
パースで過ごす3日間
真っ青なインド洋に浮かぶ島で休暇を楽しむ前に、まず、西オーストラリア州の州都パースの飾らない魅力を見つけに行きましょう。
原文:スー・ゴフ・ヘンリー
パースでは、輝く太陽と美しい自然、ゆったりとした雰囲気を満喫できます。キングス・パーク(Kings Park)を散策し、コーテスロー・ビーチ(Cottesloe Beach)で夕日を眺めたら、ノースブリッジ(Northbridge)のお洒落なバーに向かいましょう。オーストラリア国内で19世紀の港町の面影を最もよく残しているフリーマントル(Fremantle)では、インド洋で獲れるシーフードやクラフトビールが味わえます。ロットネスト島(Rottnest Island)では、自転車やボート、ウォーキングで島を探索しましょう。美しい白い砂浜のビーチで泳いだり、シュノーケリングで熱帯魚を観賞したり、可愛らしいクオッカを間近で見たりすることができます。
見どころ
- パースのおしゃれなレストランやカフェで食事をする
- ロットネスト島の美しいビーチでのんびり過ごす
- 世界一可愛い有袋類に会いに行く
基本データ
- 日数:3日間
- 距離:115km
- 移動手段:バス、ボート、電車
- 料金:$$$
1日目:パースについて知る

西オーストラリア州、パース、キングス・パークと植物園 © Tourism Western Australia
午前
無料のシティバスCAT(セントラル・エリア・トランジット)に乗って、パース・カルチャー・センター(Perth Cultural Centre)(無料で入れる西オーストラリア州立美術館(Art Gallery of Western Australia)で先住民アボリジニのアートを鑑賞し、アーバン・オーチャード(Urban Orchard)を散策して、最後にやはり無料のパース・インスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アート(Perth Institute of Contemporary Arts)で現代風の先鋭的な展示をご覧ください)、パース・ミント(Perth Mint)(オーストラリア最大の金塊コレクションが展示されています)、スワン・ベル・タワー(Swan Bell Tower)(南半球で最大の楽器です)などの見どころを回りましょう。モダンなエリザベス・キー(Elizabeth Quay)のウォーターパークや遊び場を散策し、カフェで一休みしたら、キング・ストリートやクイーン・ストリートを歩きながらデザイナーブランドをチェックしましょう。あるいは、先住民アボリジニのガイドと一緒に歴史探訪に出かけるのはいかがでしょう。ヌガー(Nyungar)族のガイドと一緒にエリザベス・キーを歩きます。ガイドの話を聞けば、都市の風景に埋もれた古代の歴史が目に浮かぶことでしょう。その後はセント・ジョージズ・テラス(St Georges Terrace)を散策して、パースの歴史建造物と現代の建物が見事に融合している様子をご覧いただき、ランチにはブルックフィールド・プレイス(Brookfield Place)の広々としたレストラン、プリント・ホール(Print Hall)にご案内します。
午後
世界でも最大級の都市公園キングス・パークに向かい、スワン川や摩天楼の素晴らしい景色を楽しみましょう。春(9月~11月)にワイルドフラワーが一斉に花開く光景には感動します。フェデレーション・ウォークウェイ(Federation Walkway)を散策して、キンバリー(Kimberley)から移植されたバオバブの大木を見に行きましょう。そのあとは、ノーフォーク・パインで縁どられたパースの有名なコテスロー・ビーチ(Cottesloe Beach)で泳いだり、のんびり散歩したりします。コテスロー・ビーチ・ホテル(Cottesloe Beach Hotel)で夕暮れ時の一杯を楽しむのもいいですね。市の中心部に近いおしゃれな街ノースブリッジ(Northbridge)を散策したら、ルーフトップのメカニクス・インスティテュート(Mechanics Institute)、レーンウェイ(裏路地)の店エズラ・パウンド(Ezra Pound)、メキシコ料理のラ・チョリータ(La Cholita)などのバーやレストランでひと休みしましょう。今夜の宿はオーストラリアでも最高級のラグジュアリーホテル、コモ・ザ・トレジャリー(Como the Treasury)です。ホテルは遺産に登録されている歴史ある建物の中に造られています。
2日目:フリーマントルを楽しむ

西オーストラリア州、パース地域、フリーマントル、リトル・クリーチャーズ・ブリュワリー(Little Creatures Brewery)© Tourism Western Australia
午前
スワン川をクルーズして、魅力あふれる港町、フリーマントル(Fremantle)に向かいます。この界隈には、往時の入植者や海の英雄たち、残忍な暴徒や海賊の物語が数多く残されています。過去に思いを馳せるならフリーマントル刑務所(Fremantle Prison)のツアーに参加しましょう。州で最初の刑務所で、囚人が建設した最大の建造物です。インド洋を望む西オーストラリア州立海洋博物館(Western Australian Maritime Museum)には、アメリカズ・カップを制したヨット、オーストラリアII号やオベロン級潜水艦、17世紀に難破したオランダ船バタビア号などが展示されており、見どころのひとつになっています。
午後
倉庫を改造したスペースに店を構えるおしゃれなベーカリー・レストラン、ブレッド・イン・コモン(Bread in Common)(バーも併設)でランチを楽しんだら、にぎやかなフリーマントル・マーケット(Fremantle Markets)(金曜日~日曜日)に出かけましょう。先住民アボリジニの工芸品や地元の食材が手に入ります。そのあとは、近くのサウス・テラス(South Terrace)で書店やブティックを見て歩くのもいいですね。週末には地元のアーティストやミュージシャンが集まってカーニバルのような雰囲気に包まれます。フリーマントルでパブ巡りをするなら、ザ・モンク・ブリュワリー・アンド・キッチン(The Monk Brewery and Kitchen)や、遺産に登録されているセール・アンド・アンカー・ホテル(Sail & Anchor Hotel)のような、クラフトビールのお店は外せません。最後は、フィッシング・ボート・ハーバー(Fishing Boat Harbour)の広々とした活気あふれるパブ、リトル・クリーチャーズ・ブリュワリー(Little Creatures Brewery)で締めくくりましょう。夕食はカイリス・フィッシュ・マーケット・カフェ(Kailis' Fish Market Café)でフィッシュ・アンド・チップスを。それともベイザーズ・ビーチ・ハウス(Bathers Beach House)で日没を見ながらのディナーにしましょう。電車に乗れば25分でパースに戻れます。
3日目:島の生活

西オーストラリア州、ロットネスト島、ジョーディ・ベイ(Geordie Bay)© Rottnest Island Authority
午前
フェリーに乗って、地元の人が「ロットー」と呼ぶロットネスト島(Rottnest Island)に向かいます。オーストラリア本土の沖わずか18kmのところに浮かぶこの島には、63のビーチと20の入り江があり、静けさを邪魔する車も通りません。ロットネスト島のペダル・アンド・フリッパー(Pedal and Flipper)で自転車を借りましょう。ここでは、さまざまな種類のボードやウェットスーツ、シュノーケル用具を借りることもできます。さて、島の中央部に向かって4km走ると、オリバー・ヒル(Oliver Hill)に到着します。ここには前世紀、巨大な大砲が据え付けられ、地下トンネルが築かれました。眼下に広がる景色を眺めながら、塩湖に向かって歩きましょう。さまざまな野鳥や、この島に生息する有袋類のクオッカを見ることができます。愛らしいクオッカはインスタグラムでも大人気です。サイクリングで北に3.4km走り、リトル・パラキート・ベイ(Little Parakeet Bay)の、保護された美しい海で泳ぎましょう。ジョーディズ・カフェ・アンド・アート・ギャラリー(Geordie’s Café and Art Gallery)でシーフードランチをいただきながら、のんびりくつろぎます。バスで移動したければ、アイランド・エクスプローラー・バスを利用するか、90分のディスカバリー・ツアーに参加すればよいでしょう。このツアーでは、島を一周しながら、野生動物や島の文化的、歴史的遺産について説明してくれます。
午後
海中探検に興味があるなら、パーカー・ポイント(Parker Point)のシュノーケリング・トレイルか、いくつかある沈没船のスポットに行ってみましょう。サンゴ礁によって海がさまざまな色調の青に見えるフィッシュ・フック・ベイ(Fish Hook Bay)は、スキューバダイビングに最適です。サーフィンを楽しむなら、ストリックランド・ベイ(Strickland Bay)、サーモン・ベイ(Salmon Bay)、スターク・ベイ(Stark Bay)がおすすめです。バードウォッチングではオナガミズナギドリ、ミサゴ、ヒジリショウビン、ウタイミツスイ、シギ類が見られますし、 ワジャマップ灯台(Wadjemup Lighthouse)から日没を眺めたり、ただビーチをのんびり歩き回ったりと、楽しみ方は人さまざまです。エコ・エクスプレス(Eco Express)のバス、ボート、またはシュノーケルのツアーに参加することもでき、シーカヤックやスキューバダイビング、シュノーケル、ウォーキングのツアーも多数用意されています。9月から11月までは、通称「ザトウクジラ・ハイウェイ」(フリーマントルとロットネスト島の間の海域)でホエール・ウォッチング・ツアーが実施されます。
島でもう少しゆっくり過ごしたいと思ったら、ディスカバリー・ロットネスト・アイランド(Discovery Rottnest Island)の環境に優しいキャンプ・テントを予約しましょう。ピンキーズ・ビーチ(Pinky's Beach)のすぐ後ろという絶好のロケーションを誇るこのテントに泊まれば、島を探索するのにも、静けさに浸るにも、十分な時間が取れるでしょう。泊まらなくてもよいのなら、フェリーでパースに戻り、活気あふれるレストラン、ブリカ(Brika)でディナーを楽しみましょう。ギリシャ風の大皿料理が素朴な器で運ばれてきます。ウルフ・レーン・バー(Wolfe Lane Bar)、チーキー・スパロウ(Cheeky Sparrow)、ヘルベティカ(Helvetica)などでは、パースのレーンウェイ(裏路地)バーの雰囲気を味わうことができます。
滞在を延ばす気になったら、パースから南へ車で3時間のところにある海辺のワイン産地、マーガレット・リバー(Margaret River)を訪ねてみましょう。インディアン・オーシャン・ドライブ(Indian Ocean Drive)を北に向かえば、ジンベイザメやザトウクジラ、ウミガメ、マンタと一緒に泳げるスポットもあります。