
メルボルンの美味しいコーヒー10店
メルボルンはコーヒーへのこだわりで世界的に知られています。2,000店を超えるカフェがあり、世界トップクラスのバリスタたちがいます。その中でも最高とされるカフェの何軒かをご紹介しましょう。
原文:スー・ゴフ・ヘンリー
メルボルンのコーヒーへのこだわりは、第二次世界大戦後のイタリア人とギリシャ人の移民の到着から始まり、芸術の形に進化しました。街のコーヒー起業家は、洗練された顧客を魅了するシングル・オリジンのコーヒーを求めて、世界の素晴らしいコーヒー地域を巡ります。それは、エスプレッソやフラットホワイト(ラテに似ている)だけでなく、ポアオーバー、サイフォン、コールドドリップのコーヒースタイルにも当てはまります。
サウス・メルボルン、セント・アリ
セント・アリ(ST ALi)は、メルボルンのコーヒー界にルネッサンス的な革新をもたらした専門家、サルバトーレ・マラテスタ氏のエンジン・ルームとも言えるコーヒー専用店。落書きを生かしたレーンウェイ(裏路地)で洒落た内装が施されたセント・アリは、実験的なコーヒー製造業者であり、マイクロロースター、生豆の取引業者、そして原産国のスペシャリストとして、メルボルンで中心的な存在となっています。緻密なコールドドリップコーヒーを試すのに最適な場所の一つで、酸味と苦味が弱いため、美味しい朝食やランチと一緒に飲むのが人気です。セント・アリは、ダヴィッド・ジョーンズ(David Jones)デパートなどでシックなセンサリー・ラボ(Sensory Lab)も開いています。ここでは、個人ごとのコーヒープロファイルの作成、バリスタクラスの開催、または単にカフェラテを楽しめる場所があります。
カールトン、セブン・シーズ
セブン・シーズ(Seven Seeds)は、世界中の季節のコーヒー、特にエステート、マイクロロット、シングルオリジンのコーヒーを提供するカールトン(Carlton)の小さなマイクロロースター。その店名は、スーフィー(イスラム教の神秘主義者)であるババ・ブダンが、17世紀にイエメンからインドにこっそり持ち出した繁殖力の強い7粒のコーヒーの種に由来しています。セント・アリの元々のオーナーで、コーヒーに関するビジョンを持つマーク・ダンドンとブリジット・アモーが所有しています。その風変わりな館内カフェでは、メルボルンで最高のコーヒーを楽しめ、シンプルな料理の限られたメニューを用意しています。また、リトル・バーク・ストリート(Little Bourke Street)にある小さなブラザー・ババ・ブダン(Brother Baba Budan)カフェでは、天井から椅子がぶら下がっているという不思議な雰囲気を楽しめます。
プラーラン、マーケット・レーン
プラーラン・マーケット(Prahran Market)にあるマーケット・レーン(Market Lane)の焙煎所とカフェの自慢は、独特のシングル・オリジン・コーヒー。エスプレッソやプアオーバー(ハンドドリップ)コーヒーを、ケーキ、ペストリー、ミューズリーなど一緒に楽しめます。シングル・エステートのコーヒー豆や抽出器具も販売しており、無料のパブリック・カッピング(試飲会)やコーヒー教室では、プアオーバー、エアロプレス、フレンチプレスでのコーヒーの淹れ方を教えてもらえます。この店のほかに、クイーン・ビクトリア・マーケット(Queen Victoria Market)、カールトン、そして市内中心部に2軒の店舗があります。
コリングウッド、プラウド・メアリー
専門のコーヒーロースター、カフェ、コーヒー・エデュケーター、小売業者であるプラウド・メアリー(Proud Mary)。オールデイ・ブレックファースト、フレッシュジュースとスムージー、シングル・エステート・ティー、自家製ケーキ、オリジナルのランチも素晴らしい味です。コールドドリップ、V60、エアロプレス、エスプレッソでコーヒーを楽しめます。近くにある2階建ての最先端のコーヒー・セラードアアンティ・ペグズ(Aunty Peg's)は、焙煎所、コーヒーバー、販売店を兼ねており、ブラックコーヒーとエールのようなコーヒーを飲むことができます。無料のカッピング(ティスティング)・セッションも開かれます。またここはコリングウッド・コーヒー・コレッジ(Collingwood Coffee College)がバリスタ・ワークショップを開催している場所でもあります。
ブランズウィック、ワイド・オープン・ロード
ヒップで洒落たワイド・オープン・ロード(Wide Open Road)のロースター、コーヒーラボ、カフェは、1950年代の倉庫を改装してストリートアートを描いた建物内にあり、店内はインダストリアルでシックな雰囲気を醸し出している、とてもメルボルンらしい店です。バーススフィア・ハウスブレンドはブラックで飲むように作られています。エスプレッソとミルクのシェディ・レーン・ブレンドがあり、さらにポアオーバーとコールドブリューもあります。アボカド、豆、ヤギのフェタの大皿、酒のドンブリ丼、そしてプレキシグラスの窓越しに活躍するロースターを見ながら、メルボルンで最もインスピレーションを得たカフェフードをお楽しみください。
ノース・メルボルン、オークション・ルーム
ポストインダストリアルな雰囲気の広々としたカフェ、オークション・ルーム(Auction Rooms)。以前はWBエリス(WB Ellis)オークションハウスとして使われていた建物が、ブティック・コーヒー・ロースターおよびカフェとしてフルに活躍しています。素晴らしいエスプレッソ、ドリップ&サイフォンコーヒー用の独立したコーヒーバー(すべてオフサイトのスモール・バッチ・ロースト・カンパニーでローストされた独自の豆から作られています)、素晴らしい朝食の卵を含むファンキーな食事が楽しめます。さまざまな座席の選択肢には、繊細なステンドグラスのアクセントがある、開き窓前の高いスツール、正面玄関近くのくぼんだリビングエリア、囲まれた屋外テラスがあります。
ブランズウィック、コード・ブラック
コード・ブラック(Code Black)メニューの裏側には、小さな文字でこう記されています。「The Sublime and The Ridiculous(崇高なものと滑稽なもの)」‐基本的にこの場所を表す言葉。派手な石と金属の内装は崇高な品質で、そのコーヒーの卓越性は滑稽です。コード・ブラックは同時に実験室、ワークショップ、そしてダークアートとコーヒーの科学の愛好家の拠点でもあります。ブラックコーヒーのためのハウス・ブレンドと、ミルクコーヒーのための別のハウス・ブレンド、そしてブラックコーヒーとミルクコーヒー両方のための順に替わるシングル・オリジンコーヒーが常にあります。カフェイン抜きのコーヒーや、コードブラックの自社ブランドのココアジャクソンベネズエラホットチョコレートもあります。たっぷりとしたメニューには、素晴らしいサンドイッチ、インスピレーションを得た卵料理などがあります。
フィッツロイ、インダストリー・ビーンズ
フィッツロイのエッジの効いたストリート・アートに囲まれたインダストリー・ビーンズ(Industry Beans)。倉庫の階層として受賞歴もある、間仕切りがない広々としたコーヒー焙煎所、レストラン、そしてブリュー・バーです。バリスタのチームは、エスプレッソ、プアオーバー、エアロプレス、コールド・ドリップなど、さまざまな方法で抽出したシングル・オリジン・コーヒーとブレンド・コーヒー(2週間ごとに新しいセレクション)を淹れてくれます。豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルクがあります。ローズウォーター入りのスイカにレモンマートルのパンナコッタ、ミツバチ花粉カード、ワトルシードグラノーラを合わせた一品など、コーヒー豆を引き立たせるようにデザインされた、季節のブランチメニューをお楽しみいただけます。コールドドリップのバブルカップは、コンデンスミルクと豆乳、そしてコーヒーを浸したタピオカの上に注がれたシングルオリジンコーヒーから作られています。
市の中心部、デュークス・コーヒー・ロースター
賑やかなフリンダーズ・レーン(Flinders Lane)のロス・ハウス(Flinders Lane)にあるデュークス・コーヒー・ロースター(Dukes Coffee Roasters)。店内は明るい色の木のパネルが使われた居心地のよい雰囲気で、世界中の個人経営の農園や小規模な協同組合から、季節の最高のコーヒー豆を公正な取引で調達しています。カフェでは、エスプレッソとフィルターコーヒーの両方にシングルオリジンの豆とブレンドされた豆を提供しています。ポアオーバーで抽出された朝のコーヒーを飲みながら豆と抽出器具を購入することもできます。
ブランズウィック・イースト、パドレ・コーヒー
ブランズウィック・イースト・プロジェクト(Brunswick East Project)はパドレ・コーヒー(Padre Coffee)のメインとなる焙煎所で、世界中の30か所の農園から生豆を調達しています。スペシャルティコーヒーを飲みながら様々なコーヒーガジェットをチェックし、バリスタコースに申し込んでみましょう。市内中心部にはパドレのリーグ・オブ・オネスト・コーヒー(League of Honest Coffee)があり、さらにロイヤル・アーケード(Royal Arcade)、サウス・メルボルン・マーケット(South Melbourne Market)、クイーン・ビクトリア・マーケットにもカフェがあります。