

カタ・ジュタガイド
砂漠の大地にそびえる太古の赤い巨岩群カタ・ジュタ(Kata Tjuta)は、中央オーストラリアならではの素晴らしい景色が広がる場所です。日の出と日の入りの頃は特に美しい色に染まる壮観な岩を眺めながら、5億年前に遡る先住民アボリジニの聖地の物語に思いを馳せてみましょう。
原文:ステファニー・ウィリアムズ
カタ・ジュタは太古の巨大な岩群で、オーストラリアのレッド・センター(Red Centre)にあるウルル(Uluru)から約30kmのところに位置します。ウルルとカタ・ジュタは、ウルル-カタ・ジュタ国立公園の二大ランドマークです。カタ・ジュタは36のドーム状の岩から成り、これらの岩が20km以上に渡って広がっています。この中で最高峰はマウントオルガです。探検家アーネスト・ジャイルズにより、ヴュルテンベルクのオルガ女王に敬意を表して名付けられました。
ウルル-カタ・ジュタ国立公園(Uluru-Kata Tjuta National Park)は、伝統的な所有者であるアナング族(Anangu)とパークス・オーストラリア(Parks Australia)が共同で管理しています。この地に22,000年以上も居住しているアナング族の人々にとって、カタ・ジュタは聖地です。カタ・ジュタの砂岩ドームは、約5億年前のものであると言われています。
カタ・ジュタとは、アボリジニのピチャンチャチャラ語で「数多くの頭」という意味です。カタ・ジュタに関連したピジャンチャチャラの伝説はたくさんあります。例えば、偉大な蛇の王であるワナンビはオルガ山の頂上に住んでいて、乾季にだけ下山するという伝説です。アナング族のアボリジニ文化において、カタ・ジュタは男性の聖地であり、この地にまつわる数多くの伝説は秘密裏に語り継がれています。
必見ポイント
- 風の谷ウォークでカタ・ジュタの麓をハイキングする
- ヘリコプターから巨石群のスケールを満喫する
- ウルル-カタ・ジュタ国立公園の赤い岩を染める日の出や日の入りを見る
カンガルー島への行き方
国立公園は、アリス・スプリングスの南西約450km、車で4.5時間です。ジェットスターとバージン・オーストラリアはシドニーから直接エアーズ・ロック(Ayers Rock)空港に飛びます。カンタスはオーストラリアの主要都市からアリス・スプリングスへの直行便を運航しています。またヴァージンは、アデレード(Adelaide)とダーウィン(Darwin)からアリス・スプリングス行きの直行便を運航しています。陸路では、アリス・スプリングスからダーウィンおよびアデレードに通じる高速道路があり、アリス・スプリングスから両都市までは車で約16時間です。アリス・スプリングスから砂漠を抜けて西オーストラリア州のキンバリー(Kimberley)地域やカルグーリー(Kalgoorlie)へ向かう4WD車用ルートも人気があります。ガン鉄道(The Ghan)は、アデレードとダーウィンを結ぶ快適で景観が楽しめる長距離電車です。
カタ・ジュタでの人気アクティビティと見どころ

ノーザンテリトリー、ウルル - カタ・ジュタ国立公園、カタ・ジュタ
カタ・ジュタの重要性について学ぶ
ウルル-カタ・ジュタ国立公園は、その自然と文化の両方の価値が認められ、ユネスコの世界遺産地域として登録されています。まず始めにウルル-カタ・ジュタ・カルチャー・センター(Uluru-Kata Tjuta Cultural Centre)を訪れ、カタ・ジュタを巡るトレイルの重要性について学びましょう。そうすれば、カタ・ジュタを巡る前に、巨岩群とこの大地の神聖さについて理解を深めることができます。カルチャー・センターには先住民の人々が運営する店があり、地元の作家によるアート作品、土産物、軽食やドリンクなどが販売されています。また、バーベキュー設備や化粧室もあります。

ノーザンテリトリー、ウルル-カタ・ジュタ国立公園のヘリコプターツアー
カタ・ジュタの上空をヘリコプターで飛ぶ
ヘリコプターに乗って、カタ・ジュタのスケールの大きさを実感しましょう。フライトでは、ウルルの上空も飛行してくれます。カタ・ジュタは広大で、聖地や進入禁止のエリアもあるため、ヘリコプターのフライトは岩群の全貌を見るのに最良の方法です。このツアーは、日の出から日の入りの時間帯に行われています。

ノーザンテリトリー、ウルル - カタ・ジュタ国立公園、カタ・ジュタ
様々なレベルのウォーキングトラックを楽しむ
黄土色のカタ・ジュタの形相は幻想的な魅力があり、旅行者の中にはウルルよりも美しいと考える人もいます。気軽な散策コースから長距離のハードなコースまで、さまざまなウォーキング・コースが多数あります。2.6kmのワルパ渓谷ウォーク(Walpa Gorge Walk)は、カタ・ジュタ周辺で短距離で気軽に挑戦できるトレイルの一つです。最長のトレイルは、7.4kmのバレー・オブ・ザ・ウインド・ウォーク(Valley of the Winds Walk)です。コースには急勾配なところもありますが、チャレンジする価値はあります。岩のドームの間を抜け、小川の川底を歩きながら、カル展望地とカリンガナ展望地を目指します。コース全体の所要時間は約4時間です。団体ツアーが到着する前の早朝にウォーキングをするのがおすすめで、この時間帯は野生動物も活発に活動しています。気温が36℃に達すると、トレイルは閉鎖されます。夏季(12月~2月)にはよくあることです。

ノーザンテリトリー、ウルル - カタ・ジュタ国立公園、マルク・アーツ
先住民アボリジニアートのギャラリーでアーティストに会う
先住民アボリジニの人々は、アートを通して太古の物語を伝えています。ぜひアート・ギャラリーを訪れてみましょう。カルチャー・センターには、ムティジュル族が運営するアートセンターであるウォルカジャラ・アート・センター(Walkatjara Art Centre)や、ワークショップやツアーを開催するマルク・アーツ(Maruku Arts)などのギャラリーがたくさんあります。

ノーザンテリトリー、ウルル-カタ・ジュタ国立公園、エアーズ・ロック・リゾート、ロンギチュード131°
カタ・ジュタ周辺で宿泊する
カタ・ジュタの砂丘や夕日を展望できるエリアから見えるドームは息をのむほど美しく、ゆったりと座ってリラックスして移り変わる風景を堪能できます。日の出や日の入りの頃には、ドームが輝いて見えたり真紅に染まったり、畏怖を感じさせるほどの絶景です。ウルル - カタ・ジュタ国立公園内ではキャンプや宿泊をすることはできませんが、公園の敷地との境界に立地するエアーズ・ロック・リゾート(Ayers Rock Resort)は、キャンプ場から5つ星のラグジュアリーロッジまで幅広い宿泊オプションを提供しています。ユニークでラグジュアリーな雰囲気を満喫したいなら、ロンギチュード131°(Longitude 131°)がおすすめです。都会の光が届かない環境の中、満天の星が輝く夜空を仰ぐことができます。また、分かりやすい天文学の話を聞きながらオープンエアのディナーを楽しむテーブル131°(Table 131°)も、宿泊プランに含まれています。