コーラル・コーストを巡る10日間
西オーストラリア州、コーラル・コーストを巡る素晴らしい旅で、白い砂浜やサンゴ礁、魅力的な漁村、岩だらけの国立公園を探索しましょう。
原文:アリッサ・ジェンキンス
西オーストラリア州のコーラル・コーストに沿ってパースから北へドライブします。まばゆいばかりに輝くインド洋を眺め、カルバリ国立公園の戸惑うほど美しい峡谷を歩きましょう。ジンベエザメと一緒に泳ぎ、イルカたちに会い、リラックスしてリフレッシュしてパースに戻ってきましょう。
見どころ
- ニンガルーリーフで風格のあるジンベエザメと一緒に泳ぐ
- カルバリ国立公園の印象的な峡谷を歩く
- ピナクルズの奇岩を見る
基本データ
- 日数:10日間
- 距離:2,800km
- 移動手段:車
- 最寄りの主要都市:パース
- 料金:$$$
1日目:パースからジェラルトンへ
レンタカーでパースを出発して、ブランド・ハイウェイ(Brand Highway)を北に向かいましょう。およそ2時間のドライブで、最初の停車地のバッジンガーッラ国立公園(Badgingarra National Park)に到着です。2時間ほどのウィルソン・ネイチャー・トレイル(Wilson Nature Trail)のコースを歩きましょう。ここには、カンガルー、エミュー、オナガ・イヌワシなどの野生動物が生息しています。歩くすがら、野生のワイルドフラワーもたくさん目にします。世界で最も大きいユーカリの花、モトルキャッシュなどの珍しい花も見かけるでしょう。さらに1時間北へドライブして、海辺にある双子の町、ドンガラ(Dongara)とポート・デニソン(Port Denison)でゆっくりとランチをとりましょう。素敵なビーチサイドの小屋のたたずまいのシースプレー・ビーチ・カフェ(Seaspray Beach Cafe)や、家族向けのサザリー・タバーン(Southerlys Tavern)がおすすめ。シルバーデール・オリーブ・オーチャード(Silverdale Olive Orchard)で地産の食材を、あるいはイリーガル・テンダー・ラム・カンパニー(Illegal Tender Rum Co)をツアーで回り、受賞歴を誇るブッシュタッカー・スパイスト(Bushtucker Spiced)ラムを購入したら、さらに30分ほどドライブしてジェラルトン(Geraldton)に入ります。午後はそのままビーチへ。たっぷり泳いだら、ジェラルトン・フィッシャーマンズ・コープ(Geraldton Fishermen's Co-Op)で夕食を調達しましょう。今夜は、街の中心部にある4つ星のオーシャン・センター・ホテル(Ocean Centre Hotel)の、オーシャンフロントの眺めと海辺の雰囲気のインテリアの中で眠りましょう。
2日目:ジェラルトンからカーナヴォンへ
ジェラルトンを発つ前にHMASシドニー・メモリアル(HMAS Sydney Memorial)を訪れます。645名の海軍兵が犠牲となった、1941年の西オーストラリア州沿岸の戦いで沈んだ船を追悼する記念碑です。さて、ここから北へ5時間のドライブです。途中、カルバリ国立公園(Kalbarri National Park)や、イルカの保護地区のモンキー・マイア(Monkey Mia)(いずれも帰路で散策する予定)を通過してカーナヴォン(Carnarvon)へ。ガスコイン川(Gascoyne River)周辺の肥沃な土地にバナナやマンゴー、パパイヤなどの農園が広がる町です。トロピカルフルーツに目がないなら、農園のツアーにぜひ参加してみてください。あるいは、ガスコイン・グロワーズ・マーケット(Gascoyne Growers' Market)でも新鮮な果物を購入できます。歴史を感じさせるワン・マイル・ジェティ(One Mile Jetty)を散策しましょう。この辺りは、カーナヴォンの史跡地区になっています。あるいは、さらに北へ向かい、潮が20mも噴きあがるカーナヴォンの潮吹き穴の壮観な眺めを楽しみましょう。今日最後のアクティビティは静かなカーナヴォンの海でシュノーケリング。波打ち際には白い砂浜が輝き、たくさんの魚や貝が生息する、サンゴ礁に囲まれた美しいラグーンです(シュノーケリングの装備は地元のお店で借りることができます)。夜は、コーラル・コースト・ツーリスト・パーク(Coral Coast Tourist Park)で、設備の整ったデラックス・スイートに泊まりましょう。
3日目:カーナヴォンからエクスマスへ
さらに4時間、北へドライブを続けます。赤い崖のケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)と青い海のニンガルー海洋公園(Ningaloo Marine Park)の間に位置する、エクスマス(Exmouth)の町へと向かいます。到着したら、ビーチで少し涼みましょう。ここの海岸線からほんの数メートル泳げば(あるいはシュノーケリングで)、世界遺産のニンガルーリーフ(Ningaloo Reef)の熱帯の魚たちや色とりどりのサンゴを見ることができます。ここでの一番人気は何といっても、世界最大の魚ジンベエザメと泳ぐ体験。ニンガルーリーフには、毎年4月から7月にかけて、体長18mにまで成長するジンベエザメが集まってきます。水に濡れずに楽しみたいなら、グラスボトム・ボートのツアーにしましょう。5月から11月まではマンタの群れも見ることができます。あるいは、シーカヤックのツアーもおすすめです。イルカやカメ、ジュゴンを追い越して進みます。夕刻になったら、運河沿いにレストランや小さな店、ワインバーなどが並ぶ、エクスマスのヨットマリーナで食事をしましょう。今夜は海の近くで宿を取りましょう。マンタレイズ・ニンガルー・ビーチ・リゾート(Mantarays Ningaloo Beach Resort)はすべてのスイートルームにキングサイズのベッドとスパを完備しています。
4日目:エクスマスからコーラル・ベイへ
今日はまず、ケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)の岩だらけの景観を探索してたっぷり半日を過ごします。このエリアを縦横無尽に通る風光明媚なハイキングコースのひとつ、Badjirrajirraループ・トレイル(Badjirrajirra Loop Trail)は、8kmの適度なコースです。ケープ山脈(Cape Range)の峰を歩き、岩の多い窪地や色鮮やかな渓谷、スピニフェックスの茂みを通り、ショットホール・キャニオン(Shothole Canyon)の壮観な眺めとエクスマス湾(Exmouth Gulf)を見下ろす美しい風景を堪能します。このエリアを4輪駆動車で回り、さらに美しいヤーディ・クリーク(Yardie Creek)をボートで巡る、ニンガルー・サファリ・ツアーズ(Ningaloo Safari Tours)のガイド付きツアーもおすすめです。午後にはコーラル・ベイ(Coral Bay)に向かって南に車を走らせましょう。白く輝く砂の保護ビーチでもう一度海水浴はいかがでしょうか。あるいは、ニンガルーリーフにほど近い沿岸でシュノーケリングも楽しめます。夜は、ベイビュー・コーラル・ベイ(Bayview Coral Bay)などの地元の宿泊施設でゆっくり休んでください。
5日目:コーラル・ベイからデナム(シャーク・ベイ)へ
早朝の海水浴を楽しんだら、南にドライブしてシャーク・ベイ世界遺産地域(Shark Bay World Heritage Area)に行きます。ハイウェイを降りて、見事なハメリン・プール(Hamelin Pool)に寄り道しましょう。地球上で最も古く、そして最大の、ストロマトライトというドーム型岩石の生きた化石を見学します。もう少し先までドライブすると、シェル・ビーチ(Shell Beach)があります。その名の通り、計り知れない数の小さな貝殻が砂の代わりに埋め尽くされた海岸です。カーブを描いて70km以上も続く美しい青い海をうっとりと眺めましょう。今日は近くのデナム(Denham)の町で宿を取ります。オールド・パーラー(The Old Pearler)レストランでとてつもなく新鮮なシーフードに舌鼓を打ったら、オーシャンサイド・ビレッジ(Oceanside Village)の部屋でくつろぎましょう。
6日目:デナム(シャーク・ベイ)からモンキー・マイア(シャーク・ベイ)へ
デナムからモンキー・マイア(Monkey Mia)までは約30分のドライブです。ここは野生のバンドウイルカが毎日浅瀬に姿を見せることで有名です。長年にわたって地元の猟師に餌を与えられていたイルカたちは、海岸まで泳いできて人間と交流するようになりました。そのためここでは、イルカたちに餌をあげたり、入江の透き通った青い海で一緒に泳いだりすることもできるのです。モンキー・マイアの海には、イルカのほかにもクジラやマンタ、カメ、サメ、膨大な種類の魚、そして世界中の生息数の約10%にあたるジュゴンが泳いでいます。シュノーケリングやスキューバダイビング、グラスボトム・ボートで、海の生物たちとの出会うことができます。動物たちとの出会いはこれだけではありません。ドルフィン・ビーチ(Dolphin Beach)でラクダに乗る体験や、毎日行われるペリカンの餌やりにトライしてみてはいかがでしょう。ダイオウギス、タラ、フエダイ、サバ、マグロなどの海釣りもできます。夜は、ディジュリドゥ・ドリーミング・ナイトツアー(Didgeridoo Dreaming Night Tour)に参加して、地元の先住民アボリジニ文化について学び、キャンプファイヤーでブッシュタッカー料理を作ってみましょう。中心部にあるRACモンキー・マイア・リゾート(RAC Monkey Mia Resort)は、ビーチフロントのキャンプ場と快適なホテルルームを完備した家族向けスポットです。今夜はここに宿泊するか、あるいはまたデナムに戻って一泊してください。
7日目:デナム(シャーク・ベイ)とその近郊
今日は、フランソワ・ペロン国立公園を巡る4WDツアーに参加しましょう。朝、宿泊施設まで迎えに来てもらって、赤い砂丘とまばゆい白砂のビーチ、そしてクリスタル・ブルーの海のコントラストが美しい公園に行きます。また、この国立公園は、希少種のトカゲ(モロクトカゲ、レースホースゴアンナなど)や、エミューやフェアリーレンなどの素晴らしい野鳥たちが棲む、野生動物の天国のような場所です。午前中はスキップジャック・ポイント(Skipjack Point)でマンタやカメやサメを見て過ごします。そのあとは車に乗って南へ。ジュゴンの繁殖地、イーグル・ブラフ(Eagle Bluff)に向かいます。ここには海の上に遊歩道があり、海草を食べるジュゴンの姿を眺めることができる素晴らしいスポットまで行くことができます(ジュゴンはウミウシとも言われ、何時間もかけて静かに海草を食べます)。この場所からはサメ、イルカ、魚、サンゴ礁なども見えます。次は、ペロン・ホームステッド(Peron Homestead)を見学します。かつて農地だった場所を博物館に改装して、この地の牧歌的な歴史をとても魅力的な視点で紹介しています。敷地内にある温泉に入ることもできます。すぐ近くの掘り抜きの被圧井戸から温かいミネラル水が湧き出しているのです。このツアーが宿泊施設に戻ってくるのは午後4時45分頃。そろそろ夕食の時間です。地元では「昔のパブ」と言われるシャークベイ・ホテル(Shark Bay Hotel)で、ここで獲れる新鮮なシーフードや、ベジタリアン向けのメニューなども楽しみましょう。カンガルー料理まであるので、トライしてみてはいかがでしょう。
8日目:デナム(シャーク・ベイ)からカルバリへ
この旅で4WDの車を借りているなら、回り道をしてオーストラリア本土の最西端のスティープ・ポイント(Steep Point)に行ってみましょう。ズイトドーブ・クリフ(Zuytdorp Cliffs)という高さ170mの断崖が海岸線に沿って150kmも延びる、壮大な景色が望めます。時間に余裕があるなら、ここでもう1日過ごしてみてください。車(4WD)をはしけに乗せ、ダーク・ハートッグ島(Dirk Hartog Island)へ行きます。海に切り立つ崖や白い砂の静かな隠れ家ビーチ、そして世界レベルの釣りを楽しみましょう。もしくは、南へ4時間ほどドライブを続けて、魅力あるカルバリ(Kalbarri)の町に行きましょう。休暇を過ごす場所として、西オーストラリア州の人々にとても人気のあるところです。カルバリは、絵画のように美しいマーチソン川(Murchison River)とインド洋が出合う場所に位置しています。チャイナマンズ・ビーチ(Chinaman's Beach)で海水浴やサーフィンを楽しんだり、渚でのんびりリラックスしたり、ペリカンが餌を食べる様子を眺めたり。ここには海の楽しみが満載です。オーストラリアで最も美しいオウムの生息地のひとつ、レインボー・ジャングル(Rainbow Jungle)も訪れてみてください。熱帯庭園を散策して、ムラサキオーストラリアムシクイ、オオハナインコ、コンゴウインコなど、見応えのある鳥たちを観察しましょう。そして、サンセット・ワイルドネス・クルーズ(sunset wilderness cruise)(飲み物と軽食付き)でマーチソン川を下り、1日を締めくくりましょう。宿泊は、カルバリ・エッジ・リゾート(Kalbarri Edge Resort)やカルバリ・シーフロント・ヴィラ(Kalbarri Seafront Villas)がおすすめです。
9日目:カルバリ
今日は1日、素晴らしいカルバリ国立公園のブッシュウォークを楽しみます。切り立つ峰や赤錆色の岩、そしてその間を流れるマーチソン川の風景を味わいましょう。7月から10月まで、公園は800本ものオーストラリアのワイルドフラワーでいっぱいになります。グレビリア、カンガルーポー、赤い花が咲くユーカリなどたくさんの種類の花を鑑賞できます。短めのコースもいくつかありますが、最も良い景色が望めるおすすめのひとつは、8kmのループ・ハイク(Loop Hike)です。起点と終点は、ネイチャーズ・ウィンドウ(Nature’s Window)と呼ばれる岩のアーチ。下を流れる川のフレームのような形に風に浸食された、インスタグラムでもおなじみの場所です。そこから、マーチソン川のほとりに向かって曲がりくねった道を歩き、砂岩の崖を頂上へとよじ登ります。他には、フォー・ウェイズ・トレイル(Four Ways Trail)(別名:Idinggada Yina)もおすすめ。素敵なZ-ベンド(Z-Bend:ジグザグの意味)展望台からスタートします。ヘリコプターの遊覧飛行で上空から眺めてみるというのはいかがでしょう。公園や海岸線、息をのむほど美しいアブロホス諸島(Abrolhos Islands)の風景が眼下に広がります。この日の夕食は、カルバリの町にあるにぎやかなレストランからどこか選んで行きましょう。ワッフルハウス、シーフードの小屋、ピッツェリアなど、いつもと違ったディナーも楽しめます。
10日目:カルバリからパース
この日は早起きしてストックヤード・ガリー国立公園(Stockyard Gully National Park)に向けて出発します。南へおよそ4時間のドライブです。この国立公園では、水中の河川システムにつながる石灰岩の洞窟を歩くことができます。素晴らしい大洞窟の中を歩いていると、眠っているコウモリのコロニーが頭上に見えるので、じっくり観察しましょう。ここからほんの1時間ほど南に行くと、美しいジュリエン・ベイ(Jurien Bay)です。さらに美しい白い砂浜とサンゴ礁によって、完璧なシュノーケリングスポットとなっているのがわかるでしょう。このあたりのゆったりとした食堂で食事をとり、エネルギーをチャージしておきます。サンドパイパー・タバーン&ピッツェリア(Sandpiper Tavern and Pizzeria)などはいかがでしょう。今日の最終目的地であるシーフードで有名な漁村、セルバンテス(Cervantes)まであと20分です。到着したらまず、宿泊先のピナクルズ・エッジ・リゾート(Pinnacles Edge Resort)にチェックイン。太陽が沈んだら、ピナクルズ(the Pinnacles)まで約15分、車を走らせます。インスタグラムでもよく登場するナンバン国立公園(Nambung National Park)の砂漠は、何千もの古代の石柱が、風化した墓石のように砂から立ち上がっています。もちろん、ピナクルズにも行きましょう。どんな時間帯に訪れても良い場所ですが、最も印象的な姿を見ることができる夕暮れ時がおすすめです。今日は宿泊施設内のレストランで食事をしましょう。明日は南に向かって出発して、わずか3時間ほどでパースに戻ります。