オーカー・レストラン、ケアンズ、クイーンズランド州 © Tourism Australia

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オーストラリアでの就労とボランティア活動

オーストラリアでの就労とボランティア活動に関するよくある質問

オーストラリアで旅を楽しみながら仕事もしたいと考えている方は、オーストラリアに入国する前に適切なビザを申請する必要があります。オーストラリア政府は、オーストラリア国民以外の就労に関して厳しい法律を設けており、違反者には罰則が科されます。この法律は、フルタイムやパートタイム、有期雇用契約、シフト制、ボランティア活動など、就労形態を問わず適用されます。外国人として入国する者がオーストラリアで合法的に就労できるビザの種類に関する詳細は、オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)のウェブサイトに記載されています。  

オーストラリアにはワーキングホリデーメーカープログラムがあります。これは、提携国の国籍を有する若者がオーストラリア国内で長期の休暇を楽しみながら短期の就労を通して収入を得ることを許可する制度です。ワーキングホリデー・ビザには、「ワーキングホリデー・ビザ(サブクラス417)」と「ワークアンドホリデービザ(サブクラス462)」の2種類があります。申請者は、各自の国籍に応じて適切なビザを申請する必要があります。上記のビザを取得すると、オーストラリアに最長12か月滞在して就労することができます。 

ワーキングホリデー・ビザには年齢制限が設けられており、申請時点での年齢が18~30歳である必要があります(ただし、特例として18~35歳による申請が受理される場合があります)。国籍に応じた年齢制限を確認したい場合は、オーストラリア内務省のウェブサイトを参照してください。

ワークアンドホリデービザ(サブクラス462)
アルゼンチン、オーストリア、エクアドル、チリ、中国、チェコ共和国、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、イスラエル、ルクセンブルグ、マレーシア、ペルー、ポーランド、ポルトガル、サンマリノ、シンガポール、スロバキア共和国、スロベニア、スペイン、スイス、タイ、トルコ、ウルグアイ、米国、ベトナムで発行されたパスポートを保有する方が申請できます。

ワーキングホリデー・ビザ(サブクラス417
ベルギー、カナダ、キプロス、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、アイルランド共和国、イタリア、日本、大韓民国、マルタ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、台湾、および英国発行のパスポートを保有する方が申請できます。

現在の申請料はビザ1種類につき635オーストラリアドルとなっていますが、実際に申請する日付までに料金が変更されている可能性があります。 

ワーキングホリデー・ビザが許可された場合、許可された日から12か月以内にオーストラリアに入国する必要があります。なお、オーストラリアに滞在できる期間は、当該ビザで初めて入国した日から最長12か月となります。オーストラリア政府が指定する特定の職種で規定の期間就労した方は、2回目のワーキングホリデー・ビザ(場合によっては3回目も)を申請して、オーストラリアでの滞在を延長できる場合があります。2年目、3年目のワーキングホリデー・ビザ申請の条件は、このページで後述されています。

ワーキングホリデー・ビザの有効期間中は、オーストラリア国外へ出国し、その後再入国することが許可されており、出入国の回数に上限はありません。

ビザが有効である限り、雇用主を問わずどの仕事にでも期間限定で就くことができます。4か月以内であれば、就学も許可されています。ただし、ビザのルールは適宜変更されるため、オーストラリア内務省のウェブサイトにて最新の情報を確認してください。

ワーキングホリデー・ビザの有効期間はわずか12か月ですが、一定の条件を満たした場合は、2回目または3回目のワーキングホリデー・ビザを申請して、オーストラリアに最長3年滞在できる可能性があります。基本的には、政府が指定する職種(ファームジョブなど)に就き、オーストラリアの地方部や北部に所定の期間滞在して就労することが求められます。ワーキングホリデー・ビザでオーストラリアに2年または3年滞在したい方は、条件を詳しく調べてみましょう。

サブクラス417やサブクラス462のビザが対象となる指定職種は、さまざまな業界にあります。指定職種にはオーストラリア地方部で就く必要があります。なお、シドニー(Sydney)、ニューキャッスル(Newcastle)、セントラル・コースト(Central Coast)、ウーロンゴン(Wollongong)、ブリスベン(Brisbane)、ゴールド・コースト(Gold Coast)、メルボルン(Melbourne)、パース(Perth)での就労は、指定職種での就労として認められません。

ワーキングホリデー・ビザが失効した時点でオーストラリアを出国していない場合、またはワーキングホリデー・ビザの失効後にオーストラリアに滞在できる他のビザを申請していない場合は、厳罰が科されます。この場合、オーストラリアに一定期間入国禁止とされる可能性もあります。ビザの失効が迫っている方や既に失効している方は、さらに詳しい情報を調べてください。

ワーキングホリデーの終了後もオーストラリアで一時滞在を続けたい方や永住を希望する方には、選択肢がいくつかあります。オーストラリアでの就労に関するビザのオプションを調べましょう。

申請者は、各自の国籍に応じて適切なビザを申請する必要があります。

自分が国籍を有している国がオーストラリアのワーキングホリデー・ビザの対象となっているかどうかを確認したい方は、上記の一覧を参照してください。ビザ申請の要件や申請方法の詳細は、こちらに記載されています。

自分が国籍を有している国がオーストラリアとワーキングホリデーメーカープログラムを提携していない場合は、こちらをクリックして、申請できるビザのサブクラスを確認してください。

通常、ワーキングホリデー・ビザ(サブクラス417)とワークアンドホリデービザ(サブクラス462)は申請から14日以内に審査が完了します。審査期間は、提出書類に不備があったり、担当官から追加の確認(健康診断や無犯罪証明書の提出など)を求められたりするなど、さまざまな要因で前後します。

ワーキングホリデー・ビザがあれば、フルタイムやパートタイム、有期雇用契約、シフト制、ボランティア活動といった雇用形態を問わず、合法である限りどの仕事にでも就くことができます。オーストラリアでは、ワーキングホリデーメーカーを定期的に採用している業界が各地にあります。オーストラリア全国でワーキングホリデーメーカーに人気の職種を調べてみましょう。

オーストラリアでの仕事探しには、ネットの求人情報から、現地にスムーズに溶け込むためのサポートも利用できる就職斡旋プログラムまで、さまざまなアプローチがあります。ワーキングホリデーでの仕事の見つけ方を、詳しく調べてみましょう。

ビザの有効期間12か月のうち、4か月までを就学に充てることができます。ただし、ワーキングホリデー・プログラムは、オーストラリアでフルタイムの勉強がしたい方に適したオプションではありません。就学を主な目的としてオーストラリアに来たい方は、学生ビザについて詳しく調べてみましょう。ワーキングホリデー・ビザより学生ビザの方がニーズに合っている可能性があります。

ワーキングホリデー・ビザを申請する場合は、オーストラリアでの滞在初期に生計を維持できるだけの資金が十分にあることを証明する必要があります。この資金は一般的に、5,000ドルあれば十分と考えられています。また、母国や次の目的地へ向けてオーストラリアを出国するための航空券か、オーストラリアを出国する航空券を購入できるだけの資金を準備する必要があります。

オーストラリアの賃金は、他国と比較して高めです。現在、全国の最低賃金(課税前)は、時給で21.38ドル、週給(38時間労働換算)で812.60ドルとなっています。

オーストラリアでは、すべての労働者の権利が法の下で保障され、身分が守られています。フェアワーク・オンブズマン(FWO、日本の労働基準監督署に相当)に問い合わせれば、オーストラリアで就労する者の権利を説明してもらえます。FWOへの相談は無料です。

FWOは多言語に対応しており、各種情報を30言語で提供しています。また、ストーリーボード(短編ビデオ)も多言語で作成されているので、オーストラリアで就労する労働者の義務と権利を理解するのに役立ちます。

また、FWOは、ファーストフード業界や飲食業界園芸業界での就労に特化した情報も発信しています。FWOのウェブサイトでは、ページ上部にあるドロップダウンメニューで希望する言語を選択できます。

オーストラリアでは、労働者が賃金を受け取ることが法律で定められています。労働者が受け取るべき賃金の金額は、年齢や仕事の内容、勤務時間によって異なります。FWOの賃金計算ツールを使うと、自分が受け取るべき賃金を確認できます。

賃金の支払時には、給与明細が必ず発行されます。FWOのウェブサイトで給与明細の詳細が記されたページを参照して、自分が受け取る給与明細に記載されるべき項目を確認しましょう。

また、勤務時間や就業場所、仕事内容は、各自で記録しておきましょう。日記として記録するか、FWOの「Record My Hours」アプリを利用して記録しましょう。このアプリは多言語対応となっており、Google PlayやApple App Storeから無料でダウンロードできます。

FWOは、職場で発生した問題の解決をサポートしています。賃金や自分の権利に関する情報をFWOに問い合わせたことでトラブルに巻き込まれたり、ビザが取り消されたりすることはありません。オーストラリアで労働者として自分が有する権利について質問がある場合は、オンラインでFWOに問い合わせることができます。営業時間内であれば、電話(13 13 94)での問い合わせも受け付けています。FWOに問い合わせる際に通訳が必要な場合は、「翻訳・通訳サービス(Translating and Interpreting Service)」に電話(131 450)で連絡してください。

オーストラリアで得る収入すべてが課税対象となります。まず、オーストラリア国内の銀行で口座を開設しないと、賃金を受け取ることはできません。また、納税者番号(TFN)を取得して、自分が有する権利を確実に享受できるようにすることをお勧めします。

オーストラリアでは、スーパーアニュエーション(superannuation)と呼ばれる確定拠出年金が採用されています。スーパーアニュエーションの積立金は、月給が450ドルを超える場合、給与や賃金に上乗せする形でスーパーアニュエーションのファンドに別途振り込まれます。オーストラリアで就労する者は、一時滞在者であっても最低額以上のスーパーアニュエーション(略して「スーパー」と呼ばれています)を雇用主から支払ってもらう権利を有しています。

基本的に、スーパーの積立金は、退職後に年金として使用する以外の目的で引き出すことはできません。ただし、一時滞在者の場合は、以下の条件をすべて満たした場合に限り、スーパーの解約と全額の引き出しを申請できます。

  • オーストラリアに一時滞在ビザ(退職者ビザ、退職者兼投資家ビザは除く)で来ていた
  • 許可されていたビザが失効した(有効期限が切れた、取り消された) 
  • オーストラリアから出国した
  • オーストラリアまたはニュージーランドの国籍を有していない、またはオーストラリアの永住者でない

上記で説明したスーパーの積立金の引き出しは、「デパーティング・オーストラリア・スーパーアニュエーション・ペイメント(Departing Australia Superannuation Payment、DASP)」という制度の下で実行されます。詳細は、オーストラリア国税庁(ato.gov.au)のウェブサイトで説明されています。

ボランティア活動は、地域社会と繋がりオーストラリアでの経験を深められる素晴らしい選択肢です。有機栽培や有機畜産を手掛ける農場にワーキングホリデー・メーカーを送り出している、ウィリング・ワーカーズ・オン・オーガニック・ファームズ(Willing Workers on Organic Farms、WWOOF)という組織があります。この組織を通して派遣される農場では、住み込み食事付きでフレキシブルに仕事を割り振ってもらえます。基本的に、担当する仕事が半日分でも、一日分の宿泊と食事が確保されています。この種のボランティア活動には、ケープ・ヨーク(Cape York)でのウミガメ保護からアーネム・ランド(Arnhem Land)でのアート・フェスティバルまで、非常に多岐にわたる内容があります。また、コンサベーション・ボランティアズ(Conservation Volunteer)に登録すれば、オーストラリアの貴重な生態系を守る活動に参加することができます。このボランティア活動では、食事や宿泊施設、プロジェクト現場への送迎が無料となります。上記以外にも、世界各地を拠点とするさまざまな組織が、オーストラリアでの研究エクスペディションや休暇を利用したボランティア活動などを企画・実施しています。