

アーネム・ランドガイド
カカドゥ国立公園(Kakadu National Park)、アラフラ海(Arafura Sea)、カーペンタリア湾(Gulf of Carpentaria)に囲まれているアーネム・ランドは、アボリジナル文化が息づく手付かずの約97,000平方キロメートルの広大な荒野です。アーネム・ランドはユニークなアボリジナル文化や岩絵、ダーウィンとカカドゥの近くにある世界有数の釣り場など、たくさんの魅力があります。
原文:ステファニー・ウィリアムズ
アーネム・ランドでは、岩がゴツゴツした海岸線、離島、たくさんの魚が棲む川、緑豊かな熱帯雨林、そびえ立つ断崖、サバンナ気候の森林地帯など、美しく、多様性に富んだ景色を楽しむことができます。イリエワニなどの野生生物も多数生息しています。また、アーネム・ランドはジュゴン、ウミガメ、渡り鳥たちの重要な保護区となっています。
アーネム・ランドは少なくとも6万年以上に渡り、ヨルング(Yolngu)族によって所有されてきました。アーネム・ランドは、オーストラリアの有名な楽器、ディジュリドゥが誕生した地でもあります。現在は荒野や漁場、サファリツアーもあります。
必ずやっておきたいこと
- 深海チャーターまたは内陸クルーズで釣りに行く
- アボリジナルアートと文化を学ぶために地元のコミュニティを訪ねる
- 低木林に囲まれた宿から沈む夕日を見る
行き方
ヌルンブイとジャビルはこの地域を探索するのに良い拠点です。フライトは毎日ヌルンブイとケアンズ(1時間45分)そしてダーウィン(1時間20分)間を運航してます。キャサリン(Katherine)南部のスチュアート・ハイウェイ(Stuart Highway)に続くセントラル・アーネム・ロード(Central Arnhem Road)を通って、4WDでアクセスすることもできます。アーネムハイウェイでダーウィンからジャビルまでは253キロです。南部からアクセスする場合は、カカドゥ・ハイウェイ(Kakadu Highway)を使います。アーネムランドを観光するには、アーネムランドのどの部分に行くのかに応じて、ノーザンランドカウンシルおよび/またはディムル・アボリジナル株式会社からの許可が必要です。地域への入域を許可されているオペレーターが実施するツアーの参加を強くお勧めします。
アーネム・ランドでの人気アクティビティと見どころ

ノーザンテリトリー、マリー川国立公園、バムル・プレーンズ © Shaana McNaught
世界で最高の漁を楽しみましょう
アーネム・ランドは世界でも有数の漁場として知られていますが、その地域の大部分で合法的に漁獲する唯一の方法はロッジやツアー会社のような公認のオペレーターを通してです。ここは4WD、アボリジナルコミュニティへの定期便、またはプライベートチャーター便でアクセスする遠隔地です。サファリスタイルのスイートを備えたバラマンディ・ロッジ、ブレマー島の環境に優しいバヌバヌ・ウイルダネス・レトリートなど、この地域に点在する釣りロッジがあります。釣り愛好家は、主に11月から3月の間に、バラマンディのためにコーボールグとゴーブ半島、またはマーリンとセイルフィッシュを釣るためにグルートアイランド島に向かいます。

ノーザンテリトリー、グンバランヤ、インジャラク・アート・アンド・クラフト © Lord’s Kakadu and Arnhemland Safaris
アボリジナルアートを学ぶ
アーネム・ランドとアボリジナル文化の関係は強いです。芸術や文化ツアーを通して、ユニークな風景と魅力的な人々に関する理解を得ることができます。ミルクウッドの彫刻(この地域特有のもの)、樹皮の絵、スクリーンプリント、編まれたバスケット、そしてマットとして表現された現代的なヨルヌグの芸術を見つけることができます。オーストラリアで最も有名なコミュニティベースの伝統的なアボリジナル美術館の1つがあるイルカラでは、より伝統的な芸術を見ることができます。アーネム・ランド西部にはガンバランヤ(Gunbalanya)(オエンペリ(Oenpelli))があります。有名なインジャラック・アート・クラフト・センター(Injalak Art and Craft Centre)でアーティストの制作現場を見学して、籠や絵画を購入するのもよいでしょう。アボリジナルガイドが案内するインジャラック・ヒル(Injalak Hill)へのツアーに参加すれば、古代の岩絵を鑑賞したりアボリジナルピープルの間で語り継がれるドリームタイムの物語を聞いたりできます。

ノーザンテリトリー、アーネム・ランド、パダクル・アボリジナル文化ツアー © Tourism Australia

ノーザンテリトリー、カカドゥ国立公園、ガンロム滝 © Tourism Australia
壮大な景観と歴史を体験する
アーネム・ランドはオーストラリアで最後の手付かずの真の荒野地域です。1年を通して、アーネム・ランドの景色はさまざまに変化します。一番人気の観光シーズンは乾季(4月~9月)です。雨季は天候が非常に不安定のため、公園の一部が閉鎖されます。ヘリコプターや軽飛行機で空からこの広大な地の景色を眺めることもできます。人里離れたコバーグ半島(Cobourg Peninsula)のガリグ・グナク・バルル国立公園(Garig Gunak Barlu National Park)にある初期ヨーロッパ人の入植地跡など、アーネム・ランドには重要な史跡も多数あります。それらをすべて見るためにガイド付きツアーに参加してみましょう。

ノーザンテリトリー、アーネム・ランド、コーボールグ・コースタル・キャンプ © Venture North
壮大な原生地域ロッジに宿泊する
アーネム・ランドの宿泊施設は限られていますが、地域全体に、自然の中に建つすてきなロッジがいくつかあります。この地域で大きな探求といえば釣りです。ほとんどのロッジは釣り体験と釣り道具を提供しています。本当のブッシュ体験をするには、ヴェンチャー・ノースでツアーを予約してコーボールグ・コースタル・キャンプに滞在してください。このサファリスタイルのキャンプからはポート・エシングトン湾を見渡すことができ、リラックスしながら新鮮な魚介類のディナーを楽しめます。アーネム・ランドには人里離れたキャンプ場が多数あるので、満天の星空の下で眠るのもよいでしょう。

ノーザンテリトリー、アーネム・ランド、ガーマ祭 © Yothu Yindi Foundation
イベントとフェスティバルを探す
毎年8月に行なわれるイダキ(ディジュリドゥ)によって始まるガーマは、ヨルング文化を称える、最大にして最も活気のある1年に1度のお祭りです。また、アボリジナルピープルの生活改善に関心を持つ政治的リーダー、エコノミスト、メディア、そして大物思想家を集める経済フォーラムでもあります。毎晩、この約2,500人の集まりは、音楽とストーリーテリング、そして有名な夜のバングル(伝統的な踊り)で始まります。 ヨルングは土地への強い文化的そして精神的なつながりを保持していますので、祭りが本物のアボリジナル文化体験であると実感するでしょう。