
パースからエスペランスへ11日間の旅
オーストラリア南西部の原始のままの美しい海岸線と、手付かずの原生地域を抜けて走る、100kmに及ぶ壮大な旅に出かけましょう。
西オーストラリア州の南西部地域を見て回り、その海岸線の魅力、その土地の野生動物、素晴らしい風景が、世界に誇れるものである理由を自分の目で確かめてみてください。
この日程では、活気溢れるパースの街を皮切りに、マーガレット・リバー(Margaret River)、アルバニー(Albany)、エスペランス(Esperance)といった静かな町を巡ります。素晴らしい風景を次々と訪ねて行くドライブ旅行です。
見どころ
- 木々が聳え立つ森、白い砂丘、穏やかな湾、そして原始のままの海岸を満喫する
- 深い海の中や、数千メートルの標高など、アウトドアの冒険を楽しむ
- マーガレット・リバーにあるクーマル・ドリーミングのトワイライト・ディジュリドゥ・ケーブ・ツアーで先住民アボリジニの文化に浸る
基本データ
- 日数:11日間
- 移動手段:車と飛行機
- 料金:$$
1日目:パースを巡る

パースを出発してエリザベス・キー(Elizabeth Quay)に向かい、パースの古代からの文化遺産をダーバル・イェリガン・クルーズ(Derbal Yerrigan Cruise)を通じて学びましょう。環境に配慮した1920年代形式の河川用のフェリーに乗って、ダーバル・イェリガン(スワン川)の流域に住むワジャック人の歴史を学びます。彼らの物語を通じて、水路やそれを取り巻く風景と彼らの深い繋がりを理解できます。
午後には市の中心部にあるキングス・パーク(Kings Park)を歩いてみましょう。キングス・パークはニューヨークのセントラルパークよりも大きく、スワン川とカニング川(Canning river)の眺めは素晴らしく、ブッシュランドの遊歩道や手入れの行き届いた庭園もあります。
今夜はシティ・パース・バックパッカーズ・ホステル(City Perth Backpackers Hostel)に泊まります。ここからはパースの賑やかなバーやレストランに歩いて5分ほどで行くことができます。
2日目:フリーマントルを巡る

トーストフェイス・グリラー(Toastface Grillah)で量もたっぷりで値段も手頃な朝食を楽しんだら、フリーマントル(Fremantle)に向かいます。歴史と現代文化が入り混じった魅力的な郊外として有名です。
クラフトビールに目がないのであれば、フリーマントルの有名なリトル・クリーチャーズ・ブリュワリー(Little Creatures Brewery)に立ち寄って、さまざまな種類のピルスナーやペールエールを試してみましょう。
それよりも、この州で最も可愛い動物と一緒に一日中過ごす方がよければ、フェリーに乗って、一路ロットネスト島(Rottnest Island)へ。ロットネスト島には、人なつっこい習性で有名な小型の有袋類、クオッカが生息しています。笑った顔のクオッカと一緒に自撮りをしましょう。もちろん安全な距離を置いてください。その後は自転車か徒歩で島を探検。ビーチもたくさんあるので、心地よい砂浜が思いがけず見つかることもあるでしょう。
スリルを求めるタイプならば、ロットネスト島でアドレナリンを放出させる冒険をすることもできます。スカイダイブ・ジェロニモ(Skydive Geronimo)では、西オーストラリア州のため息が出るほど美しい海岸線やターコイズブルーの海を目がけて飛び降ります。その後、ロットネスト島のビーチに安全に着陸します。島でのスカイダイビングが体験できるのは、この州で唯一の場所です。ここでしかできない思い出になることでしょう。フリーマントルに戻ったら、フィッシング・ボート・ハーバー(Fishing Boat Harbour)で揚げたてのフィッシュアンドチップスでディナーを楽しみましょう。
長い冒険の1日が終わったら、今夜はフリーマントル・ビーチ・バックパッカーズ(Fremantle Beach Backpackers)にチェックインします。フリーマントルの中心部にあり、周囲にはレストラン、エンターテインメント、コーヒーショップやカフェがたくさんあります。
3日目:ロッキンガムの人なつっこいイルカと一緒に泳ぐ

今日はロッキンガム(Rockingham)へ向かいます。パースから南へ45分ほどの場所で、そこの海にはバンドウイルカが生息していて、間近で見ることができます。
ロッキンガム・ワイルド・エンカウンターズ(Rockingham Wild Encounters)を利用すれば、一日中イルカと一緒に過ごせます。スイム・ウィズ・ワイルド・ドルフィン・クルーズ(Swim with Wild Dolphins Cruise)では、経験豊かなガイドの手助けを得て、海中にいる野生のイルカに近づくことができます。シュノーケルとマスクを着けて、どんな動きも見逃さないようにしましょう。
さらに他の野生動物も見たいならば、ショールウォーター諸島海洋公園(Shoalwater Islands Marine Park)の沖へ出て、アシカやリトル・ペンギンを見に行きましょう。カプリコーン・シーカヤッキング(Capricorn Seakayaking)では、少人数のグループでのシール島(Seal Island)やペンギン島(Penguin Island)へのエコ・ツアーを催行しています。今夜はロッキンガムで泊まることもできますが、フリーマントルへ戻って歴史ある刑務所で一泊するのも一興です。
4日目:サーフィンのメッカを目指して南へ

今朝は3時間ほど南にドライブしてマーガレット・リバーに向かいます。素晴らしい波とワインで有名な地域です。途中、ハーベイ(Harvey)で休憩して足を伸ばしましょう。小さいながら魅力のある町で「巨大オレンジ(Big Orange)」があるところです。オレンジは10mの高さの塔の上に鎮座しています。
マーガレット・リバーに着いたら、マーガレット・リバーYHA(Margaret River YHA)にチェックインしてから、この地域にある120軒ものワイナリーをいくつか訪ねてみましょう。
ワインよりも波の方が気になるならば、近くのサーフィン・ビーチの砂浜へ。この地域には75以上のブレイクがありますが、美しい湾を楽しむのにサーファーになる必要はありません。ハムリン・ベイ(Hamelin Bay)では、ターコイズブルーの海と白い砂だけでなく、砂浜にやってくる人なつこいアカエイも見ることができます。その他にも、インジダップ・ビーチ(Injidup Beach)、ミールアップ湾(Meelup Bay)、そしてスミスズ・ビーチ(Smiths Beach)などがおすすめです。
5日目:マーガレット・リバーで冒険を楽しむ

起伏に富んだブッシュランドが迫る海岸線が数百キロも続くマーガレット・リバー地域。人里離れたところで楽しむ冒険には理想的な場所です。サーフ&ダート・アドベンチャー・ツアー(Surf N Dirt Adventure Tour)は、マーガレット・リバーのすべてを1度で楽しみ尽くすツアーを催行しています。ツアーには、川でのカヤック、マウンテン・バイク、サーフィンに挑戦するものや、野生動物を探すもののほか、ビール醸造所やワイナリーでの試飲を楽しむものもあります。
あるいは、トワイライト・ディジュリドゥ・ケーブ・ツアー(Twilight Didgeridoo Cave Tour)で、現在まで続いている世界最古の文化に浸ることもできます。まずはガイド付きのブッシュウォーキングをしばらく楽しみ、伝統的に薬として使われている植物を探し、地元のヌーンガ族(Noongar)の知識について学びます。その後、先住民アボリジニのガイドと一緒にニギルジ洞窟(Ngilgi Cave)に入り、洞窟にまつわる伝説を聞きます。洞窟の中でガイドが演奏するディジュリドゥの魅力的な音楽を聞き、外に出れば色鮮やかな夕陽が待っています。
6日目:ウォルポールの原生地域

朝食を済ませたら、3時間ほどのドライブでウォルポール(Walpole)に向かいます。原生地域があることで有名な町です。途中、趣のある田舎町、ナナップ(Nannup)やペンバートン(Pemberton)へ寄ってみましょう。ナナップは美しい庭園がいくつもある「庭園の村」として有名で、またペンバートンのカリの木(karri)の森はアウトドア・アクティビティが充実しています。たとえば、マウンテン・バイク、ブッシュ・ウォーキング、スイミング、カヌー、4WDツアー、そして世界的に有名なムンダ・ビディ・サイクリング・トレイル(Munda Biddi cycling trail)などがあります。
ウォルポールへの旅を続けます。ウォルポールの町と周辺の自然は、長い年月を経た森の中にあるティングルの木(Tingle)とカリの木で有名です。これらの樹木は非常に高く聳えており、そのためこの地域はバレー・オブ・ザ・ジャイアンツ(The Valley of the Giants)と呼ばれています。800mほどの周回遊歩道を歩けば、この森の崇高さを真に理解できます。
7日目:美しい南西部の海岸線

ウォルポールで朝を迎えたら、WOWワイルドネス・クルーズ(WOW Wilderness cruise)で美しい水上の旅に出てみましょう。静かな入り江、丘、岩の多い海岸線の縁まで迫っている巨大なカリやティングルの木の森の脇を通っていきます。ボートから下りて、西オーストラリア州の原生地域に入っていき、静かなビーチまでしばらく歩いて行くこともできます。
クルーズの後はアルバニーへ向かいます。ウォルポールから東へ1時間半ほどの距離です。途中でデンマーク(Denmark)に寄ってみましょう。柔らかい砂のビーチと、道路沿いの並木が美しい村です。グリーンズ・プール(Greens Pool)は大きな丸い石がごろごろしているビーチです。また、マウント・シャドフォース・シーニック・ドライブ(Mount Shadforth Scenic Drive)は、高く聳える木の間を縫うように進んでいきます。
アルバニーに着いたら、この町の歴史を知るためにクジラの博物館に行くか、あるいはクルーズで海を泳ぐ鯨を探しましょう。アルバニーでは、アルバニーYHA(Albany YHA)やアルバニー・バックパッカーズ(Albany Backpackers)といったホステルで2泊します。
8日目:アルバニーでアンザックの歴史に詳しくなる

グラナイト・スカイウォーク(Granite Skywalk)まで40分ほどドライブ。ここはキャッスル・ロック(Castle Rock)の巨大な花崗岩の周囲を、頂上までらせん状に登っていく空中のウォークウェイです。空に向かって登っていくと、公園内から隣接する農園、そしてサウス・コーストのアルバニーまで見渡せます。南東側はガードナー山(Mount Gardner)やメニーピーク山(Mount Manypeaks)まで見通すことができます。8月から9月にかけては、この地域で愛されているランやワイルドフラワーを見ることもできます。
午後はアルバニーに戻って、市内の魅力溢れる史跡を訪ねましょう。アルバニーは、ヨーロッパからの入植者が西オーストラリア州に初めて足を踏み入れた場所であり、またオーストラリア・ニュージーランド軍団(ANZAC)の最初の部隊が第一次世界大戦の戦場に向けて出発した場所でもあります。アミティ・トレイル(Amity Trail)を30分ほど歩くか、ナショナル・アンザック・センター(The National ANZAC Centre)を訪れて、この地域の豊かな歴史に触れてみましょう。その後、グレート・サザン・ディスティリング・カンパニー(Great Southern Distilling Company)に立ち寄れば、世界的にも有名なオーストラリアのウィスキーを試飲できます。
9日目:ブレマー・ベイでシャチを見る

午前中にトゥー・ピープルズ・ベイ自然保護区(Two People’s Bay Nature Reserve)にあるリトル・ビーチ(Little Beach)で一泳ぎ。ここはオーストラリアでも指折りの美しいビーチとよく呼ばれています。またはアルバニーから2時間ほどのブレマー・ベイ(Bremer Bay)に真っ直ぐ向かうのもよいでしょう。ブレマー・ベイにはビーチがいくつもあり、海水浴、サーフィン、サンドボーディング、シュノーケル、スキューバ・ダイビング、そして四輪バイクライディングを楽しむのにぴったりの場所です。
7月から11月までは、泳いでいるクジラやイルカを目にすることもあります。1月から4月にかけては、ブレマー・ベイ・キャニオン(Bremer Bay Canyon)にシャチの群れが集まります。シャチの体長は6~8mにもなります。
この驚くべき生き物を見るには、ナチュラリステ・チャーターズ(Naturaliste Charters)でボート・クルーズに参加するのがよいでしょう。資格を持った海洋生物学者が同乗するので、ただシャチを見るだけでなく、その生態についての説明を聞くことができます。今夜はブレマー・ベイ・キャラバン&キャンピング・パーク(Bremer Bay Caravan & Camping Park)でキャンプをするか、そのキャビンに泊まりましょう。
10日目:有名なピンク色の湖を見る

早めに出発して、車で4時間ほどかかるエスペランスに向かいます。ここには白い砂のビーチ、信じられないほどの青い海、そしてピンク色の湖があります。時間の許す限り、ここに留まりたくなることでしょう。
最初に、この街で最も有名な自然の地の1つである、ヒリアー湖(Lake Hillier)に向かいましょう。エスペランスから130kmぐらいの距離があります。ここでは、驚くほどきれいで可愛らしいピンク色の湖と、ダークブルーの海が隣り合っています。この湖はボートからでも飛行機からでも眺めることができますが、どちらから見ても、ため息が出る信じられないような光景です。エスペランスに戻ったら、地元のYHAにチェックインしましょう。
11日目:ビーチのカンガルー

西オーストラリア州、エスペランス、ケープ・ル・グラン国立公園、ラッキー・ベイ、カンガルー
60kmほどドライブして、ケープ・ル・グラン国立公園(Cape Le Grande National Park)に行くと、オーストラリアの中でも指折りの体験ができます。それはビーチでカンガルーと一緒にくつろぐことです。ラッキー・ベイ(Lucky Bay)の遠端では、オーストラリアでも有数の白さを誇る砂の上に、カンガルーが寝そべっているのが見られます。
これは実にのどかな光景です。透き通る青い海とカンガルーを十分に眺めた後は、ラッキー・ベイ・キャンプ場(Lucky Bay campground)にチェックイン。ここではバーベキュー設備や熱いシャワーを無料で利用できます。あるいは、車で8時間半かけてパースに戻ります。