オーストラリアの冬のアクティビティ
南国エスケープ、雪山の保養地、どちらをお好みでもオーストラリアの冬なら叶います。
原文:アリー・メッツ
オーストラリアの多くの地域では、6月から8月が冬です。ノーザンテリトリーでは乾季にあたるため、ダーウィン(Darwin)、トップエンド(Top End)、キンバリー(Kimberley)など北の方を訪れるのには最適な季節です。北部の爽やかな午後から、シドニーより南に位置する多くの場所での凍てつく寒さや雪(ホワイトウィンターを経験してみたい人にはオーストラリア・アルプス(Australian Alps)やタスマニア州(Tasmania)がおすすめ)まで、冬季のオーストラリア旅行には楽しみがたくさん。また多様なアクティビティや見どころも満載です。
冬季のオーストラリアは一般的に混雑の少ない時期です。ただし、7月中旬の学校の休暇期間は、スキー場は地元の家族連れなどでにぎわいます。冬のオーストラリアでおすすめの場所や素敵なアクティビティをご紹介します。
気候について
オーストラリアの冬は、天気は良いものの日中も気温は低く、夜は寒くなります。南部は凍てつくような寒さで雪も降りますが、北部では日中穏やかで夜は涼しく過ごせます。
服装について
オーストラリアの南部に行くなら暖かい衣服と厚いコートが必要です。北部なら、日中は薄着でも構いませんが夜には気温が下がるので上に羽織るものを持っていきましょう。
おすすめの場所
冬に訪れるのに理想的な場所は、穏やかな気候が良いなら乾季に入っているトップエンドやレッドセンター(Red Centre)、雪を体験したいならビクトリア州やタスマニア州です。
オーストラリアの冬の人気アクティビティ
ダーウィンとトップエンドで凍えた身体を温める
オーストラリア南部は冬中厳しい寒さに見舞われますが、ダーウィンやトップエンドでは乾季のため、日中は暖かく日差しもたっぷりで、夜は涼しいくらいの気候です。ダーウィンのたくさんの魅力的な見どころを巡るには理想的な気候です。ミンディル・ビーチ・サンセット・マーケット(Mindil Beach Sunset Markets)や、クロコダイルと泳ぐケージ・スイミング、野外で映画を楽しむデッキチェア・シネマ(Deck Chair Cinema)など、様々な体験をしてみましょう。ダーウィンから南へ約115kmのリッチフィールド国立公園(Litchfield National Park)に向かい、澄んだ水が流れ込んだ自然のプールが連なるバレー・ロックホール(Buley Rockhole)で遊びましょう。たっぷり泳ぎたいなら、ワンギ滝(Wangi Fall)やフローレンス滝(Florence Fall)などの有名スポットがおすすめです。泡が流れに乗って過ぎていくのを見ながらくつろぐこともできます。さらに南へ向かうとニトミルク国立公園(Nitmiluk National Park)があります。太古の渓谷の中をカヌーで渡り、先住民アボリジニの壁画を鑑賞し、自然の飛び込みプールで泳ぎましょう。
ブルームとキンバリーで太古の美を探索する
ゆったりとした休暇に冬のワンダーランドはそぐわないと思うなら、人里離れたキンバリー(Kimberley)地区を訪れてみてはいかがでしょう。穏やかな気候が凍えた身体を温めてくれます。乾季となる冬は、オーストラリアのこの素晴らしい地域を訪れるのに最適です。バングル・バングル山脈(Bungle Bungle Ranges)上空の遊覧飛行や海岸線上のクルーズ、ラグジュアリーなエル・クエストロ・ホームステッド(El Questro Homestead)での宿泊などを楽しみましょう。ブルーム(Broome)の真珠養殖場と、月への階段(The Staircase to the Moon)と言われる美しい自然のショーは必見です。3月から10月までの満月の夜、月が昇るとその光が干潮時のローバック湾(Roebuck Bay)の干潟に反射して、天国に向かう「階段」のように見えます。この上なくロマンティックな一夜を過ごすことができるでしょう。
グレート・バリア・リーフでクジラと泳ぐ
気温がちょうどよく湿度も低いこの時期のグレート・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)では、素晴らしい体験ができること間違いなしです。この時期はスティンガー(毒のあるクラゲ)シーズン(11月~5月)から外れるという利点もあり、ウェットスーツを着用しなくてもシュノーケリングができます。オーストラリアでは、冬はクジラのシーズン真っただ中。この威厳のある海の生物と出会えるスポットや交流できる素晴らしい機会もあります。好奇心が強く遊び好きなミンククジラと一緒に泳いでみたいなら、ケアンズまたはポート・ダグラス(Port Douglas)から出発するマイク・ボール・ダイブ・エクスペディション(Mike Ball Dive Expeditions)のツアーに参加してみましょう。
レッドセンターでアウトバックの星空を眺める
日中は涼しく夜は寒い(氷点下の厳しい寒さになることも)オーストラリアのレッドセンター(Red Centre)は、素敵な冬の隠れ家です。ウルルとカタ・ジュタ(Uluru and Kata Tjuta)の印象的な一枚板を、ラクダ、セグウェイ、バイクやヘリコプターに乗って眺めてみましょう。あるいは、ララピンタ・トレイル(Larapinta Trail)や、太陽光を利用した5万本の電灯のイルミネーションが設置されたフィールド・オブ・ライト(Field of Light)を歩いてみるのもおすすめです。そして、たっぷりと日が暮れるまで外にいて、見事なアウトバックの夜空をぜひ眺めてみてください。街の灯りから遠く離れたこの場所では、星はずっと大きく明るくみえます。エアーズ・ロック・リゾート(Ayers Rock Resort)の天体観測ツアー(ガイド付き)に参加して、先住民アボリジニの物語や伝説を星空の下で聞きましょう。リゾートに常駐する天文学者と一緒に、望遠鏡、双眼鏡、iPadなどを使って天の川を旅します。少し変わった体験をしたいなら、アリス・スプリングス(Alice Springs)で毎年開催されるキャメル・カップ(Camel Cup)はいかがでしょう。華やかなアウトバックのこのお祭りは、週末にかけてパーティーが開催されます。普通のラクダは競争になど興味を持ちませんが、この競走用に育てられたラクダたちはレースで観客を大いに楽しませてくれます。
アデレード近郊のセラードアでくつろぐ
南オーストラリア州のワイン産地のゆるやかな緑の丘が朝霧に包まれると、暖かい暖炉の前でくつろぎたい気分になるでしょう。そう、ワインを片手に。居心地の良いセラードアに座り、この地域で有名なコクのあるワインを味わってみましょう。フリンダース山脈(Flinders Ranges)は冬も変わらず壮観です。アウトバックの夏の暑さが終わり、野生動物が豊富にみられる素敵な季節です。アデレード(Adelaide)やその周辺地域のイベントカレンダーをチェックして、素晴らしいウィンター・フェスティバルを見つけて参加してみましょう。また、本当にユニークな体験をしてみたいのなら、2日間のスイム・ウィズ・ジャイアント・カトルフィッシュ(Swim with Giant Cuttlefish)ツアーがおすすめ。エア半島(Eyre Peninsula)のアッパー・スペンサー湾海洋公園(Upper Spencer Gulf Marine Park)の海岸線上にあるストーニー・ポイント(Stony Point)で、驚くほど巨大なコウイカと一緒にシュノーケリングを楽しみます。
パースとその周辺地域のイベントに参加する
西オーストラリア州の州都で開催されるパース・シティ・ウィンター・フェスト(Perth City Winter Fest)で冬の冒険を始めてみましょう。晴れて涼しい良い気候を活用したイベント(無料、チケット制の有料)が盛りだくさんです。また、この季節は南のマーガレット・リバー(Margaret River)地域を訪れるのにも最高の時期。トリュフがシーズンを迎えるからです。マンジマップ(Manjimup)では、6月から9月に珍味の一つとして崇拝されるペリゴール黒トリュフのシーズンとなります。懸賞付きキノコのキノコ狩りや料理教室にも参加できます。この地域の上質なワインとのペアリングが楽しめる、テーマに沿ったデギュスタシオン・ディナーもぜひ味わいましょう。パースの北側にもたくさんのイベントがあります。コーラル・コースト(Coral Coast)に向かいニンガルーリーフ(Ningaloo Reef)まで行けば、人懐こいジンベエザメや回遊するザトウクジラと一緒に泳ぐことができます。
メルボルンのスキー場に行く
南部のビクトリア州の冬は寒さがかなり厳しくなります。でもメルボルンには、冬を熱く楽しむ方法があります。ここを訪れるなら、メルボルン・クリケット・グラウンド(Melbourne Cricket Ground)で行われるオーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)のホットな試合を体験すべきです。熱い闘いに観客たちもヒートアップします。夜はクイーン・ビクトリア・マーケット(Queen Victoria Market)で開催されるウィンター・ナイト・マーケット(Winter Night Market)をのんびり歩きましょう。屋台の食べ物や燃え盛る火、専門店でのショッピング、スパイスの入ったホットワイン、生演奏などをたっぷり楽しみましょう。山で遊びたい日には、市街地から2、3時間ほどのマウント・ブラー(Mt Buller)やマウント・バウ・バウ(Mt Baw Baw)があります。スキーやスノーボード、スノーシューや犬ぞりまでそろっています。身体が冷えたらモーニントン半島(Mornington Peninsula)の温かい温泉で温まりましょう。あるいは、ソブリン・ヒル(Sovereign Hill)に行って冬ならではの素敵なひとときを楽しむのもおすすめです。ウィンター・ワンダーライト・フェスティバル(Winter Wonderlights Festival)は、家族みんなで楽しめるイベントです。
雪化粧したタスマニア州のトレイルをハイキング
タスマニア州の冬の寒さは厳しいけれど、様々なアウトドア体験に良い季節です。クレイドル・マウンテン ー セント・クレア湖国立公園(Cradle Mountain-Lake St Clair National Park)に行きましょう。雪化粧をまとったトレイルをハイキングして野生動物と出会い、うまくいけば途中で南極光(南極オーロラ)の輝きを見ることができるかもしれません。また、この時期はフェスティバルもたくさんあります。ホバート(Hobart)に行き、ダーク・モフォ(Dark Mofo)という真冬のフェスティバルを体験してみましょう。このイベントのハイライトは、グルメ好きが集まるウィンター・フィースト(Winter Feast)とウィンター・ソルスティス・ヌード・スイム(Winter Solstice Nude Swim)です。また、タスマニアン・ウィスキー・ウィーク(Tasmanian Whisky Week)も開催されます。ホット・ウィスキーを楽しめる素敵なイベントです。
キャンベラのトリュフシーズンで黒い宝石を探す
冬は、オーストラリアのトリュフのシーズンです。キャンベラでは、毎年開催されるトリュフ・フェスティバル(Truffle Festival)の一環としてトリュフにちなんだ様々なイベントがあります。トリュフ狩りや料理教室、テーマに沿ったコース料理などが楽しめます。また、キャンベラは、国内の多くのおすすめのスキー場から約2時間半ほどの便利な場所で、市内からの日帰り旅行も難なくできます。ペリシャー(Perisher)、スレドボ(Thredbo)、セルウィン(Selwyn)などに日帰りで出かけてみましょう。スノーシューや犬ぞり、トボガンもあるので、スキーやスノーボードをしない人でも銀世界で1日中遊ぶことができます。また、キャンベラからはジャービス・ベイ(Jervis Bay)にも日帰りで行くことができます。冬の間北に移動する、イルカやホエールウォッチングのクルーズを体験してみましょう。
ブリスベン、ゴールド・コースト、サンシャイン・コーストでアクティブに過ごす
「ザトウクジラ・ハイウェイ(humpback highway)」はクイーンズランド州の南部に延びています。ハービー・ベイ(Hervey Bay)へ向かいましょう。スピリット・オブ・ハービー・ベイ(Spirit of Hervey Bay)のツアーで、壮大なホエールウォッチングが楽しめます。あるいは、サンリーフ・ムールーラバ(Sunreef Mooloolaba)のボートに乗って、サンシャイン・コースト(Sunshine Coast)でこの心優しい大きな海の生物と一緒に泳いでみましょう。8月にここを訪れるなら、キュレイテッド・プレート(Curated Plate)を見逃さないようにしましょう。オーストラリア国内や世界各国からの一流シェフが集まる4日間の食の祭典です。ブリスベンから1時間ほど南に行くと、家族連れに人気のゴールド・コースト(Gold Coast)です。世界クラスのテーマパークや、コアラを抱っこできるワイルドライフ・パークがあります。毎年7月には、ゴールド・コースト・マラソン(Gold Coast Marathon)も開催されます。
シドニーで真冬のフェスティバルを体験する
シドニーの冬は実に衝撃的です。日中は澄んだ青空が広がり涼しい風が吹きますが、日が沈むと気温が急激に下がります。ハーバーからはホエールウォッチングのツアーが出ています。ボンダイ・トゥー・クージー・コースタル・トレイル(Bondi to Coogee Coastal Trail)を歩くと、海岸線からクジラが見えるスポットがあります。ボンダイでは14kmのコースを走るシティ・トゥー・サーフ(City2Surf)が開催され、毎年8万人を超えるランニング愛好者たちが集まります。6月上旬にこの街を訪れるなら、ビビッド・シドニー(Vivid Sydney)にまだ間に合います。イルミネーションやプロジェクションが映し出されるいつもと違う街の風景を楽しみましょう。街のちょうど西側にあるブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)ではユールフェスト(Yulefest)を祝います。お祭りの活気と、ひょっとしたら雪も楽しめるかもしれません。