
オーストラリアの魚の種類
オーストラリアには4,000種以上もの魚が生息しています。どの魚が最高であるかを語るのは容易ではありませんが、嬉しいことに、ここで皆さんにご説明できることになりました。
原文:スティーブ・スターリング
オーストラリアに生息する魚は数千万年にわたって進化を続け、この広大で、孤立した島のような大陸特有の水域環境に適応したため、多くの種類が地球上の他の場所では見られないという事実は、驚くべきことではありません。しかし、シロカジキや一部の種類のマグロなど、慣れ親しんでいる種類でも、他の場所に比べると数も多く、魚体も大きく成長する傾向があります。以下に挙げるオーストラリアのドリームタイム・ダズン(Dreamtime Dozen)は、オーストラリアで最もエキサイティングなスポーツ・フィッシングのターゲットとなる種類、または魚のグループを簡潔に一覧したものです。
オーストラリアのドリームタイム・ダズンとは、まさに出発点に過ぎません。世界中からやってくる釣り人の多くは、実際に目にするまでは存在すら知らなかった生き物を釣り上げています。オーストラリアの水域は、このような魚の群れで豊かに溢れています。

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バラマンディ

クイーンズランド州、ファー・ノース・スポーツ・フィッシング、クイーンズランド © Shaana McNaught
このような巨大なパーチは、トロピカルノースの淡水域と海水域の両方に生息しています。西オーストラリア州のキンバリー(Kimberley)地域、ノーザンテリトリー全域、そしてクイーンズランド州の北部などです。これらの魚は体長が1.4m、重さは40kg以上に成長します。世界的にも知られたスポーツ・フィッシュで、爆発的な一撃で餌に食い付き、えらで音を立ててジャンプし、素早く、力強く泳ぎます。一年中釣ることはできますが、3月から4月までがピーク・シーズンです。
大型のシロカジキ

クイーンズランド州、ポート・ダグラス、ファー・ノース・スポーツ・フィッシング、巨大なシロカジキ © Far North Sports Fishing
オーストラリアは大型のシロカジキを最も高い確率で釣り上げられる場所です。毎年9月から12月初めまで、非常に多くの数の大型シロカジキ(450kgを超える多数の「グランダー」を含む)が、クイーンズランド州の北部、ケアンズ(Cairns)からリザード島(Lizard Island)までの間のグレート・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)の外縁に集まります。
シロカジキ、クロカジキ、およびマカジキ
クイーンズランド州のブリスベン(Brisbane)からニュー・サウス・ウェールズ州の南岸、そして西オーストラリア州のエクスマス(Exmouth)の西岸の沖合では、暖かい季節(ベストな月は2月から3月)になると、餌となる魚の群れを追って大型のマカジキ、シロカジキ、クロカジキの大群がやってきます。これはゲーム・フィッシングの絶好の機会となります。
マカレル(サワラ)

西オーストラリア州、マカレル © Peter Morse
オーストラリアの北部の海域には、熱帯性および亜熱帯性のマカレル(サワラ)が多数生息しています。これらのうち最もよく見られるのがヨコシマサワラで、オオサワラに近い種類です。これら鋭い歯を持った肉食魚はオーストラリアの北部に見られ、クイーンズランド州南部から西オーストラリア州中部の海岸で釣り上げられます。釣りやすく、年間を通じて釣ることができますが、一般には涼しい冬または乾季の季節がベストとされています。
メカジキ
オーストラリアは、ゲーム・フィッシングの最も人気のある獲物であるメカジキが釣れる場所として、世界で最も注目されている場所の1つです。日中の時間に深いところへ餌を沈める「ディープ・ドロッピング」によって、クイーンズランド州南部からタスマニア州にかけて、熱狂するほどの数のメカジキが釣り上げられ、その多くが記録破りの大きさとなっています。
マグロ

クイーンズランド州、フレーザー島、コシナガマグロ © Peter Morse
ヒラマサ

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、シドニー・フライフィッシング・ツアーズ、ヒラマサ © Sydney Flyfishing Tours
その驚くべきパワーとスタミナによって世界中の釣り人に知られているヒラマサは、オーストラリアの多くの海域で季節によって豊富に見られます。特にニュー・サウス・ウェールズ州周辺から西オーストラリア州の南岸にかけての南東および南側の沿岸によく見られます。ここでは近縁種ながらあまり有名ではないものの、その名のとおりのサムソン・フィッシュと一緒に泳いでいることがよく見られます。ヒラマサ釣りのベストシーズンは、2月から4月です。
ロウニンアジ

クイーンズランド州、ロウニンアジ © Peter Morse
Giant Trevallyという英名の頭文字から「GT」と呼ばれるロウニンアジは、現在では広く名が知られていますが、魚の世界のゴロツキと言われています。このような大物が、飛び跳ねる「サーフェイス・ポッパー」ルアーに飛びついた後、力強く深い海へ潜っていく様子は世界中で有名です。熱心な釣り人らはこのようなスリリングな出会いに魅了されて、オーストラリアのトロピカル・ノースのほか、西オーストラリア州からクイーンズランド州沿岸にかけてのトップエンド(Top End)のサンゴ礁や岩礁に引き寄せられてやって来ます。ここには大きなGTが多数生息しています。
パーミット、ボーンフィッシュ、コガネシマアジ

西オーストラリア州、エクスマス、ニンガルー・フライ・フィッシング、ボーンフィッシュ © True Blue Bonefish
パーミット、ボーンフィッシュ、コガネシマアジは、沿岸部のフラットでの釣りにおける聖なる「ビッグ・スリー」です。豊富にいるインド太平洋のパーミット(地元ではオイスター・クラッカーまたはパンプキン・ヘッドと呼ばれます)は、大西洋やカリブ海にいる近縁種と同様に釣りにくいものの、同様に人気があります。コガネシマアジとパーミットはオーストラリア北部一帯で広く見られます。ボーンフィッシュが釣れるのは特定の場所に限られていますが(特に西オーストラリア州のエクスマス周辺)、同様に珍重されています。これら3種類の魚は、一般には8月から9月にかけてが最も釣りやすいと言われています。
スナッパーや南のサンゴ礁に棲む魚

南オーストラリア州、スナッパー ©Great Fishing Australia
オーストラリアの美しいピンク・スナッパー、別名スクワイアー・フィッシュはオーストラリアの南半分にあたる地域で人気のある獲物です。美味しい白身は食用魚としても高い評価を受けています。この魚が棲む南部の海域は、同様に引きが強くて味もよい獲物、たとえばバイト・レッドフィッシュ、クイーン・スナッパー(別名ブルー・モーウォング)、そして西オーストラリア州のデューフィッシュ(ほぼ間違いなく、これらの中で最も美味しい魚)も生息しています。一部の州では年間を通じて釣りを許可していますが、西オーストラリア州や南オーストラリア州などの州では一部の時期を禁漁期としています。
ダイオウギス

南オーストラリア州、キングジ・ョージ・ホワイティング © Jamie Crawford
ブラウン・トラウト、ニジマス、カワマス

タスマニア州、ブラウン・トラウト © Riverfly 1864
オーストラリアの水域に初めてマスが移入されたのは1860年代で、彼らは新しい住み処で繁殖してきました。現在、ブラウン・トラウトやニジマスは、タスマニア州、ニュー・サウス・ウェールズ州、ビクトリア州、そしてオーストラリア首都特別地域の冷涼な場所で、かなりの数に増えています。カワマスの生息数はこれより少ないものの、一部の陸封型のアトランティック・サーモンやチヌーク・サーモン(キングサーモン)と同様に、一部の隔絶された水域で見られます。オーストラリアの最高のマス釣りができるのはタスマニア州と、ビクトリア州、ニュー・サウス・ウェールズ州、オーストラリア首都特別地域の標高の高い地域と言われています。
マレー・コッド

ニュー・サウス・ウェールズ州、アーミデール、マレー・コッド © Aussie Fly Fisher
世界四大淡水魚の1つと呼ばれるマレー・コッドは、体長で約2m、重さで100kgに迫る記録を達成しています。この何でも食べる獰猛な肉食魚は淡水性のハタのように見えます。そして誤ってその縄張りに飛び込んでしまったカモ、トカゲ、蛇を喜んで餌食にします。当然のことながら、マレー・コッドは、他では体験できないエキサイティングな淡水域での獲物として象徴的な存在です。釣りのベストシーズンは3月から4月です。