
最高の食事、原生地域、贅沢を味わう14日間
自然がオーストラリア南部に与えた最高のものを見てみましょう。そして、世界の一流レストランで食事をして、最高級のホテルやリゾートのおもてなしを楽しみましょう。
原文:アンドリュー・ベイン
2週間にわたる、このオーストラリア南部の野生地域を探索する旅で、国内でも最高のレストランや卓越したリゾートとめぐり会えるでしょう。海を一望する崖の上に下りる夜のとばり、壮大な山の景色の中で明ける朝。そして旅の間はいつでも、贅沢な食事があなたを満たしてくれます。
見どころ
- オーストラリア最高の2つのロッジで素晴らしい地元の食材を味わう
- 高い評価を誇るロイヤル・メイル・ホテルのワインリストに載る2,300種類の中から1本を選ぶ
- 自然のパレットのような素晴らしいベイ・オブ・ファイアーの海岸線を歩く
基本データ
- 日数:14日間
- 距離:1,800km
- 移動手段:車と飛行機
- 最寄りの主要都市:メルボルン
- 料金:$$$
1日目:メルボルン

ビクトリア州、メルボルン、アティカ・レストラン © Attica
まずはメルボルンの隠れた見どころの探索からスタート。ホージア・レーン(Hosier Lane)、センター・プレイス(Centre Place)、ユニオン・レーン(Union Lane)など、ストリートアートに覆われた裏路地を散策しましょう。空気遠近法に触れたら、街で最も人気のレストランのひとつ、ヴュ・ド・モンド(Vue de Monde)でランチを楽しみましょう。以前は展望台のデッキだった地上55階にあるレストランで、その景色に劣らないコース料理が味わえます。ランチのあとには、ホテル・ウインザー(Hotel Windsor)でハイティー(100年以上も続くメルボルンの儀式)を。メルボルンのヤラ川(Yarra River)のほとりを散歩して、ほどよくお腹が空かせましょう。今夜のディナーはオーストラリアのベストレストランのひとつ、素晴らしいアティカ(Attica)に行きます。そして、市内に4軒ある、超スタイリッシュでアートの香りがするアート・シリーズ(Art Series)ホテルのいずれかで一泊しましょう。
2日目:メルボルンからビレグラへ

ビクトリア州、グレート・オーシャン・ロード(Great Ocean Road)© Tourism Australia
オーストラリアで最も有名な、グレート・オーシャン・ロード(Great Ocean Road)の風光明媚なドライブに出かけましょう。海岸を取り囲むドラマチックな崖の風景に沿って西に延びる道です。午前中はアングルシー(Anglesea)やローン(Lorne)に立ち寄り、海辺の生活に体をなじませます。もし週末なら、スキーンズ・クリーク(Skenes Creek)に行き、長年にわたって続いているクリスズ・ビーコン・ポイント・レストラン(Chris's Beacon Point Restaurant)でランチをとるのがおすすめです。ここから内陸へ40分ほどドライブして、高いナナカマドの木々の間を落ちる、美しいビューチャンプ滝(Beauchamp Falls)に続く1時間のトラックを歩いてみましょう。そして、名店ブラエ(Brae)を目指してさらに内陸の方へ進みます。ブラエは、オーストラリアの地方で最も素晴らしいレストランのひとつ。12ヘクタールのオーガニックフード・ガーデンを併設しており、そこで採れた食材でその日のメニューが決まります。今夜はブラエに6つあるラグジュアリーなスイートの一室でくつろぎ、星明りの下で眠りについてください。
3日目:ビレグラからダンケルドへ

ビクトリア州、グランピアンズ地域、ダンケルド、ロイヤル・メイル・ホテル © Royal Mail Hotel
ローンに戻り、グレート・オーシャン・ロードをさらに西へ走ります。オーストラリアの自然のワンダーランドのひとつ、12使徒(12 Apostles)に感嘆したら、冬の時期なら、ワーナンブール(Warrnambool)の町にあるローガンズ・ビーチ(Logan's Beach)にも寄ってみましょう。ミナミセミクジラを見るチャンスがあるかもしれません。ランチは、かつて世界で最も住みやすい町と言われた素敵なポート・フェアリー(Port Fairy)にあるメリリッジ・キッチン(Merrijig Kitchen)でどうぞ。昼食を終えたら、美しいグランピアンズ山脈にちなんで名付けられたグランピアンズ国立公園(Grampians National Park)を目指して、内陸に向かって走ります。グランピアンズの南のふもとの町ダンケルド(Dunkeld)には、カントリー・パブをグルメな空間に改装した、素晴らしいロイヤル・メイル・ホテル(Royal Mail Hotel)があります。食材や肉の多くはホテル所有の農場のものを使用しています。またここのワインリストは、オーストラリアで最も広範囲にわたるもので、2,300種類ものワインが並びます。ホテルの豪華なマウンテンビューの部屋や、近くにあるマウント・スタージョン・ステーション(Mt Sturgeon Station)のコテージやホームステッドで、ゆっくりと休んでください。
4日目:ダンケルドからアデレードへ

南オーストラリア州、アデレード、メイフェア・ホテル © Mayfair Hotel
午前中はグランピアンズを探索します。ホールズ・ギャップ(Halls Gap)の町を抜けて、ワンダーランド(Wonderland)駐車場に車を停めてください。ここは、歩きやすい往復90分のウォーキングコースの起点になっています。このコースでは、この地域を一望する素晴らしい眺めを体験し、サイレント・ストリート(Silent Street)として知られる狭い砂岩の穴を通り抜け、山麓から岩の突起が突き出るピナクル(Pinnacle)へと到達します。ランチは、ハーベスト・ホールズ・ギャップ・カフェ(Harvest Halls Gap Cafe)に行きましょう。メニューはほとんどすべて、グランピアンズ地域の食材を使用したものです。午後は西に車を走らせ、南オーストラリア州の州都アデレード(Adelaide)へと向かいます。アデレードで最も新しい正面にガーゴイルがあるラグジュアリーホテル、メイフェア・ホテル(Mayfair Hotel)にチェックインを済ませたら、ペンフォールズ・マギル・エステート(Penfolds Magill Estate)に向かいましょう。今夜は、市内から8kmのところにある、オーストラリアで最も名高いブドウ園のひとつでディナーをいただきます。レストランで使用する食材は、南オーストラリア州にあるいくつかの高級農場から調達しています。ワインメニューは、ごく初期のグランジ(ペンフォールズで収穫されたシラーズで造った、オーストラリアで最も希少なワインのひとつ)にまで遡って揃っています。
5日目:アデレードからカンガルー島へ

南オーストラリア州 、カンガルー島、ベイ・オブ・ショールズ・ワインズ © South Australian Tourism Commission
アデレードを早朝に出る飛行機に乗ります。地元の人に「KI」と呼ばれるカンガルー島(Kangaroo Island)へ行って、島をたっぷりと楽しみましょう。島で最も美しいビーチに建つ5ベッドルームのワン・カンガルー・アイランド(One Kangaroo Island)など、ワールドクラスの宿泊施設がいくつかあります。カンガルー島はグルメ、野生動物、自然に恵まれた島なので、好みに合うツアーがきっと見つかります。カンガルー・アイランド・ウィルダネス・ツアーズ(Kangaroo Island Wilderness Tours)では、島の固有の動物や生態系を探索する複数日にわたるツアーを催行しています。シール・ベイ(Seal Bay)を散歩して、海岸でアシカがくつろいだり、餌を探したり、遊んだりしている様子を眺めましょう。カンガルー・アイランド・トレイルズ(Kangaroo Island Trails)のワインとフードの日帰りツアーでは、クリフォーズ・ハニー(Clifford’s Honey)、ベイ・オブ・ワインズ(Bay of Shoals Wines)、カンガルー・アイランド・スピリッツ(Kangaroo Island Spirits)などの島で最高の食材を思う存分味わうことができます。
6日目:カンガルー島からホバートへ

タスマニア州、ホバート、モナ・パビリオンズ © Tourism Tasmania
午前中の飛行機でアデレードに戻り、午後に到着するフライトでタスマニア州の州都のホバート(Hobart)に向けて出発します。到着したら、刺激的で素晴らしいホバートの美術館MONA(ミュージアム・オブ・オールド&ニュー・アート)に直行しましょう。崖に掘られた地下の建築ギャラリーは言うまでもありませんが、コレクションを見て回るのに数時間必要でしょう。ダーウェント川(Derwent River)のほとりを刻み込むようにスタイリッシュなMONAパビリオン(MONA Pavilions)が建ち並んでいます。この、芸術をテーマにした現代的な部屋のひとつを予約していれば、夕食のあとすぐにベッドにもぐりこむことができます。素晴らしいMONAのレストラン、ソース(Source)が目と鼻の先にあります。3、5、7、9皿から選べるコースメニューを選び、シェフの料理とタスマニア州の季節の味を堪能しましょう。
7日目:ホバートからコールズ・ベイへ

タスマニア州、ホバート、サラマンカ・プレース、サラマンカ・マーケット © Tourism Tasmania
午前中はホバートのウォーターフロントや芸術的なサラマンカ・プレース(Salamanca Place)をぶらぶらしましょう。土曜日なら、有名なサラマンカ・マーケット(Salamanca Market)が開催されます。フランク(Frank)で、カジュアルスタイルのランチをいただきましょう。そのあとは、素晴らしい風景が広がるタスマニア州の東海岸とサファイア・フレシネ(Saffire Freycinet)を目指して、190kmドライブします。近年、世界のベストブティックホテルにランクインするサファイアは、周囲の自然環境からの影響を受けた設計になっています。今夜は、ピンク色の花崗岩のハザーズ(Hazards)山脈の眺めを楽しみながら、サファイアのパレート(Palate)レストランで食事を堪能してください。
8日目:コールズ・ベイ

タスマニア州、コールズ・ベイ、サファイア・フレシネ・マリン・オイスター・ファーム体験 © Tourism Tasmania
今日は少しのんびりと過ごします。サファイアにもう一泊して、素晴らしいウォーキングと美味しい食事を楽しんでください。サファイアの宿泊客ができる体験のひとつ、ピクニックに参加してみましょう。ハザーズ山脈を抜け、タスマニア州を代表する自然の見どころのひとつ、白い砂のワイングラス・ベイ(Wineglass Bay)までをガイド付きで歩く、5kmのハイキングです。地峡を渡りハザーズ・ビーチ(Hazards Beach)まで行ったら、カキ、チーズ、ハムなどの地元で獲れたのシーフードと地産の食材を味わうランチが待っています。ボートに乗り込んで、再び素晴らしい風景に囲まれてサファイアまで戻ります。スパトリートメントを満喫して、今夜もまたパレートで舌鼓を打ちましょう。
9日目:コールズ・ベイからハグレーへ

タスマニア州、ビナロング・ベイ、ビナロング・ビーチ、ウォンバット © Tourism Tasmania
この旅の最終地点はロンセストン(Launceston)の町ですが、まずは見事なタスマニア州の東海岸でもう数日間過ごします。海岸線を北に向かい、セント・へレンズ(St Helens)とビナロング・ベイ(Binalong Bay)に行きましょう。ビナロング・ベイでの見どころはあまりありませんが(数多くの申し分のないビーチは除く)、リース65オイスター・ファーム(Lease 65 Oyster Farm)ではとびきり美味しい獲れたてのカキを味わえます。少し内陸方面に寄り道して、ペンガーナ・デイリー・ファーム(Pyengana Dairy Company)で種類豊富な手作りのチーズやアイスクリームを味わってみましょう。搾乳小屋が見えるイートスペース、ホーリー・カウ・カフェ(Holy Cow Cafe)でどうぞ。ロンセストンを過ぎて、邸宅を思わせるようなカンバイ・エステート(Quamby Estate)に向かいます。地方ならではのおもてなしを受けて夜を楽しんでください。
10日目:ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォーク

タスマニア州、イースト・コースト、ベイ・オブ・ファイアー © Tourism Tasmania
今日から、タスマニア州で最も色鮮やかな海岸線を歩く、4日間のラグジュアリーなガイド付きのウォーキングの旅を始めます。ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォーク(Bay of Fires Lodge Walk)ツアーは、カンバイ・エステートから出発するので、朝の準備が楽です。まずは、タスマニア州の北東端へと移動します。初日は、美しい海岸沿いを南に歩いて、花崗岩の岬とオオロウソクゴケ(オレンジ色の藻)で覆われた岩場を越えていきます。輝く白い砂のビーチの背後にそびえる砂丘に間に隠れた、のどかなフォレスター・ビーチ・キャンプ(Forester Beach Camp)まで9km歩いたら今日は終了です。保護水域でシュノーケルを楽しんだら、キャンプ場の屋外デッキで地産の食材を頬張りましょう。
11日目:ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォーク

タスマニア州、イースト・コースト、ベイ・オブ・ファイアー © Tourism Tasmania
今日はどこまでも続く光り輝く砂浜に沿って、海岸線を14km歩きます。花崗岩の灯台の木陰でランチをとったら、ラグジュアリーなベイ・オブ・ファイアー・ロッジ(Bay of Fires Lodge)まで歩きます。40m下に海を望む受賞歴を誇るロッジは、ウォーキングのあとの素晴らしいご褒美。20km延びる海岸線に建つ唯一の建物で、2つのガラス張りのパビリオンからは海岸が見渡せます。ロッジのスパトリートメントを受けて1日の疲れがゆっくりと消えていくのを感じてください。そのあとは、タスマニアのワインとビールに合うディナーを味わいましょう。
12日目:ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォーク

タスマニア州、イースト・コースト、ベイ・オブ・ファイアー、ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・スパ © Tourism Tasmania
今日は曲がりくねったアンソンズ川(Ansons River)とアンソンズ湾(Ansons Bay)でカヤッキングを楽しむので、それに合わせたペースで海辺を歩きます。ここでのカヤッキングでは、他とはまったく違う風景を見ることができます。カヤッキングを楽しんだあとは、砂丘を通ってロッジへ戻ります。引き続き水をテーマに、海水浴を楽しんで残りの時間を過ごしてください。あるいは、今日は普段使わない筋肉を動かしたので、もう一度スパトリートメントを受けるのもいいでしょう。
13日目:ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォークからロンセストンへ

タスマニア州、ロンセストン、カタラクト渓谷 © Tourism Tasmania
ベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォークの最終日は、ロッジを出て4kmを歩いて終了です。そのあとはロンセストンに戻ります。途中、アポジー・ヴィンヤード(Apogee Vineyard)のブティックワイナリーを訪ねてみてください。ここでは、単一畑から採れたブドウの実を使った、シングル・ヴィンヤード・ワインを造っています。少し時間があるのでグランド・チャンセラー・ホテル(Grand Chancellor Hotel)の部屋でシャワーを浴びてから、シーポート(Seaport)に向かいましょう。レストランやバーが、ノース・エスク川(North Esk River)に張り出すように建ち並んでいます。マッドバー(Mudbar)で、新鮮なタスマニアの食材を使ったアジアンテイストのフュージョン料理を楽しみましょう。
14日目:ロンセストン

タスマニア州、ロンセストン、スティルウォーター・レストラン © Tourism Tasmania
午前中は、ロンセストンを縫うように走る崖が連なるカカタラクト渓谷(Cataract Gorge)を散策しましょう。往復のダック・リーチ(Duck Reach)ウォーキングコースは90分くらいで歩くことができます。午後は、ロンセストンから北上したところにあるテイマー・バレー(Tamar Valley)のワイナリーを巡る計画を立てましょう。まずは西岸の、元オリンピック自転車競技選手が経営するヴェロ・ワインズ(Vélo Wines)からスタートしましょう。ここのバレル・ルーム(Barrel Room)レストランでランチをいただきます。次に、ゴウティ・ヒル・ワインズ(Goaty Hill Wines)の木の下で、シャルドネかリースリングを味わいましょう。川を渡り、ジャンツ・ワイン・ルーム(Jansz Wine Room)でスパークリングワインを試したら、ロンセストンに戻って夕食です。今夜は、使われなくなった1830年代の製粉所の中にあるスティルウォーター(Stillwater)に行きます。料理は地元で採れた食材とワインを紹介する独創的なもので、タスマニアで最も素晴らしいレストランのひとつとの評価を受けています。ここから、メルボルン、シドニー、またはホバートまで直行便を利用します。あるいは、あと数日滞在して、テイマー・バレー・ワイン・ルート(Tamar Valley Wine Route)をもっと深く探索するのもいいでしょう。