

マンゴ国立公園ガイド
世界で最も重要な遺跡のひとつを探索しましょう。そしてこの世界遺産の国立公園でマンゴ・マン(Mungo Man)が発見されたスポットを見てみましょう。
原文:マーサ・タッターソール
マンゴ国立公園(Mungo National Park)のような風景は地球上にそう多くはないでしょう。この考古学的に意味をなす不思議な世界は、干上がった湖底と一続きの砂丘によってつくられました。まるで、自然の美しさに富んだ孤高の月面のような景観が広がります。またここは、4万年前のものとされるマンゴ・レディ(Mungo Lady)とマンゴ・マンの残部が発見された場所でもあります。湿度の低い環境と砂の中に存在する炭酸塩によって保存されていたものです。公園内を、先住民アボリジニのガイドと一緒にめぐってみましょう。古代の埋葬跡、焚火の跡、石器、魚の骨などが次々と発見され、オーストラリアの太古をたどる貴重な窓となった場所です。
必ずやっておきたいこと
- 歴史的に重要な先住民アボリジニの遺跡、ウォールズ・オブ・チャイナ(Walls of China)で夕日を堪能する
- 4万年以上も前の埋葬や焚火の跡が残る場所を見に行く
- マンゴ・ロッジ(Mungo Lodge)で、心地よいベッドで身体を癒し星空の下のキャンプファイヤでくつろぐ
行き方
マンゴ国立公園に行くには、車が必要となります。あるいは、各社が催行するツアーを予約しましょう。ニュー・サウス・ウェールズ州のはるか郊外の南西部にあるマンゴ国立公園へは、ウェントワース(Wentworth)、ミルデューラ(Mildura)、バルラナルド(Balranald)、ブロークン・ヒル(Broken Hill)から車でアクセスできます。ミルデューラとブロークン・ヒルの空港へは、国内の主要都市から直行便が毎日運航しています。
マンゴ国立公園の人気アクティビティと見どころ

ニュー・サウス・ウェールズ州、マンゴ国立公園、ウォールズ・オブ・チャイナ © Destination NSW
ウォールズ・オブ・チャイナを見る
マンゴ湖(Lake Mungo)に水が満ちていたのは約1万4,000年前。かつて湖を取り囲んでいた33kmの白い砂丘に想像力がかきたてられます。ウォールズ・オブ・チャイナとして知られるこの見事な月面のような風景は、本物の月とは違い、誰でも降り立つができます。ウォールズ・オブ・チャイナ・ボードウォークス(Walls of China Boardwalks)は一般立ち入りが認められている場所ですが、遊歩道はツアーでしか歩くことができません。雨が柔らかい砂や泥を洗い流し、独特の尾根や亀裂の形を作った場所を見てみましょう。黄色からオレンジ、深いワインレッド色へと変わる、感動的な夕日を見るのもお忘れなく。

ニュー・サウス・ウェールズ州、マンゴ国立公園 © NSW National Parks and Wildlife Service
地元の先住民アボリジニのガイドで歴史をひも解く
マンゴ国立公園を知るには、先住民アボリジニのガイド付きツアーに参加するのが一番です。マンゴ・ビジター・センター(Mungo Visitor Centre)でアボリジナル・ディスカバリー・ツアー(Aboriginal Discovery Tour)の森林保護官と連絡を取るのが良いでしょう。彼らは、この地域の3つの部族集団、パーカンジ(Paakantji)、ングイヤンパー(Ngyiampaa)、マティ・マティ(Mutthi Mutthi)のいずれかの系統です。太古の焚火の跡等を見て、少なくとも4万5,000年はその土地に住んでいた人々の、適応力と回復力について学んでください。

ニュー・サウス・ウェールズ州、アウトバック、マンゴ国立公園、マンゴ・ロッジ © Destination NSW
星空の下で夜を過ごす
国立公園で十分楽しんだ後は、一日の終わりに温かいシャワーと快適なベッドが待っています。ちょっと贅沢に、エアコンが効いた部屋でゆっくりしたいならマンゴ・ロッジ(Mungo Lodge)を選びましょう。このアウトバックの宿泊施設は公園のすぐ外側にあり、温かいおもてなしを提供してくれます。エコ・ツーリズムの取組みも行っています。モダンな家具や地元のアート作品、洗練されたアメニティがお迎えします。国立公園内の中心部に泊まることもできます。マンゴ・シェーラーズ・クォーターズ(Mungo Shearers Quarters)では気持ちの良い設備が整い、公園内の主な見どころへもすぐにアクセスできます。世界遺産の中にあるこのユニークな宿泊施設では、この地域の放牧の歴史と先住民アボリジニの歴史も見ることができます。