
サステナブルな旅のアイディア7選
次にオーストラリアを休暇で訪れるときにはどこに行って何をするかについて少し考えてみると、世界が変わるかもしれません。
原文:サラ・リード
休暇を楽しんでいるときには、環境に与える負荷を忘れがちです。次回のオーストラリア旅行では、訪れた場所に持続可能な利益をもたらすような行動をとれば、あなたの経験はもちろん、その場所に与える影響も、素晴らしいものになるはずです。ここでは、7つのアイデアを提案します。
キンバリーでアボリジナルピープルが所有するエコロッジを支援する

西オーストラリア州、ケープ・レベック、クールジャマン © Tourism Australia
アボリジナルピープルとトレス海峡諸島の人々が提供する旅行体験は、オーストラリアの先住民が何万年もの間、土地と調和してどのように暮らしてきたかを真に理解することができます。これらの事業を支援するだけで、この豊かな文化遺産の保護に貢献できるのです。
西オーストラリア州北部に位置する険しくも美しいケープ・レベック(Cape Leveque)のクールジャマン(Kooljaman)では、国(伝統的な土地)を大事にするアボリジナルピープルの価値観に則った、環境に配慮した宿泊施設に滞在することができます。アボリジナルガイドと一緒にこの地域を探索しながら、先住民文化の視点から持続可能な生活について学びましょう。ガイド付きツアーの収益は、地元の2つのアボリジナル・コミュニティ、ワン・アーム・ポイント(One Arm Point)のアルディアルーン族と、ジャリンジン族の支援に使われます。
マンタと一緒にシュノーケリングを楽しみ、レディー・エリオット島の持続可能性を支援する

クイーンズランド州、レディー・エリオット島、マンタ © Sean Scott Photography
クイーンズランド州のレディー・エリオット島(Lady Elliot Island)は、間違いなく、巨大なマンタと並んで泳げるグレート・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)で最高の場所の一つです。それはつまり、事実上世界一の場所だということです。自分が持続可能な行動をとっていると自覚すること以上に、持続可能性を体験するより良い方法はありません。このサンゴ礁群で初めてのエコロッジには、グランピング・テントを含むさまざまな環境に優しい宿泊施設があり、今なお環境保護に最も力を入れています。その使命は、島の長期的な持続可能性を犠牲にすることなく、忘れられない観光体験を提供することです。
ゲストは、Eye on the Reefアプリをダウンロードしてサンゴ礁で見たものの写真を共有して科学者に協力し、サンゴ礁監視組織リーフ・チェック(Reef Check)に代わって海洋調査を引き受けることで、保護活動を支援することができます。また、水の使用を制限したり、廃棄物を最小限に抑えたりするなど、島で(また自宅に戻っても)、より持続可能な方を選ぶようにしてください。そうすれば、自分へのご褒美に、使い捨てプラスチックを使用しない容器で休暇のカクテルを楽しむことができます。

Eye on the Reefアプリをダウンロードする
フィリップ島で野生動物サファリを堪能する

ビクトリア州、フィリップ島、フィリップ島自然公園 © Phillip Island Nature Park
ペンギンは好きですか?それならきっと、フィリップ島(Phillip Island)が気に入るでしょう。メルボルンから南へ車で2時間弱ですから、日帰り旅行の目的地として申し分ありません。この島では、素晴らしくかわいいリトル・ペンギンが、一日魚を捕った後に、サマーランド・ビーチ(Summerland Beach)に上陸して自分の巣穴までヨチヨチ歩いていくところが見られます。あなたが払う入場料が、世界をリードする研究の支援に充てられることをお忘れなく。
ペンギンパレードは、フィリップ島の野生動物と環境の保護と強化を専門にしている保護団体、フィリップ島自然公園(Phillip Island Nature Parks)が管理する5つあるエコツーリズム・アトラクションのひとつです。その他のアトラクションにはコアラ保護区があり、寝てばかりいるこの有袋類を自然の生息地で観察できます。
クイーンズランド州で給水塔の壁画を見るドライブ旅行を計画する

クイーンズランド州、ボーウェン、給水塔のアートワーク © Australian Silo Art Trail
近年、多くの地域コミュニティが給水塔の美化に取り組んでおり、旅行者にとっては、アート巡りのドライブ旅行で観光コースから外れた小さな町(その多くが干ばつその他の困難と闘っています)を訪れてその街を支援するための、新しいきっかけになっています。小さな町の給水塔を鑑賞したついでに町を散策することは、地元の経済にとって非常に大きな意味があります。ランチやコーヒーを楽しんだり、お店を見て回ったり、フレンドリーな地元の人とおしゃべりしましょう。
クイーンズランド州には壁画が描かれた給水塔が30カ所以上点在しているため、壁画巡りはこの州から始めるのが最適です。給水塔、サイロ、およびストリート・アートの詳細については、オーストラリアン・サイロ・アート・トレイル(Australian Silo Art Trail)のウェブサイトをご覧ください。さあ、エンジンを始動してドライブ旅行に出かけましょう。途中に立ち寄った町では、いくつか買い物をしてその町を支援することを忘れないように。
イースト・ギプスランドで山火事からの復旧を支援する

イースト・ギプスランド・レール・トレイル © Robert Blackburn
地元で買おう
目的意識のはっきりした旅行をするための優れた方法は、エンプティ―・エスキー(Empty Esky)ムーブメント、Buy from the Bushなどの社会活動を通じて、山火事の影響を受けたコミュニティを支援することです。
アデレードで持続可能な都市の休息を楽しむ

南オーストラリア州、アデレード・ヒルズ、アップルウッド・ディスティラリー © Erik Rosenberg
都市でのんびりした休暇を楽しむのに、南オーストラリア州のコンパクトにまとまった州都であり、地産で流通元がわかる農産物を使うことで有名なアデレード以上に適した場所はほとんどないでしょう。
モナステリー・コーヒー(Monastery Coffee)でフェアトレードのコーヒーを飲むことから一日が始まります。その後は、マウント・バーカー(Mount Barker)のネリンガ(Ngeringa)やレンズウッド(Lenswood)のマウント・ロフティ・レンジズ(Mt Lofty Ranges)など、アデレード・ヒルズに点在する、必要以上に人の手を加えずに作るワイナリーを回りましょう。

アップルウッド・ディスティラリー(Applewood Distillery)とウニコゼロ(Unico Zelo)(ガメラチャ(Gumeracha)の同じ敷地内にあります)にはぜひ立ち寄って、ジンとワインを作るうえでの超持続可能なアプローチ(乾燥に強い品種のブドウを採用して水を節約するなど)について学びましょう。
一日の最後はアデレードのレストラン、プレス(Press)のディナーで締めくくります。南オーストラリア州の季節の食材を豊富に使った料理が魅力です。ディナーが済んだら、正真正銘の南オーストラリア産の家具を備え付けた豪華なメイフェア・ホテル(Mayfair Hotel)のベッドにもぐり込みましょう。
ロード・ハウ島で成功している環境保護を称える

ニュー・サウス・ウェールズ州、ロード・ハウ島、ラグーン・ビーチ © Destination NSW
ロード・ハウ島(Lord Howe Island)では、手つかずの環境への負荷を最小限に抑えるためにさまざまな施策を実施していますが、一日あたりの訪問者数の上限を決めることもその一つです。ユネスコの世界遺産として登録されているこの島は、訪問者が自分でも気がつかないうちに環境に優しい行動をとることができるよう支援することで、持続可能な旅行を実現しています。
手つかずのビーチと亜熱帯の森で有名なこの離島は、 シドニーから飛行機で2時間しかかからないため、自然を楽しむための究極の目的地であり、どこへ行っても環境への負荷を最小限に抑えることの重要性を私たちに思い出させてくれます。マラバー・ヒル(Malabar Hill)から島の景色を満喫したり、ゴワー山のトレッキングに挑戦したり、ネッズ・ビーチ(Neds Beach)でくつろぎながら頭上を飛ぶ海鳥を見つけたり、アドミラルティ諸島(Admiralty Islands)周辺でスキューバダイビングをした後は、ラグジュアリーなエコロッジ、カペラ・ロッジ(Capella Lodge)でゆっくり休みましょう。