
キャンベラで先住民アボリジニ文化を体験する
キャンベラ地方の重要な文化遺跡を見て回り、先住民アボリジニ文化を体験するガイドツアーの数々を紹介します。
原文:ポール・ロビンソン
キャンベラ地域には、多くの重要な先住民アボリジニの遺跡と語り継がれるべきたくさんの物語があります。ただ、先住民アボリジニ文化について深く理解したいなら、地元の人の内部情報が必要です。
ダーワル・アボリジナル・カルチャー・ツアーズ(Dharwra Aboriginal Cultural Tours)のツアーに参加して、ヌグナワル族(Ngunawal)のガイドと一緒に隠れた壁画を探したり、歴史的手工品を確認したり、「ブッシュフード」や伝統的石器について学んだり、現地の重要な場所に関する物語に耳を傾ける旅に出かけましょう。2時間から終日に及ぶツアーはすべて、ヌグナワル族の歴史と文化の見識を与えてくれます。
ヌグナワル族はキャンベラ地域に住む伝統的な先住民アボリジニです。ヨーロッパの入植者が初めて出会ったのは1820年代ですが、それ以前、少なくとも2万年もの間、ヌグナワル族は「大地」と密接な関係を築いてきたと言われています。
マジュラ山2時間ツアー

マジュラ山(Mount Majura)はキャンベラ自然公園(Canberra Nature Park)に属し、キャンベラの北東端にあります。キャンベラ郊外、標高888mに最高峰があり、ほどんどがユーカリの木々に覆われています。ここでダーワル族(Dharwal)のツアーが行われます。2時間に渡り、先住民アボリジニにとってこの山がどのように大切なのか、そして現地に生息している様々な種類の野生動物(絶滅危惧種を含む)について学んだり、ブッシュフードを確認して味見したり、あるいは「傷のある木(容器や盾、カヌーを作るために一度樹皮がはがされて、歴史的傷を残している場所)」を発見したり、色々な道具の伝統的な使い方を教わったりしましょう。眼下に広がるマジュラ山渓谷の眺めは、登る価値ありです。
キャンベラの文化遺産半日ツアー

3時間半のダーワル族ドライブツアーでは、キャンベラ地区に先住民アボリジニが居住してきた豊かな証である、ブッシュフードの生育地レッド・ヒル(Red Hill)やセオドア(Theodore)郊外の「削った溝(grinding grooves)」などがある重要な場所をいくつか案内してくれます。「削った溝」とは、先住民アボリジニが岩で新しい石斧を作り研いだ時にできたもので、現地の砂岩に楕円のくぼみが何世紀にもわたり残っています。また、レイヨン・ホームステッド(Lanyon Homestead)の近くで、カヌーや盾などの手工品を作るために木から樹皮を剥がした傷跡が残る、カヌーの木(canoe tree)と盾の木(shield tree)を両方見ることができます。ツアーの最後には軽食を楽しみます。移動手段は4WDランドクルーザー(troop carrier)です。
ナマジ国立公園4WD終日ツアー

もうちょっと時間があるなら、オーストラリア首都特別地域(Australian Capital Territory)のほぼ半分を占めるナマジ国立公園(Namadgi National Park)を巡る終日の4WDツアーを検討してみませんか。ナマジとは、ヌグナワル族(Ngunawal)の言葉でキャンベラの南西に向かう山脈を意味し、州境を越えてニュー・サウス・ウェールズ州(New South Wales)にあるコジオスコ国立公園(Kosciuszko National Park)の端にあります。先住民アボリジニがこの地域に居住し始めたのは、少なくとも2万1,000年前で、公園内には、先住民アボリジニとヨーロッパ人ゆかりの、数多くの歴史的文化遺産があります。ブッシュフードを捜し出し、オグロワラビーやエミュー、ウォンバット、オオカンガルーなどの野生動物を見つけ、「ヤンキー・ハット(Yankee Hat)」の壁画を訪ね、あるいは先住民アボリジニの手工品を発見して、文化的な物語をたくさん聞きましょう。現地のヌグナワル族にとって、この地域がどの様に重要なのかを正しく理解して、経験豊富なガイドから、この地形に対する先住民アボリジニの解釈を詳しく聞けます。このツアーは年齢の大きい子供連れの家族におすすめです。
キャンベラで先住民アボリジニ文化と繋がる

ここに挙げたツアーが刺激になり、先住民アボリジニ文化についてもっと学んでみたいと感じたら、次回キャンベラに旅行するとき訪れて欲しい重要な場所がもうひとつあります。オーストラリア国立美術館(National Gallery of Australia)です。ここにはオーストラリア先住民アボリジニとトレス海峡諸島民の世界最大のアート・コレクションがあります。
アボリジニの歴史に浸る

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、オーストラリア国立博物館
毎日午後3時に、地元のグナワル族とンガンブリ族の一員が、オーストラリア初の先住民オーストラリアツアーをオーストラリア国立博物館で主催します。植民地化の影響、コミュニティの多様性、国への永続的な愛着について、デジタルインタラクティブ、感覚的なディスプレイやストーリーを通じて学びます。