
ワイルド・ウェスト・コーストからホバートへの8日間の旅
美しい島タスマニア州の道路網をドライブしましょう。人里離れた原生地域や好奇心をくすぐられる芸術、ドキドキワクワクするアドベンチャーを楽しむ旅です。
原文:ララ・ピッコーネ
ホバートから南西部の手つかずの原生地域や東海岸を巡れば、タスマニア州の美しさを堪能できるでしょうこの旅に出れば、うっとりするほど美しい風景を見、ドキドキワクワクするアドベンチャーを体験し、この土地に根付いた文化に触れることができます。また、旅の中で、自分自身について何か発見することもあるでしょう。
見どころ
- クレイドル・マウンテン、ベイ・オブ・ファイアー、ワイングラス・ベイのドラマチックな風景を体験
- 人里離れたタスマニア州南西部のまれに見る手つかずの原生地域を探索
- 思い切って大胆なアウトドアアドベンチャーに挑戦
基本データ
- 日数:8日間
- 距離:1,061km
- 移動手段:車
- 最寄りの主要都市:ホバート
- 料金:$$
1日目:ホバート

ホバートへようこそ。ホバートはオーストラリアで2番目に古く、最も南に位置する街です。クナニ(kunanyi)/ウェリントン山(Mount Wellington)の麓にあり、すぐ横をダーウェント川(Derwent River)が流れます。この歴史あるホバートは、オーストラリアを代表するぜひ訪れたい街の一つです。素晴らしいアートシーンは、囚人と植民地の歴史と結びついており、美しい自然の背景と対照をなしています。型にとらわれない雰囲気のこの港町は、オーストラリア最小の州を巡る旅の出発地として最適です。乗り降り自由なマウント・ウェリントン・シャトル(Mt Wellington shuttle)を利用しましょう。そして、街の中心部を歩き、アペリティーヴォアワーに間に合わせてサラマンカ(Salamanca)に行きましょう。ボタニカ・バー(Botanica Bar)やザ・デン(The Den)では、地元で蒸留されたスピリッツを使った美味しいカクテルを飲むことができます。金曜日に訪れたなら、サラマンカ・アート・センター(Salamanca Arts Centre)で毎週行われる無料の音楽イベント、レクタンゴ(Rektango)がおすすめです。風変わりで素晴らしいアートに興味をお持ちなら、この州でいちばん有名なミュージアム、モナ(Mona)へ行きましょう。これからの日々はアドベンチャーの連続です。今夜はアラバマ・ホテル(Alabama Hotel)でゆっくりとお休みください。
2日目:ホバートからクイーンズタウンへ

深呼吸してみてください。タスマニア州は世界でも有数の空気のきれいな場所。きっとそれを感じられるのではないでしょうか。タスマニア州南西部は本当の原生地域。これから始まるアドベンチャーに備えて、ホバートから車で30分のところにあるニュー・ノーフォーク(New Norfolk)のバジャーズ・バイク・カフェ(Badger’s Bike Cafe)で濃いコーヒーを飲みましょう。街を出る前に年季の入った店を散策。そして、クイーンズタウン(Queenstown)がある西へ向かいます。約3時間の道のりです。時間に余裕がある場合は、マウント・フィールド国立公園(Mt Field National Park)でハイキングはいかがでしょうか。フランクリン川ネイチャー・トレイル(Franklin River Nature Trail)もおすすめ。ハイキングにあまり慣れていない方に最適な遊歩道です。西海岸はワイルド・ウェスト・コーストと呼ばれますが、理由もなくそう呼ばれるわけはありません。心臓がバクバクする本当のアドベンチャーはこれからです。これは、自分を試すと同時に、チームワークの力を理解する場なのです。まず、クイーンズタウン郊外のキング川(King River)でホワイトウォーター・ラフティングを楽しみましょう。原生地域をとことん巡る5日間のフランクリン川(Franklin River)ラフティングツアーというものもあるので、日数の延長が可能なら検討してみると良いでしょう。本当に勇敢な方には、アードバーク・アドベンチャーズ(Aardvark Adventures)による、ゴードン・ダム(Gordon Dam)での140mのアブセイリングをおすすめします。こんなときに欲しくなる温かいシャワーと柔らかいベッドは、近くのクイーンズタウンへ行けば見つかります。
3日目:クイーンズタウンからクレイドル・マウンテンへ

クレイドル・マウンテン ー セント・クレア湖国立公園(Cradle Mountain-Lake St Clair National Park)では、どちらを向いても、Instagramに上げるのに最適な写真が撮れます。お気に入りの写真が撮れたら、電話をポケットにしまって、所要時間2時間のダブ湖サーキット(Dove Lake Circuit)を歩き始めましょう。この遊歩道は大部分がボードウォークで、海岸線やそびえるクレイドル・マウンテンの周りを通ります。道中、ウォンバットやワラビー、アカハラ・ヤブワラビーが見られるかもしれません。もっと真剣に学びたいという方には、クレイドル・マウンテン・キャニオンズ(Cradle Mountain Canyons)が行うキャニオニング・ツアーに予約することをおすすめします。デビルズ@クレイドル(Devils@Cradle)に行くのもお忘れなく。地元に生息する恥ずかしがり屋のタスマニアン・デビルに会えます。その後は、ウォルドハイム・キャビンズ(Waldheim Cabins)でお休みください。
4日目:クレイドル・マウンテンからロンセストンへ

休日にはハイキングを楽しみたいという方に、クレイドル・マウンテンは最適です。トレイルが豊富にあり、数日間ハイキングをして過ごせます。しかし、時間が貴重なら、朝早く起きて、ロンセストンまで2時間半のドライブに出掛けましょう。「ロニー(Launnie)」(ロンセストンの愛称)は、近くのテイマー・バレー(Tamar Valley)へのゲートウェイです。テイマー・バレーは、スパークリングワインやピノ・ノワール、美味しい新鮮な産物で有名な地域です。スイートブルー(Sweetbrew)でエスプレッソを飲みましょう。また、ブレッド + バター(Bread + Butter)のバターたっぷりの焼き菓子を食べ、昨日のハイキングで消費した脂肪の蓄積を取り戻しましょう。土曜日なら、ハーベスト・マーケット(Harvest Market)で持ち帰りの食べ物を買うことができます。その後は、デザイン・タスマニア(Design Tasmania)で街のアートシーンを堪能します。たぶん、ロンセストンが誇る見どころの一つは、ドラマチックで自然豊かなカタラクト渓谷(Cataract Gorge)でしょう。歩いてすぐのところにあります。このお金のかからない都会の隠れ家で午後のひとときをのんびり過ごしましょう。緑豊かな芝生の上でくつろいだり、プールの隅に腰掛けて足をぶらぶらさせたり。ウォーク・カタラクト・ゴージ(Walk Cataract Gorge)のお手頃な1時間ツアーに参加するのもおすすめです。街に戻り、セント・ジョン・クラフト・ビール・バー(Saint John Craft Beer Bar)でクラフトビールとフードトラックのフードを楽しみましょう。そしてその後は、ポッド・イン(Pod Inn)の未来的なスリープカプセルでお休みです。
5日目:ロンセストンからベイ・オブ・ファイアーへ

今朝は、ベイ・オブ・ファイアーを目指して東に進みます。タスマニア州北部でマウンテンバイクは人気のアトラクション。これを体験をする時間を数時間ぜひ確保しておきたいものです。ブルー・ダービー(Blue Derby)はサイクリストが集まる場所。街中でマウンテンバイクを借りて、無料のトレイルを走れます。心拍が通常のペースに戻ったら、車に乗り込み、美しいベイ・オブ・ファイアーへ向かいます(ダービーから約1時間半のドライブ)この50kmにわたる海岸線は、明るいオレンジ色の地衣類に覆われた岩、真っ白い砂、真っ青な水で有名です。なかなか見られないこの色の取り合わせが大人気で、多くのインスタグラマーがベイ・オブ・ファイアーを死ぬまでに行きたい場所リストに入れているほどです。この地を思う存分楽しんだら、さらに40分南下してセント・へレンズ(St Helens)まで行きましょう。ソーシャル(Social)でビールを片手に他のアドベンチャー好きと交流。予算が許せば、ベイ・オブ・ファイアー・ブッシュ・リトリート(Bay of Fires Bush Retreat)に泊まり、早朝のビナロング・ベイ(Binalong Bay)の静けさの中、パドルボードに乗り、日の出を見ましょう。
6日目:ビナロング・ベイからコールズ・ベイへ

東海岸をワイングラス・ベイに向けてドライブ(セント・へレンズから南へ2時間弱)。到着したらスイムズ(Swims)でコーヒーを飲みましょう。輸送コンテナをリサイクルして店にしており、美味しいコーヒーと簡単なトースト・サンドイッチを提供しているだけの地味なカフェです。しかし、フレシネ・アドベンチャーズ(Freycinet Adventures)が行う、フレシネ国立公園(Freycinet National Park)の3時間のカヤックツアーを前に、腹ごしらえするには十分です。カヤックツアーから戻ったら、ワイングラス・ベイ展望台(Wineglass Bay Lookout)まで歩き、下に広がる景色を楽しみましょう。ここ2日間は健康的に空の下でアドベンチャーを楽しみましたが、やはりワインテイスティングは無視できないほどの魅力があります。運転のためお酒を飲まない人を決め、今夜宿泊するスワンシー(Swansea)に向かってくねくね道を進みます。途中、イースト・コースト・ワイン・トレイル(East Coast Wine Trail)に寄り、デビルズ・コーナー(Devil’s Corner)、ミルトン(Milton)、スプリング・ベール(Spring Vale)など、地域の優良セラードアを訪問します。
7日目:スワンシーからポート・アーサーへ

スワンシーから、世界遺産に登録されたポート・アーサー(Port Arthur)までの2時間半のドライブを中断し、イーグルホーク・ネック・テッセレイテッド・ペイブメント(Eaglehawk Neck Tessellated Pavement)の自然の幾何学的造形物を見ましょう。タスマン半島(Tasman Peninsula)とタスマニア州をつなぐこの狭い地峡は、長方形のプールのパターンによって舗装されているように見えます。そのため、Instagram用の絶好の写真スポットになっています。背景が素晴らしいキューブド(Cubed)でコーヒーを飲みながら、この自然環境の驚異について考えを巡らせましょう。しかし、あまりのんびりしすぎないようにしてください。今夜、ポート・アーサーの幽霊があなたを待っているのですから。この歴史上重要なオーストラリアの囚人遺跡群では2日間過ごします。幽霊ツアーでは少額の追加料金が必要です。また、幽霊ツアーに参加すれば、背筋まで凍りつくので、夜ぐっすりと眠れるでしょう。夜は近隣で過ごしましょう。この興味深い流刑地の魅力は、翌朝再び体験できます。
8日目:ポート・アーサーからホバートへ

アドベンチャーを多く体験した1週間でした。今日は街に戻ります。出発前に、ルーム・フォー・ア・ポニー(Room For A Pony)かピジョン・ホール(Pigeon Hole)、または持続可能性を備えたボーン・イン・ブランズウィック(Born In Brunswick)で美味しいブランチを食べましょう。その後、ブルック・ストリート・ピア(Brooke Street Pier)へ向かい、そこから高速フェリーに乗り、国際的に定評のあるミュージアム・オブ・オールド&ニュー・アート(Museum of Old and New Art、Mona)へ向かいます。所要時間は30分です。川沿いにたたずむ壮観な建物は、もはや普通のミュージアムではありません。型破りな作品をいくつか収蔵し、2つのワイルドなフェスティバル(夏にはモフォ、冬にはダーク・モフォ)も開催します。Monaは現代的な気質のミュージアムであり、時には立ち向かう精神も持ち合わせます。もちろんアートを鑑賞しに行くのですが、ワイン・バー(Wine Bar)や館内クラフトブリュワリーのムー・ブリュー(Moo Brew)でドリンクを楽しむのも良いでしょう。興奮冷めやらぬ中、街に戻ったら、サラマンカのバー通りにあるプリーチャーズ(Preachers)でビールとハンバーガーを楽しむのもおすすめです。タスマニア州の滞在を終えて、まだお金が少し残っているという方は、奮発して、6時間のパラビオン・アルティメット・ウィルダネス・アドベンチャー(Par Avion Ultimate Wilderness Adventure)に参加してみてはいかがでしょうか。小型飛行機で、ギザギザとした荒涼たる海岸線の上を飛行します。そしてその後、タスマニアの原生地域に着陸します。このツアーに参加することで、心から島の自然環境に対する敬意を持つようになることでしょう。また、これで、大満足で旅を終えることができるのではないでしょうか。