

ノーザンテリトリーで体験する熱帯の夏ガイド
雨季にはトップ・エンド(Top End)を訪れ、流れ落ちる滝やダイナミックな稲妻、そして咲き誇るワイルドフラワーを見に行きましょう。
原文:ステファニー・ウィリアムズ
ノーザンテリトリーの夏(11月から4月)は雨季で、壮大な雷雨、水量豊かにあふれる小川、満開の植生が特徴です。ダーウィンはいつでもゆったりとした雰囲気の街ですが、雨季は一日の中で晴れたり雨が降ったりと天気が変わるのに合わせ、さらにゆっくり落ち着いた雰囲気になります。ダーウィンの緑が生い茂るジョージ・ブラウン植物園(George Brown Botanic Gardens)に足を運び、アウトドアマーケットで地元の食材を使ったグルメを味わってみませんか。浜辺のパブから自然が生み出す花火が空を彩るのを眺めましょう。ベリー・スプリングス自然公園(Berry Springs Nature Park)にある澄んだ水場で、熱帯の鳥の群れのすぐそばで泳いだり、リッチフィールド国立公園(Litchfield National Park)で滝の上で稲妻がまるでダンスをするかのように光るのを眺めてみませんか。カカドゥ国立公園(Kakadu National Park)ではモンスーン気候がはぐくんだ魔法のような熱帯雨林を体験し、最高水位の壮観なキャサリン渓谷を遊覧飛行してみましょう。
必ずやっておきたいこと
- カカドゥ国立公園を遊覧飛行して壮大な洪水を見る
- 豪華なシカダ・ロッジに1、2泊し夜を過ごす
- ダーウィン・ハーバーをクルーズしながら壮大なダーウィンの夕日を見る
行き方
ダーウィンには、オーストラリアのほとんどの州都からアクセスできる国内空港と、アジアにつながる国際空港があります。ダーウィンへは鉄道も検討してみましょう。壮大な鉄道の旅ができるガン鉄道(The Ghan)はオーストラリアのレッドセンター(Red Centre)を走る鉄道です。アデレード(Adelaide) もしくはアリス・スプリングス(Alice Springs)が起点です。もし時間がある場合は、ダーウィンへは州間バス会社も運行しています。西オーストラリア州からはブルーム(Broome)とカナナラ(Kununurra)を経由し、クイーンズランド州(Queensland)からはマウント・アイザ(Mt Isa)経由、また南からアクセスする場合はアリス・スプリングス経由です。
ノーザンテリトリーで体験する熱帯の夏の人気アクティビティと見どころ

ノーザンテリトリー、リッチフィールド国立公園、フローレンス滝
リッチフィールド国立公園内のフローレンス滝(Florence Falls)を見に行く
リッチフィールド国立公園の滝は、夏の間、ドラマチックな光景を見せてくれます。フローレンス滝の二筋の滝を眺めたあとは、そこから160歩降りて深くて涼しい滝つぼへ飛び込みましょう。少し歩けばブレイ・ロックホール(Buley Rockhole)に到着します。雨季で生命力にあふれた滝や水場がいくつもある場所です。水音が雷鳴のように響き渡るワンギ・フォールズ(Wangi Falls)の脇で、スイミングやピクニックを楽しんでみませんか。水辺には有袋類のネズミ、カエル、そしてエリマキトカゲが現れることもあります。雨季にシロアリが造った2mの高さのシロアリ塚が並ぶ大地を見に立ち寄りましょう。

ノーザンテリトリー、キャサリン渓谷、ニトミルク・ツアー
キャサリン渓谷の上空をヘリコプターで飛ぶ
キャサリンの北東に位置するニトミルク国立公園(Nitmiluk National Park)内のニトミルク(キャサリン)渓谷を空から見た眺めは忘れられないものになるでしょう。ヘリコプター・ツアーなら、渓谷の壮大なスケールを実感できます。しかも、それは13も連なる峡谷のごく一部でしかないのです。キャサリン川が満水となる熱帯の夏の間に見ると、特に壮観です。国立公園内にある豪華なエコロッジ、シカダ・ロッジを拠点としましょう。このロッジは地元のジャオイン(Jawoyn)族とインディジナス・ビジネス・オーストラリア( Indigenous Business Australia)との共同事業であり、古代のニトミルクの風景に深く浸る機会を提供しています。もっと深く探索したいなら、ヘリコプターでのロック・アート・ツアー(Rock Art tour via helicopter)やナビリル・ディナー・クルーズ(Nabilil Dinner Cruise)に参加し、この美しい渓谷に沈む夕日を眺めてみましょう。

ノーザンテリトリー、カカドゥ国立公園、モーター・カー滝
歩いたり、飛んだり、クルーズに乗ってカカドゥ(Kakadu)を巡る
カカドゥ国立公園では、先住のビニン族(Bininj)の人々が、自然のサイクルに合わせて1年を4つではなく6つに分けています。それぞれの季節は、この土地の異なる表情を見せてくれます。12月下旬から3月下旬にかけては、大雨によって景観が一変します。さまざまな固有種の鳥が湿地を横切って群れを作り、熱帯の花が川を縁取り、スピアグラスの芽が湿原を覆います。ユルミクミク・ウォーク(Yurmikmik Walks)に沿って歩いて行くと、険しい絶壁に流れ落ちる滝に到着します。ボルダー・クリーク・ウォーク(The Boulder Creek Walk)、ユルミクミク・ルックアウト・ウォーク(Yurmikmik Lookout Walk)、モーター・カー・フォールズ(Motor Car Falls)、クルンディー・クリーク・ウォーク(Kurrundie Creek Walk)は、一年中オープンしています。先住民アボリジニのガイドと一緒に、イースト・アリゲーター・リバー(East Alligator River)をクルーズしましょう。ヘリコプターの遊覧飛行で、緑豊かな景色の全容を眺めるのも素晴らしい体験です。

ノーザンテリトリー、ニトミルク国立公園、カヤックを楽しむ
ニトミルク国立公園を探索する
キャサリンは、ダーウィンから南へ車で3時間ほどのところにあり、ニトミルク国立公園のゲートウェイでもあります。先住民アボリジニのアートを紹介するギャラリーを訪問してみませんか。あるいはトム・カーティン(Tom Curtain)司会のキャサリン・アウトバック・エクスペリエンス(Katherine Outback Experience)ショーをご覧ください。誰もが彼の馬の速さと音楽的なスキルに夢中になるでしょう。天候に応じて、レリン(Leliyn)別名エディス・フォール(Edith Falls)の下にあるパンダナスに囲まれた滝つぼで泳いだり、2.6kmのレリン・トレイル(Leliyn Trail)に沿ってブッシュウォーキングを楽しむことができます。公園内では、モンスーンの森を通り抜けるジャビュラ・トレイル(Jatbula Trail)のあるエリアを歩いてみましょう。クリスタル滝(Crystal Falls)まで、または1本の長い滝である17マイル滝(17 Mile Falls)まで行けます。所要時間3時間半のウィンドルフ・ウォーク(Windolf Walk)をたどってパッツ展望台(Pat's lookout)まで行けば、ニトミルク(キャサリン)渓谷とサザン・ロックホール(Southern Rockhole)の夏の滝を一望できます。

ノーザンテリトリー、ダーウィン、ダーウィンでのセーリング
ダーウィン・ハーバーに沈む夕日を眺める
トロピカルな旅の締めに、夕日を見るのに素晴らしい場所であるダーウィン・ハーバー(Darwin Harbour)を訪れてみてはいかがでしょう。海岸でベンチに座って見るのもいいですし、クルーズに参加して水上から眺めることもできます。ドリップストーン断崖(Dripstone Cliffs)やイースト・ポイント保護区(East Point Reserve)へピクニックに出かけましょう。どちらも太陽が沈むのを見るのに最適な場所です。セイル・ダーウィン(Sail Darwin)では、15メートルの広々とした豪華なカタマラン(双胴船)でセーリングして、3時間のシャンパン・サンセット・セール(Champagne Sunset Sail)を楽しめます。ここでディナーとシャンパンをいただきましょう。あるいは、スピリット・オブ・ダーウィン(Spirit of Darwin)に乗って、前菜の盛り合わせとグラスのシャンパンを味わう2時間半のクルーズを楽しむのもおすすめです。

ノーザンテリトリー、パダクル先住民アボリジニ文化ツアー
ノーザンテリトリーの先住民アボリジニ文化に浸る
現地のパダクル(Pudakul)族の魅力的な文化をもっと知りたいなら、パダクル・アボリジナル・カルチュラル・ツアー(Pudakul Aboriginal Cultural Tours)に参加してみましょう。このツアーでは、アデレードとメアリー川(Mary River)地域の住民による本場の自然体験が楽しめます。ブッシュタッカーや伝統的な薬草について学んだり、ディジュリドゥの演奏や槍投げに挑戦したり、バスケットや手提げ袋の製作を見学できます。ドリームタイムやジュクビンジ、レインボー・サーペントの意味を知り、ダンパー(手作りパン)とお茶を楽しむこともできます。