
タスマニア州、ポート・アーサー、ポート・アーサー史跡 © Alastair Bett
オーストラリア
文化遺産ガイド
多様性と魅力に満ちたオーストラリアの文化遺産を巡る旅へ。壮大な建築、美しい舞台芸術、そしてアボリジナルピープルの知恵に触れる旅をご紹介します。
王立展示館とカールトン庭園
王立展示館とカールトン庭園
1880年と1888年にメルボルンで開催された大規模な国際博覧会のために設計された王立展示館とカールトン庭園は、初期の国際博覧会の姿を伝える貴重な遺産です。王立展示館は初期の展示施設の典型的な建築様式が取り入れられており、その後の世界各地で開催された国際展示会の典型例に。19世紀から20世紀初頭にかけて世界各地での国際展示会の開催は、世界の工業化と国際貿易を促進するものであり、国際的な交流を伝える点が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)
観光情報
メルボルン中心部に位置するカールトン庭園には優美な噴水、水鳥の生息する池、四季折々の花々、オークやポプラの木が広がります。庭園内にあるメルボルン博物館は南半球最大の博物館。学びもある美しい必見スポットです。
シドニー・オペラハウス
シドニー・オペラハウス
20世紀における革新的な建築を代表するオペラハウスは、「人類の創造的資質」を評価する登録基準①のみで登録された世界でも珍しい遺産です。ヨーン・ウッツォンによる独創的な設計と、その建築を可能にした工学的な技術革新、そして、都市彫刻としての完成度の高さや風景との調和の美しさが世界遺産の価値として評価されました。また、ウッツォンが存命中に世界遺産登録されており、完成から世界遺産登録までが短いという点においても珍しい遺産といえます。
(世界遺産検定 監修)
観光情報
年間の来場者数1,000万人超を誇る世界的な観光スポット。オペラや演劇をはじめ様々な芸術が絶えず公演されています。日本語ガイド付きの館内ツアーで建設当時の話や建築の斬新さを学ぶと見え方が一味違ってきます。
オーストラリアの囚人遺跡群
オーストラリアの囚人遺跡群
18世紀から19世紀にかけて、大英帝国によってオーストラリア各地に築かれた数千もの流刑地のうち保存状態のよい11の施設が世界遺産に登録。ヨーロッパにおいて、従来の囚人に対する強制労働と国内刑務所制度が、国外追放と植民地開拓労働に転換したことを証明しています。こうした植民地政策は、先住民の生活や文化にも大きな被害を与えており、人類の歴史において負の側面を持つ植民地政策を伝えている点が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)
観光情報
オーストラリア大陸だけでなく、タスマニア島やノーフォーク島といった複数のエリアに点在しています。この世界遺産の一部であるハイドパーク・バラックス博物館はシドニー市内にありアクセスも良好です。
バジ・ビム文化的景観
バジ・ビム文化的景観
先住民グンディッジマラ族によって作られた約100㎢の広範囲に広がる世界最古の水産養殖地を含む、3つのエリアからなる文化遺産です。約32,000年前からこの地で暮らしていたと考えられるグンディッジマラ族は、水の流れを管理してヒレの短いオーストラリアウナギを捕獲。蓄えて収穫するための水産養殖システムを、6,600年以上にわたって作り上げてきました。彼らの文化的伝統や知識、自然と共に作り上げた生活の証拠が世界遺産の価値として認められました。
(世界遺産検定 監修)
観光情報
ガイド付きツアーで先住民の生活の名残を見ることができます。近郊には「世界でもっとも美しい海岸線」と称されるグレート・オーシャン・ロードも。メルボルン市内から約4時間30分のロングドライブもあっという間かも?
