オーストラリアの良質な生鮮食産物

従来、オーストラリアは高品質の小麦や大麦など穀類の生産能力の高さ、また羊や牛の輸出で知られていました。しかし、それは変わろうとしています。他の国々に対してオーストラリアが勝っている豊富な利点を活用することを生産者が学んでいるためです。まず、熱帯から砂漠、温帯、さらには極地に至る、極めて幅広い気候帯が存在し、オーストラリアで栽培/生産できないものはありません。 また、世界の他の場所では見つけられない食材も存在します。オーストラリア原産の「ブッシュ・タッカー」と呼ばれる食物です。熱心で革新的なシェフたちによって、6万年の歴史に支えられたこの食材の文化が再発見され、使われるようになっています。このため、オーストラリアの海岸や砂漠で採取を行う人々がサムファイアやシー・パセリ、ワトルシード、ワイルド・ロゼラなどの食材を探し回るという現象も生まれました。 多数のオーストラリアのシェフは地元産のオーガニック食材を自らのキッチン・ガーデンで育てることさえあります。持続可能な食料供給への強い意識があってのことです。 オーストラリアの良質な生鮮食産物
Site Requires Javascript - turn on javascript!

オーストラリアの良質な生鮮食産物

オーストラリアの生産者たちは、国内のさまざまな気候帯を利用し、ますます需要が高まっている新鮮で良質な食物を栽培、生産、加工しています。


従来、オーストラリアは高品質の小麦や大麦など穀類の生産能力の高さ、また羊や牛の輸出で知られていました。しかし、それは変わろうとしています。他の国々に対してオーストラリアが勝っている豊富な利点を活用することを生産者が学んでいるためです。まず、熱帯から砂漠、温帯、さらには極地に至る、極めて幅広い気候帯が存在し、オーストラリアで栽培/生産できないものはありません。

また、世界の他の場所では見つけられない食材も存在します。オーストラリア原産の「ブッシュ・タッカー」と呼ばれる食物です。熱心で革新的なシェフたちによって、6万年の歴史に支えられたこの食材の文化が再発見され、使われるようになっています。このため、オーストラリアの海岸や砂漠で採取を行う人々がサムファイアやシー・パセリ、ワトルシード、ワイルド・ロゼラなどの食材を探し回るという現象も生まれました。

多数のオーストラリアのシェフは地元産のオーガニック食材を自らのキッチン・ガーデンで育てることさえあります。持続可能な食料供給への強い意識があってのことです。

Bruny Island Cheese Co,
Bruny Island, TAS

チーズ

タスマニア州のブラニー・アイランド・チーズ・カンパニー(Bruny Island Cheese Company)をはじめ、国際的に通用するチーズが作られている地域もあります。これも、海に面して涼しい独特の環境のおかげです。受賞歴のあるチーズ職人ニック・ハドウは、10年間にわたり世界各国のチーズ工房で専門の職人たちと働いてきました。現在、オーストラリアで最も優れた手作りチーズを作る職人です。

ニックは伝統を重んじています。素晴らしいチーズは最新テクノロジーが導入される前から何世紀にもわたって作られていたと知っているからです。チーズを作って発酵させる昔ながらの製法に強い思い入れを持っています。彼にとってチーズ作りは完全性と味の追究です。牛と山羊のミルクを使って数種類のチーズを作っていますが、牛も山羊も環境的に持続可能な方法で飼育されています。

Myrtleford Butter Factory,
Myrtleford, VIC

オーストラリアのバター

オーストラリア本土で同様の伝統的なアプローチをとっているのはマートルフォード・バター・ファクトリー(Myrtleford Butter Factory)です。ここで「バターに真剣に向き合っている」と聞かされたら、ごく控えめな表現と思ってください。なぜなら、ヨーロッパ方式の発酵バター作りに関し、執念と言ったほうがぴったりだからです。

オーストラリアのバターは通常は濃い黄色です。オーストラリアでは乳牛の飼料は牧草がほとんどで、牛乳のベータ・カロテン(ビタミンA)含有量が高いためです。ヨーロッパのバターは比較的色が薄いのですが、これは、乳牛が一般的に穀物飼料を与えられ、年間のほとんどを牛舎で過ごすことによります。乳牛の品種や製造時期によっても違いが出ます。また、塩を添加するとバターの黄色みが強くなる傾向があります。

特製のバターは、色が薄くクリーミーなヨーロッパ・スタイルで、少量ずつ撹拌して1つずつ手作業で包装しています。原材料には牛乳と乳酸菌の2つしか使われていません。こうして出来上がったバターは、乳脂肪率82%超の芳醇な味わいになります。もう1つの特製品はオーストラリア産トリュフを使った黒トリュフ・バターです。

The Truffle & Wine Co,
Manjimup, WA

トリュフ - キッチンのダイヤモンド 

多くの人にとって驚くことかもしれませんが、急成長するオーストラリアの黒トリュフ農業は現在年間4.5トンの黒トリュフを生産しています。そのほとんどは、涼しい気候の西オーストラリア州やタスマニア州で栽培されています。

この総量のうち約3トンは、西オーストラリア州マンジマップのザ・ワイン&トリュフ・カンパニー(The Truffle & Wine Co)によるものです。この会社は、フランスのペリゴール地方に似た土壌と気候を活かして13,000本のハシバミとオークの農園を作り上げています。こうして、高品質のオーストラリア産ペリゴール・トリュフが産出されます。これは需要の高いフランス産の「黒いダイヤ」に似た品種です。

ヨーロッパ産が品薄になる時期を埋められるため、ニューヨーク、パリ、東京、ベルリン、シドニー、バンクーバーなど各地の有名シェフがオーストラリア産トリュフを使っています。彼らが最も感心するのは、シーズンの始めから終わりまで品質が安定していることです。ザ・ワイン&トリュフ・カンパニーはわずか25年余りで南半球で最大の黒トリュフ生産者になり、今や約25カ国にトリュフを輸出しています。

Local produce,
Victoria's High Country, VIC

キノコ

スケールがぐっと小さくなりますが、ビクトリア州の奥地にある原生林オトウェイではオトウェイ・フォレスト・シイタケ(Otway Forest Shiitake)が地元の農家から提供されるユーカリの丸太を使ってシイタケのみを栽培しています。農家は環境保全を目的として木を景観に返し、収入を得ているのです。一方、南オーストラリア州のアデレード・ヒルズでは、採取家たちがなかなか見つけられない野生のポルチーニ茸を求めて秘密の場所をさまよっています。

Clifford's Honey Farm,
Kangaroo Island, SA

ハチミツ

何よりも一番甘い農産物は、南オーストラリア州カンガルー島のような汚染のない環境で産出される希少なハチミツです。この島のリグリア・ミツバチの群れは、世界でここだけに残っている純粋種と考えられています。カンガルー島には40余りの養蜂場があります。中でもクリフォード養蜂園(Clifford’s Honey Farm)は、300の巣箱を所有し、このおとなしくて勤勉なミツバチを飼育しています。この島は1885年にミツバチ保護区と宣言されて以来、他の種類のハチの持ち込みが禁じられています。また、南オーストラリア州の沿岸から地理的に離れていることでも守られています。

消費者にとってこの上ない喜びは、人の手が入っていない自然環境に原生するさまざまな花から集められた高品質のハチミツが採れることです。最も特徴的なのはデリケートながらも風味がはっきりしたシュガー・ガムのハチミツですが、カップ・ガム、ペパーミント・ボックス、ブルー・ガム、リバー・レッド・ガム、さらにブラシノキや地元原産のフクシアからも蜜が集められます。

Orana,
Adelaide, SA

土地原産の食材

マントリー、クァンドン、ネイティブ・ライス、ワトルシード、レモン・アスペン、ワラビー、グリーン・アンツ、アンガシ・オイスター、ソルトブッシュ、ライベリーなど、土地原産のユニークな食材が知られるようになったのは、夢中になったシェフたち、そしてその料理に同様に夢中になった人々のおかげです。

「私のメニューに最近加わったのは、ウォーター・リリー、カカドゥプラム(オレンジの100倍のビタミンCを含むスーパー・フード)、パロット・ピー、ブッシュ・ジンジャー、ブッシュ・レモングラス、ツムギアリ(グリーン・アンツ)、ミツツボアリ、ツリー・サップ(樹液)、ジランジン」とシェフのジョック・ゾンフリロが言います。アデレードにある彼のレストラン、オラナ(Orana)では、クーロン・マロウェイにネイティブ・チェリーとシー・パセリを添えたもの、あるいはビターグラスのソースをかけた菱形の和牛あばら肉といった料理が有名です。

2013年にシドニーで開催されたグレート・オーストラリアン・ディナー(Great Australian Dinner)では、世界有数のシェフたちがオーストラリア原産食材の食料庫を初めて探索しました。コペンハーゲンのノーマ(Noma)のレネ・ゼネピは、有名なオニオンとガーリックの一品に添えるためにツムギアリ、ロゼラのつぼみ、サムファイアを選びました。「原産食材は土地に属し、際立っています。オーストラリアの一皿です」と述べています。 

De Bortoli Yarra Valley Estate,
Yarra Valley, VIC

マーケットとフード・トレイル

このような財産ともいえる豊富な農産物/加工食品がオーストラリア大陸全体で豊かに産出されていることを考えれば、素晴らしい恵みを誰もが手に入れられるように、ファーマーズ・マーケットやフード・トレイルがあちこちに出来ているのも不思議ではありません。

訪れたシェフが商品の新鮮さ、品質、種類の豊富さに仰天するアデレード中央市場(Adelaide Central Market)、メルボルンのプラーラン・マーケット(Prahran Market)シドニー・フィッシュ・マーケット(Sydney Fish Market)など、世界的に有名な市場が街にあります。また、ヌーサ・ファーマーズ・マーケット(Noosa Farmers Market)やダーウィンのパラップ・マーケット(Parap Market)を見ればこれが国全体のトレンドであるとわかります。

オーストラリア各地にはフード・トレイルやワイン・トレイルがあり、それらのトレイルをたどるとその地域の最高の食やワインを楽しめます。西オーストラリア州のスワン・バレー・フード・アンド・ワイン・トレイル(Swan Valley Food and Wine Trail)ガスコイン・フード・トレイル(Gascoyne Food Trail)沿いでは、ワイナリー、ビール醸造所、上質なレストラン、カフェ、新鮮な農産物/加工食品を見つけることができます。

南オーストラリア州には、バロッサ・バレーのブッチャー・ベイカー・ワインメーカー・トレイル(Butcher, Baker, Winemaker Trail)アデレード・ヒルズ・チェリー・トレイル(Adelaide Hills Cherry Trail)カンガルー・アイランド・ファーム・ゲート・アンド・セラー・ドア・トレイル(Kangaroo Island Farm Gate and Cellar Door Trail)があります。また、ビクトリア州のヤラ・バレー・フード・トレイル(Yarra Valley Food Trail)を訪れた人々は、この地方をくまなく回って、果樹園や農家の直売所または道端の売店に寄って地元の農産物/加工食品を買い求めることができます。あるいは、ファーム・ゲート・トレイル(Farm Gate Trail)でマレー地方の有名な食品やワインを買いだめするのもいいですね。農園で採れたばかりの果物や野菜、チーズ、オリーブ、そして手作りチョコレートやワイン、クラフト・ビールまであらゆるものが魅力的です。

オーストラリアには非常に多くの食料生産地があり、そのほとんどで、美食家の宴に備えるかのように自慢の農産物を見せて販売しています。

Sydney Fish Markets,
Sydney, NSW

良質の生鮮食品を求めて行く価値がある街のマーケット5選

1. アデレード中央市場、南オーストラリア
2.プラーラン・マーケット、ビクトリア州
3.シドニー・フィッシュ・マーケット、ニュー・サウス・ウェールズ州
4.ヌーサ・ファーマーズ・マーケット、クイーンズランド州
5.パラップ・マーケット、ノーザン・テリトリー