乾期のフェスティバルの楽しみ

先住民による伝統的な踊り、ダーウィン・フェスティバル(Darwin Festival)、ノーザン・テリトリー。 © Tourism NT

乾期のフェスティバルの楽しみ

世界中のほとんどの地域では、冬といえば重ね着をして屋内に閉じこもる季節でしょう。ところがオーストラリアのノーザン・テリトリーは違います。冬は5月から10月までですが、屋外に出てお祭りをするのにぴったりの季節なのです。ダーウィンの「バス・イン・ザ・グラス(Bass in the Grass)」という音楽祭に参加して、星空の下でロックミュージックを楽しみましょう。アリス・スプリングスで行われる大騒ぎのお祭り、インパージャ・キャメル・カップ(Imparja Camel Cup)でお好きなラクダを応援してください。アーネムランドで開かれる世界的に名高いガーマ・フェスティバル(Garma Festival)で、太古から伝わるアボリジニの伝統音楽のリズムに身を委ねるのもよいでしょう。この州の暖かい冬と涼しい夜が、奇妙なものから厳かなものまで、祝宴を待ち焦がれる気持ちを育くんでくれます。

お祭りシーズンは5月に開かれるダーウィン・フェスティバルで幕を開けます。音楽、ダンス、演劇、コメディ、フロアショー、映画、映像アートなどが盛りだくさんの、18日間のお祭りです。世界中から集まったアーティストたちが、ジョージ・ブラウン植物園(George Brown Botanic Gardens)に集まって、ランタンの灯りのともる木の下で浮き浮きしたトップエンドの文化を披露してくれます。

5月下旬にダーウィン・アンフィシアター(Darwin Amphitheatre)の大会場で行われる州内最大の音楽祭、バス・イン・ザ・グラスに出演している最強バンドの演奏を聞きましょう。その後ジューン・フリンジ・フェスティバル(June Fringe Festival)に参加して、街のクリエイティブな雰囲気にさらに深く浸ってください。討論会や曲芸、アボリジニ映画、詩作コンテスト、街頭セッション、物まね、アート作品の展示など種々雑多な出し物の出る、2週間のお祭りです。

5月から10月はミンディル・ビーチ・サンセット・マーケット(Mindil Beach Sunset Markets)で地元の人と木箱に腰掛けて、あつあつの串焼きを楽しみましょう。毎年7月に行われるダーウィン・ビア缶・レガッタで、ビールやソフトドリンクの缶を使ったボート作りを見物するのもよいでしょう。この一見すると真剣に見えないこともないスポーツ・イベントは、サイクロン・トレーシーで壊滅的打撃を被ったダーウィンの街の再建で出たゴミをきれいにするにはどうすればよいかと悩んだ末に、創造的な方法として案出されたものです。今日ではボートは12メートルもの長さになり、本物だと言えないこともない武器を運ぶようなりました。小麦粉の爆弾と水のピストルのことです。何百人という地元民が、バトル・オブ・ミンディル(Battle of Mindil)と呼ばれている何でもありのボート・レースや、ビーチでの綱引き大会を応援しにきます。

ノーザン・テリトリーでは、自分たちのことを笑いとばすことほど楽しいことはありません。だからこそヘンリー・オン・トッド(Henley-on-Todd)があるのです。これはアリス・スプリングスの干上がった川の底で毎年開催されるヨットやボートのレースです。7月に行われるインパージャ・キャメル・カップでは、ラクダ乗りたちが気難しいラクダを駆りたてて、砂ぼこりの舞うアウトバックのコースで競争を繰り広げます。ベリーダンサーや人力車レース、曲乗り、ミスター・キャメル・カップやミス・キャメル・カップのコンテスト、屋台やバーがカーニバルの盛り上がりにひと役かってくれます。

ノーザン・テリトリーの冬はアボリジニの祭りの色彩や伝統、華やかさを愛でる季節でもあります。8月に開催されるガーマ・フェスティバルを見逃す手はありません。アーネムランド北東部のガルクラに住むヨルング族の文化を祝う5日間の優雅なお祭りです。地元の周辺のアボリジニの一族が、伝統的なヨルング族(Yolngu)の歌や儀式の踊り、一族の役職の決定、槍作り、狩猟のために集まってきます。祭りはカーペンタリア湾(Gulf of Carpentaria)を望むユーカリの森で行われ、一挙手一投足がすべてその神聖な場所に関するヨルング族の古い物語を表しています。

8月に行われるストーン・カントリー・フェスティバル(Stone Country Festival)で、アーネムランド西部に住むクンウィンク語(Kunwinjku)を話す人々のことをもっとよく知りましょう。フットボール・カーニバルや観光フライト、ディジュリドゥの見本演奏などの催しもあります。その後毎年9月にジャビル湖(Lake Jabiru)で開かれるマンビリル・フェスティバル(Mahbilil Festival)で、カカドゥのアボリジニの伝統文化と触れあってください。伝統的なダンスの披露、屋台、ブッシュ・タカ、マグパイ・グース(Magpie Goose)の料理コンテストなどの催しが開かれます。

例年5月2日には、スポーツ好きならアラフラ・ゲームス(Arafura Games)の友好的な闘争心の虜になること請け合いです。アジア太平洋地域全域からきた新興のチャンピオンたちが、経験を積み、技を競い合うためにやってきます。ノーザン・テリトリーのレース・シーズンは、世界の他地域のベストシーズンの全く逆で、冬に始まります。7月に開催される、優雅で活気に満ち、レースとカクテル・パーティと乱痴気騒ぎが一体化したお祭り、ダーウィン・カップ・カーニバルを見るにはスタミナが必要です。カーニバルの盛り上がりはダーウィン・カップ・デー(Darwin Cup Day)で最高潮に達します。約19,000人もの人たちが押しあいへしあいを繰り広げ、美しい女性やすてきな帽子が群衆のあいだを行き交います。

冬眠するのは忘れましょう。今年の冬は屋外へ飛び出て、ぜひこのオーストラリアの中でも特殊なこの州の豊かな文化や愉快なユーモアと触れあってみてください。

オーストラリアの考え