ノーザンテリトリー、カカドゥ国立公園のジム・ジム・フォールズと一帯に広がる赤い岩と緑地の空撮 © Sean Scott

ノーザンテリトリー、カカドゥ国立公園、ジム・ジム・フォールズ © Sean Scott

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グレート・バリア・リーフ

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グレート・バリア・リーフ

絶景珊瑚礁にみる 生きる地球の歴史

数千年かけて進化してきた多様な生態系と900を超える島々が、海岸にそって2,000km以上にわたり広がる世界でも稀な美しい景観が魅力。氷期と間氷期の繰り返しにより、約15,000年をかけて大陸棚には多くの珊瑚礁が作られてきました。約400種の珊瑚からなる珊瑚礁では、1,500種以上の魚類や4,000種の軟体動物など、世界有数の生物多様性が。海洋景観の美しさとその形成過程、絶滅危惧種を含む種の多様性などが世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報 
ポンツーン(人口の浮島)やクルーズ船からサンゴ礁の海を体験できるアウターリーフやリラックスした時間を楽しめる離島など楽しみ方は様々。ダイビング、シュノーケリング、カヤックなど遊び方も充実しています。

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ロード・ハウ諸島

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ロード・ハウ諸島

絶滅危惧種の楽園 自然の驚異・ロードハウ

この一帯は、世界有数の固有の生態系と世界最南端の珊瑚礁が見られる、火山性海洋島の代表例の1つです。海底火山が隆起したことで約700万年前に誕生。絶滅危惧種の保護においても重要な地域で、世界でも珍しい飛べない鳥・ロードハウクイナや、世界最大のナナフシなどの数多くの固有種が生息しています。海底火山によって作り上げられた多様な景観の美しさと、絶滅危惧種を含む固有種から見える独自の進化の過程が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
シドニーから約2時間のフライトで行ける緑豊かな楽園では、マリンスポーツやハイキング、野鳥観察など、大自然を満喫できます。環境保護のために1日400名という滞在人数の制限があり、プレミアムなリゾートとなっています。

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オーストラリアのゴンドワナ多雨林

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オーストラリアのゴンドワナ多雨林

古代の緑を今も引き継ぐ 秘境・ゴンドワナ

かつて存在したとされるゴンドワナ大陸。そこからオーストラリアが分離して4,000万年の間、オーストラリアの大部分は熱帯雨林で覆われていました。しかし、大陸が北に移動することで気候が変化。ヨーロッパ人が訪れる頃には、熱帯雨林は大陸の1%未満にまで減少しました。この一帯は、かつてのゴンドワナ大陸に起源を持つ動植物の姿を今に伝え、地質学的にも生物学的にも地球の歴史の重要な段階を示している点が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
エリア内の国立公園には道路が整備されているところが多く、人気観光地のゴールドコーストやブリスベンからもほど近くアクセスが抜群。珍しい土ボタルが生息をしている洞窟があるなど見どころが満載です。

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クイーンズランドの湿潤熱帯地域

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クイーンズランドの湿潤熱帯地域

海と森の共演 クイーンズランドの奇跡

オーストラリアの北東部の海岸沿い約450kmに広がる、貿易風の影響で年間に1,200〜9,000㎜もの多量の雨が降り注ぐ熱帯雨林地域です。中には5,000万~1億年前にオーストラリアと南極大陸の一部を覆っていたゴンドワナ大陸の大森林を受け継いでいるものも。一帯の生態学的な進化の過程をよく示しています。それが2億年以上前のシダ植物を含む熱帯雨林と白い砂浜、サンゴ礁が広がる美しい海が作り上げる景観と共に、世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
キュランダ鉄道に乗車しリラックスしながら楽しめる絶景や、熱帯雨林の森を上空から一望するスカイレールなどアクティビティが充実。耳を澄ますと聞こえてくる野鳥の歌声に癒されること間違いなし。

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シャーク湾、西オーストラリア

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シャーク湾、西オーストラリア

生きた化石が語る 生命と進化の謎

オーストラリア西岸の約2万2,000㎢ものエリアの海域と島々、半島などが世界遺産に登録。その約7割を占める海域は、場所によって大きく塩分濃度が違っており、中でも海水の約2倍もの塩分濃度をもつハメリン・プールには「生きた化石」とも称されるストロマトライトが生育。塩分濃度が濃いため天敵が少なく、30憶年前の姿を残しています。地球生成の歴史を伝え、世界でも珍しい固有の生態系が見られる点などが世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
イルカやジュゴン、カメ、マンタなどの野生動物との出会いはもちろん、世にも珍しい砂浜「シェルビーチ」は必見。全長110kmにわたって貝殻が海岸線を埋め尽くし、白いビーチと青空のコントラストが絶景を作り出します。

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ガリ(フレーザー島)

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ガリ(フレーザー島)

砂上の楽園 進化の証を刻む自然の造形

世界最大の砂の島であるガリ(旧フレーザー島)は、先住民の文化を尊重し、その土地の名前を使用しています。。約80万年前からオーストラリア大陸の東部にあるグレート・ディヴァイディング山脈の風化によって削られた砂が堆積し、砂丘が鳥たちの安息の場所に。鳥のふんから種子が芽を出し、安定した大地となっていきました。250km以上も続く美しい砂浜と砂丘の上に広がる熱帯雨林が作り上げる景観、その地質学的な形成過程が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
8月〜10月は南極から北上するザトウクジラの群れを沖合で見られるチャンスも。島内には自然にやさしいリゾート施設もあり、エコツアーをはじめとする数々のアクティビティを満喫することができます。

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オーストラリアの哺乳類化石地域

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オーストラリアの哺乳類化石地域

進化の軌跡 化石から読み解く自然史

オーストラリアは南極大陸から分離してから3,500万年間ほとんど孤立していたため、7つの有袋哺乳類のうち5つがこの地域でのみ確認されているなど、生物学的に非常に特徴的な場所です。北部のリヴァーズレーと南部のナラコートの2ヵ所では、絶滅したティラコレオなど多くの哺乳類の化石が見つかっています。こうした化石から、オーストラリアの哺乳類の進化や、人類や気候変動などが哺乳類に与えた影響がわかる点が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
ナラコートには26以上の洞窟がありますが、一般公開されているのは4カ所のみ。専任のガイドが案内するツアーが実施されています。また、リヴァーズレーは旅行者の立ち入りが禁止されています。

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ハード島とマクドナルド諸島

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ハード島とマクドナルド諸島

自然のダイナミズム 氷河と火山の島

オーストラリアと南アフリカのほぼ中間、南極大陸から約1,600㎞のインド洋南部に位置する、亜南極圏唯一の活火山島です。わずか1平方kmほどしかなかったマクドナルド島は、世界遺産登録後の噴火によって約2倍もの大きさに。ハード島の大部分を占める雪と氷河は気候変動の影響をいち早く受けるため、地球の環境変化の状態を知る上で重要と考えられています。現在も変化を続ける地質学的な特徴と生物学的な進化の過程が、世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
自然保護の観点はもちろん、手付かずの自然が学術的に大変貴重であるという理由から一般の観光客の立ち入りは禁止されており、研究目的などでの入島についても政府が厳しく制限を設けています。

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マッコーリー島

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マッコーリー島

ペンギンが集う南大洋の宝石 生物多様性の楽園

オーストラリアと南極大陸の中間に位置するマッコーリー島と周辺の小島は南大洋に突き出た「小さな斑点」とも呼ばれています。これらの島には、固有種のロイヤルペンギンだけでなく、キングペンギンやゾウアザラシなどの大群が生息して繁殖を行っており、多様で特殊な生物の生態と自然景観が生み出す美しさが特徴です。また景観美と共に、地球のマントルの岩石が海面上に露出している地球上で唯一の場所という点も世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
野生動物の楽園として知られる「世界最南端」の世界遺産・マッコーリー島。海上から島を観察できるクルーズツアーなどがありますが、自然保護地区のため、観光目的での上陸は禁止されています。

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グレーター・ブルー・マウンテンズ地域

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グレーター・ブルー・マウンテンズ地域

ユーカリが紡ぐ 青い山脈の物語

砂岩の山並みが美しい一帯には、90種以上のユーカリが生育。ユーカリの油分によるガスに光が反射することでこの一帯が青く霧に覆われたように見えたため、ブルー・マウンテンズと名づけられました。また、1億年以上前の植物とされるウォレミマツも生育。地球の最後の地殻変動の際にこの地には気候変動の影響が及ばなかったため、多様な植物や動物が生き延びてきたと考えられています。こうした生態系の多様性が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
シドニーから車で約90分、現地ではトロッコ列車、空中ケーブルカー、キャビン型ゴンドラなどを利用して気軽に絶景を楽しめます。どこまでも広がる緑の絶景を楽しむなら、ブッシュウォーキングがおすすめです。宿泊施設も充実しており、滞在も楽しめます。

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パヌルル国立公園

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パヌルル国立公園

秘境の奇岩が描き出す 時を超える自然の彫刻

パヌルル国立公園の一帯は、わずか50年ほど前までは先住民などにしか知られていない秘境と呼ぶにふさわしい場所でした。公園の中央に位置するバングル・バングル山脈には、蜂の巣のようにも見える巨大な奇岩が無数に連なっています。これは、約3億5,000万年前に川底に堆積した砂岩が2,000万年以上の時の中で浸食と風化によって削られ、円錐形や蜂の巣のような形になったものです。その景観美と形成プロセスが世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
近隣の町・カナナラからは、シーズン(雨季)によっては雨水によって陸路が閉ざされてしまう「地球最後の秘境」。ドーム上の岩山が広がる奇岩群はまさに異世界。秘境を楽しむにはハイキング、ヘリコプターツアーがおすすめです。

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ニンガルー・コースト

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ニンガルー・コースト

これぞ自然の神秘 世界最長の珊瑚礁

オーストラリア西部にあるこの地域は、ほとんど人の手が加えられていない長い海岸線と、世界最長とされる海岸沿いの珊瑚礁などが作り出す美しい海、そして、色彩豊かな海と対照的な乾燥して険しい陸域のコントラストが特徴です。この海域には多くの生物が生息していますが、中でも約300~500匹も集まるジンベイザメの群れは世界最大です。海と陸のはっきりとしたコントラストの美しさと、絶滅危惧種を含む生物種の多様性が世界遺産の価値として評価されました。
(世界遺産検定 監修)

観光情報
赤土広がる大地とサンゴ礁の青さが対照的なニンガルー・コースト。珍しいジンベイザメと一緒に泳ぐツアーや絶景が広がることから、世界中の自然愛好家たちから愛される夢の場所です。「本当の自然」を楽しみたいなら、ぜひ。

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