

ニンガルーリーフガイド
優しい性格と言われるジンベエザメと一緒に泳ぐなら、ニンガルーリーフ(Ningaloo Reef)は世界一の場所です。
原文:フルール・ベインジャー
ニンガルー海洋公園(Ningaloo Marine Park)は、西オーストラリア州の海岸線の真ん中あたりに位置し、世界遺産に登録されています。澄み切った海に260kmに渡って広がるサンゴ礁は、世界最大の裾礁(きょしょう)で、ウミガメ、熱帯魚、オニイトマキエイ(マンタ)、ザトウクジラ、そしてなかなか見ることのできないジンベエザメが生息しています。このように壮大な海洋生物が多数共存する場所は、世界でもニンガルーリーフだけです。
必ずやっておきたいこと
- ジンベエザメと一緒に泳ぐ貴重な体験をする
- エクスマス(Exmouth)でマイクロライト(超軽量飛行機)に乗って回遊するクジラの上空を飛ぶ
- サンゴ礁から数メートルのラグジュアリーなキャンプ場に宿泊する
行き方
ニンガルーの中心地エクスマスは、パースの北1,250kmに位置し、ドライブの道中にはたくさんの見どころがあります。あるいは、カンタス航空(Qantas)が毎日運航しているリアマンス空港(Learmonth Airport)まで飛行機を利用して、現地で車やキャンピングカーを借りましょう。インテグリティ・コーチ・ライン(Integrity Coach Lines)は、パースからエクスマスまでの長距離バスを運行しています。
ニンガルーリーフでの人気アクティビティと見どころ

西オーストラリア州、エクスマス、ニンガルーリーフ、ジンベエザメと泳ぐ © Tourism Australia
おとなしいジンベエザメと泳ぐ
ニンガルー海洋公園(Ningaloo Marine Park)には500種類に及ぶ熱帯魚が生息していますが、中でも特に胸が高鳴る生き物がいます。体は巨大でも性格が優しいジンベエザメです。この美しい生物と一緒に泳ぐことができたら、人生の中で最も貴重な体験のひとつになるはずです。ニンガルーには、毎年4月から7月にかけて他の場所では見られないほどたくさんのジンベエザメが集まり、沿岸近くを回遊します。ジンベエザメなどの海の絶滅危惧種の安全を守るために、ニンガルーには厳しい保護規定があり、専用ボートが収集したデータを科学者や保護活動家が調べています。エクスマスかコーラル・ベイ(Coral Bay)でツアーに参加しましょう。コツはジンベエザメ探知飛行機を搭載したボートを選ぶことです。エクスマス・ビジター・センター(Exmouth Visitor Centre)では、数多くのツアーを紹介しています。

西オーストラリア州、コーラル・コースト、デナム(Denham)、ザトウクジラ © Tourism Western Australia
「ザトウクジラ・ハイウェイ」に合流する
毎年、西オーストラリア州の海岸線で、数千頭のザトウクジラがいたるところで回遊している様子は、「ザトウクジラ・ハイウェイ」と呼ばれるほど。7月から10月にかけてニンガルーリーフを訪れると、サンゴ礁にそって優雅に泳ぐザトウクジラと、海に飛び込み一緒に泳ぐことができます。クジラと一緒に泳げるのは、1度に5名までと決まっています。また、クジラから30m以上離れるという厳しい保護規定があります。しかし遊び好きのクジラの方から寄ってくることが度々あり、この場合話は別です。クジラのシーズンを逃しても、心配はいりません。1年を通して、オニイトマキエイ、ウミガメ、イルカ、ジュゴン、熱帯魚などの他の海洋生物と泳ぐことができます。

西オーストラリア州、ニンガルーリーフ、ケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)、ターコイズ・ベイを上空から見た景色 © Tourism Western Australia
マイクロライトに乗って海洋生物を上空から見る
マイクロライトとは、基本的に2つの座席とエンジンを備えたハンググライダーのことです。エクスマスにあるバーズ・アイ・ビュー(Birds Eye View)の案内役は、ニンガルー地域をよく知る有資格パイロットのギャビン氏です。ジンベエザメやザトウクジラ、イルカが海面に姿を現す様子がよく見えるように、上空へと案内してくれます。マイクロライトはドローンのような視点で見ることができ、自分で飛んでいるかのような感覚を体験できます。ギャビン氏はマイクロライトのインストラクターでもあります。もし興味があれば、エンジンを掛けてから切るまでの操縦方法を教えてくれます。

西オーストラリア州、ニンガルーリーフ、ターコイズ・ベイ © Tourism Western Australia
ターコイズ・ベイ(Turquoise Bay)でシュノーケリングを満喫する
シュノーケリングをするスポットを1つだけ選ぶとしたら、ターコイズ・ベイの他にはありません。エクスマスから63kmの場所にあり、澄み切った海は浅く、潮の流れも小さく穏やかなので、寄せる波に体を任せて浮かんでいるだけで、水中のサンゴの光景を楽しむことができます。白い砂浜のビーチ入口から左に300m歩いたら、シュノーケリングの身支度をして早速海に入りましょう。たくさんの色鮮やかなサンゴや魚の群れを観賞できます。ビーチの端まで来たら、潮の流れで水深の深い場所に運ばれないうちに泳いで戻らなくてはならないので、注意しましょう。不安な場合は、現地のツアーガイドに相談してください。

西オーストラリア州、エクスマス近郊、ニンガルーリーフ、サル・サリス(Sal Salis)© Tourism Western Australia
サル・サリス(Sal Salis)のラグジュアリーなキャンプ・テントに宿泊する
豪華なキャンプ、グランピングが楽しめる隠れ家、サル・サリス(Sal Salis)は、ニンガルーの海岸沿いの砂丘にあり、ビーチのすぐ目の前にサンゴ礁が広がっています。ナチュラルカラーでまとめられた16棟のサファリ・テントは、フローリング、本格的なベッド、エコなバス・トイレ、太陽熱シャワーなどを備えています。ここでの一番の楽しみは、夕日を眺めながらシェフが作るカナッペを味わい、星空の下でディナーをいただくことです(食事は全て宿泊料金に含まれています)。宿泊プランには様々なガイド付きツアーも含まれており、別料金でお好みの送迎を手配できます。

西オーストラリア州、オーストラリアのコーラル・コースト、ニンガルーリーフ、エミュー © Tourism Western Australia
エミューが主役の街を訪れる
ニンガルー海洋公園の北端に位置するエクスマス(Exmouth)は、サル・サリスがあるケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)内にある渓谷への玄関口です。ビーチが魅力の休暇スポット、エクスマスは、食料品や釣り道具のショッピングやツアーの予約をはじめ、ビジター・センターで地域の情報を集めたり、たくさんある快適なリゾートやホテルでのんびり過ごしたりするのに絶好の街です。ここでは道でエミューに遭遇したら、車を停めましょう。エミューが優先ですから。ビニール袋の使用も規制されているので、エコバックを持参しましょう。

西オーストラリア州、コーラル・コースト、コーラル・ベイ © Tourism Western Australia
靴の要らないビーチタウンに滞在する
コーラル・ベイはニンガルーにあるもう1つの大きな街で、エクスマスから155km南にあります。ショッピングや宿泊施設は少ないかもしれませんが、魅力はたっぷり。小さな街なので車を使わず歩く人が多く、自宅に靴を置いてくる人もいます。メイン・ビーチを囲むように広がる街で、50mも歩けばサンゴ礁の海で泳ぐことができます。海は穏やかで波も立たず、ここはオニイトマキエイの主要な生息地でもあります。シュノーケリングルツアーか、グラスボトムボートでサンゴ礁の上をクルーズするツアーを予約しましょう。