オーストラリアでオペラの楽しみを存分に味わいましょう。この国の景色の中には、すでにオペラの舞台のような壮大さや雄大さが備わっています。シドニー・オペラ・ハウス(Sydney Opera House)やメルボルンのアート・センター(Arts Centre)では、豪華絢爛な本格的公演が楽しめます。アデレードやブリスベンにもオペラ専用の劇場があります。もう少しくだけた雰囲気で楽しみたいという方は、家族そろってピクニックに出かけ、各都市で毎年行われる大規模な屋外ステージで楽しむという方法もあります。シドニー近郊のハンター・バレー(Hunter Valley)やメルボルン近郊のヤラ・バレー(Yarra Valley)のワイナリーでも、オペラを楽しむことができます。また、オペラはクイーンズランド州の内陸部の奥地アウトバックで見ることもできます。地平線が遥かに見渡せる景色は、それは、すばらしい歌声の背景としてぴったりです。
オーストラリアを代表するオペラを本格的に楽しみたいという方は、シドニー・オペラ・ハウスで行われる公演がお薦めです。シドニー・オペラ・ハウスは、この街でいちばん人気があり、誰もが憧れる観光名所です。この白い帆のような形のオペラの殿堂では、オーストラリア人歌手ネリー・メルバ(Nellie Melba)やジョアン・サザーランド(Joan Sutherland)を始めとし、たくさんの伝説的歌手がその歌声を披露してきました。オペラ・オーストラリア(Opera Australia)は1月から3月の夏の間と6月から9月の冬の間、ここを本拠地にしています。
シドニー・オペラ・ハウスでの演目は5世紀もの伝統を誇る名作ばかりで、イタリア、ドイツ、フランス、イギリスなど各国の作品がとりあげられます。「フィガロの結婚」や「コシ・ファン・トゥッテ」など、モーツァルトの喜劇オペラや、プッチーニの「ラ・ボエーム」、「トスカ」、「蝶々夫人」など、心ときめく美しいアリアにうっとり聴き入るのもいいでしょう。ギルバートとサリヴァン(Gilbert and Sullivan)の風刺作品、「ペンザンスの海賊」で気分を盛り上げたり、バズ・ラーマン(Baz Luhrmann)が改作した「夏の夜の夢」など、名作を現代風にアレンジした作品を観賞することもできます。
オペラ・オーストラリアは贅を凝らした舞台装置とすばらしい物語展開で有名ですが、春と秋にはその舞台をメルボルンのアート・センターに移します。4月から6月、あるいは10月から12月の間にメルボルンに行かれる方は、ぜひ夜の予定にオペラの観賞を組み込んでみてください。また、オペラ・オーストラリアは国内の他の場所でも巡業公演を行っています。このほか、ニュー・サウス・ウェールズ州とビクトリア州以外にも、各州が運営するオペラ劇団があります。ホバートのシアター・ロイヤル(Theatre Royal)、ブリスベンのリリック・シアター(Lyric Theatre)、アデレードのオペラ・スタジオ(Opera Studio)、パースのヒズ・マジェスティーズ・シアター(His Majesty’s Theatre)など、伝統ある大劇場でオペラを楽しみましょう。
オーストラリアでは、オペラは屋外の自然の中で上演されることも少なくありません。毎年1月にはシドニーのドメイン(Domain)で、無料のオペラ・コンサートが開催されます。シドニーっ子たちに混じって、芝生に腰を下ろしてオペラ鑑賞を堪能しましょう。パースとメルボルンでも、夏には星空の下でオペラを観賞するイベントが開催されます。2月には手つかずの自然の残るノーフォーク島(Norfolk Island)で、かつての牢獄跡が背後にそびえる舞台で、会期一週間のオペラ・イン・パラダイス(Opera in Paradise)を観賞することもできます。10月になるとハンター・バレーとヤラ・バレーで行われるオペラ・イン・ザ・ビンヤード(Opera in the Vineyards)で、ブドウの木の立ち並ぶ丘の上で国際的に有名なテナー歌手がその美声を披露します。さらに同じ月に、クイーンズランド州ではオペラ・イン・アウトバック(Opera in the Outback)も行われます。ウンダラ・ラバ・チューブス(Undara Lava Tubes)と呼ばれる溶岩跡の大自然が創りあげたすばらしい円形劇場の中で行われるフォーマルなイベントです。
ぜひオーストラリアの魅力とオペラの魅力を両方一度に味わってみてください。どちらも壮大で、贅沢で、思い出に残る体験です。