Festival)は11月に開催されます。
パース近郊
ノースブリッジ(Northbridge)のパース文化センター(Perth Cultural Centre)の広がりは、パース文化の心の合流地点です。西オーストラリア州立美術館(Art Gallery of Western Australia)のアボリジニ・アートや、パース現代美術館(Perth Institute of Contemporary Arts)のビジュアル・アーツ、パフォーミング・アーツをご覧ください。ここから数ブロックの場所では、オーストラリアに残る最後のエドワード劇場ヒズ・マジェスティーズ・シアター(His Majesty’s Theatre)で西オーストラリア・バレエ(West Australian Ballet)と西オーストラリア・オペラ(West Australian Opera)の上演を楽しめます。また、優れた音響建築を誇るパース・コンサート・ホール(Perth Concert Hall)でソウル・ミュージックの歌手やシンフォニーのパフォーマンスをお楽しみください。キングス・パーク(Kings Park)のアボリジナル・アート・ギャラリー(Aboriginal Art Gallery)では西オーストラリア州で屈指のアボリジニ・アーティストに会うことができ、ドリームタイムについて学ぶチャンスです。フリーマントル(Fremantle)を訪れたら西オーストラリア州海洋博物館(Western Australian Maritime Museum)に行き、囚人が建設した フリーマントル刑務所(Fremantle Prison)のツアーに参加できます。その後は、 フリーマントル・アーツ・センター(Fremantle Arts Centre)の無料コンサートを鑑賞しましょう。2月から3月に開催されるパース・フェスティバル(Perth Festival)では、演劇、音楽、ダンス、ビジュアルアートが詰まったプログラムが催されます。
ホバート近郊
サリバンズ・コーブ(Sullivans Cove)海岸沿いの古建築内にあるタスマニア博物館と美術館(Tasmanian Museum and Art Gallery:TMAG)で植民地時代のアート・コレクションや動物と植物のコレクションを見てみましょう。サラマンカ・アート・センター(Salamanca Arts Centre)の13室あるアート・スペースを覗いたら、フェリーに乗って賞賛に値するモナ(ミュージアム・オブ・オールド&ニュー・アート(the Museum of Old and New Art))に向かいましょう。ここでは、物議を醸しているタスマニアン美術品収集家デヴィッド・ウォルシュの個人コレクションが展示されています。レナ・バレー(Lenah Valley)にある1842年に建造されたレディ・フランクリン・ギャラリー(Lady Franklin Gallery)に行くと、タスマニア州の一流アーティストたちに会うことができます。この施設は週末に一般公開されています。夕刻にはタスマニア交響楽団(Tasmanian Symphony Orchestra)の演奏を聴きにフェデレーション・コンサートホール(Federation Concert Hall)に行くのもいいですし、オーストラリアで最も古くから上演を続けているシアター・ロイヤル(Theatre Royal)でインターナショナル・バレエ、オペラ、演劇、ミュージカルを鑑賞するのもいいですね。このほかにも、レクタンゴ(Rektango)やリパブリック・バー&カフェ(Republic Bar & Cafe)でギグを楽しむこともできます。文化を熱烈に求める人たちはホバート(Hobart)に集まります。ここには6月開催のダーク・モフォ(Dark Mofo)、1月開催の音楽の祭典モナ・フォマ(Mona Foma)、そして新年にかけて1週間開催されるテイスト・オブ・タスマニア(Taste of Tasmania)の芸術、映像、音楽が集結しています。
キャンベラ近郊
キャンベラでは、旧国会議事堂(Old Parliament House)のオーストラリア民主主義博物館(Museum of Australian Democracy)でオーストラリアの政治制度の誕生について学んだ後、現代風の国会議事堂(Parliament House)で政治家が今日の問題について議論している様子を見学することができます。オーストラリアで最高のアート・コレクションをオーストラリア国立美術館(National Gallery of Australia:NGA)で鑑賞したり、オーストラリアで有名な人々の肖像画を国立ポートレート・ギャラリー (National Portrait Gallery)で覗くのもいいですし、35室の専用スタジオで40名以上の芸術家を支えるアンカ・ギャラリー(ANCA Gallery)を訪ねてみるのもおすすめです。オーストラリア国立博物館(National Museum of Australia)ではガイド付きツアーでオーストラリアの歴史上起こった決定的な瞬間を辿ることができ、キャンベラ美術館(Canberra Museum and Gallery)ではキャンベラの多様な歴史を学ぶことができます。シビック(Civic)のキャンベラ・シアター・センター(Canberra Theatre Centre)に行く機会があれば、バレエ、演劇、ダンス、音楽のパフォーマンスをお楽しみください。ローカルプロダクションならストリート・シアター(The Street Theatre)、クラッシック音楽ならオーストラリア国立大学(Australian National University)の音楽学校(School of Music)を訪れてみましょう。5月にはキャンベラ国際音楽祭(Canberra International Music Festival)で20種類の親密なパフォーマンスを鑑賞できますのでお忘れなく。
ダーウィン近郊
ダーウィンのノーザンテリトリー博物館・美術館(Museum and Art Gallery of the Northern Territory)で先住民アボリジニの恵まれた遺跡を探索し、1974年のサイクロン、トレーシーを思い出してみましょう。先住民アボリジニの伝統芸術、現代アートや工芸品は、ヤシの並木で飾られたミッチェル・ストリート(Mitchell Street)沿いのギャラリーで見ることができます。第二次世界大戦でダーウィンが受けた空襲の爪痕は、ダーウィン軍事博物館(Darwin Military Museum)で見ることができます。建築史に興味のある人は、マイリー・ポイント歴史的建造物保存地区(Myilly Point Heritage Precinct)にある1930年代に建造されたコテージに向かいましょう。ダーウィンではアクティビティが屋外に及ぶことがよくあります。デッキチェア・シネマ(Deckchair Cinema)のアート・シアターでは、星空のもと映画を観ることができます(4月から11月)。5月にはノーザンテリトリー最大の音楽祭、バス・イン・ザ・グラス(Bass in the Grass)でエネルギッシュなバンドの面々が演奏を繰り広げます。8月のダーウィン・フェスティバル(Darwin Festival)は18日間にわたって音楽、ダンス、演劇、コメディ、キャバレー、映像、ビジュアルーアーツを祝う祭典で、シティの至る所に会場が設立されます。お見逃しなく。7月のダーウィン・フリンジ・フェスティバル(Darwin Fringe Festival)では、インディーズのアーティストを支える10日間のイベントで街が賑わいます。