
オーストラリアでのフライ・フィッシング、深場釣り、スポーツ・フィッシング
深場釣りやスポーツ・フィッシング、そして川釣りからフライ・フィッシングまで、オーストラリアでは熱烈な釣り人をも満足させる、さまざまなタイプの釣り場があります。
オーストラリアの海、川、湖は魚で溢れています。オーストラリアは巨大な島として豊かな海に恵まれていることで有名ですが、それだけでなく、川岸に立ってでも、マングローブに縁取られた小川を下りながらでも、あるいは穏やかな湖に漕ぎ出してでも釣り糸を垂れることができます。南半球の大地では、さまざまなタイプの釣りを楽しめます。
海でのスポーツ・フィッシング

ノーザンテリトリー、グルートアイランド島 © Groote Eylandt Sports Fishing
オーストラリアの温暖で穏やかな海で釣れる魚の種類は、この巨大な大陸の地域によって実に大きく異なります。南部では、引きが強く、味もよい魚の種類が多く見られます。大きなピンク・スナッパーやゴウシュウマダイ、マロウェイ、ブリーム、メルルーサ、コチなどが挙げられますが、これらは一般的に獲物とされる種類のごく一部に過ぎません。北部では、その種類は劇的に増えます。バラマンディ、マングローブ・ジャック、ゴールデン・スナッパー、コーラル・トラウトなどが獲物となり、またマグロ、ロウニンアジ、クイーンフィッシュ、サワラ、スギといった高速で泳ぐ外洋性の種類も多く見られます。熱帯地域の一部では、わずか数日間の釣行で20種類もの獲物を釣り上げることも簡単です。そしてその中には今までに見たことも、聞いたこともないような魚が含まれることもあり、それらの多くは容易に釣果が上げられる豊かなこの水域に固有のものです。
オーストラリアの海域で最高のスポーツ・フィッシングを楽しむ最もよい方法は、最高の場所を知っている地元の人に同行することです。釣りのスポットまで案内してくれるガイド付きツアーはいくつかあります。オーストラリアで最高の海釣り業者については、こちらのプログラム・パートナー・マップをご覧ください。
波が打ち寄せるオーストラリアの荒々しい海岸から投げ釣りをするにしても、設備の整ったスポーツ・フィッシング用のボートをチャーターして大海原に出かけるにしても、この地球の裏側で起きたことは、今後の生涯で常に懐かしく思い出し、誰かに語りたくなる釣り体験になることでしょう。
深場釣りとゲーム・フィッシング

クイーンズランド州、ポート・ダグラス、カジキを釣る © Far North Sports Fishing
オーストラリアで最も有名なゲーム・フィッシングのエリアは、その名もふさわしいグレート・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)の外縁付近、ケアンズ(Cairns)とクックタウン(Cooktown)の間にあたります。南半球の春(9月から12月)になると、大型のシロカジキが産卵の時期を迎え、太平洋中から集まります。毎年十数匹もの「グランダー」(450kgを超える魚)が釣り上げられ、また50kgから400kgの範囲のものは数百匹にもおよびます。ファー・ノース・スポーツ・フィッシング(Far North Sports Fishing)やケコア・スポーツ・フィッシング(KEKOA Sports Fishing)では、このような釣行をサポートしてくれます。
この巨大なカジキは象徴的で確実性も高い獲物ですが、これはオーストラリアの驚くほどに多様なゲーム・フィッシングおよび深場釣りの恵みの1つに過ぎません。季節ごとに巨大なシロカジキがやってくる、この堡礁の同じ海域には、年間を通じてバショウカジキ、ヨコシマサワラ、ワフー、マグロ、ロウニンアジ、マヒマヒ、バラクーダ、スギなどが多数生息しています。またスナッパー、センネンダイ、スイートリップ、ハタ、コーラル・トラウトといった味のよいリーフの魚が万華鏡のように集まっているのも見られます。ノーザン・コンクエスト・チャーターズ(Northern Conquest Charters)は、このような味のよい食用魚の釣りを専門にしています。
さらに南へ向かうと、予測が可能な海流に乗って、ビルフィッシュ、マグロ、キングフィッシュ、サメなどの巨大なラインピーラー達が、餌に富んだ沖合に規則正しくやってきます。ここには高速で、信頼性が高く、設備の整ったチャーター船で向かうことができます。ポート・リンカーン(Port Lincoln)にあるオーストラリアン・コースタル・サファリズ(Australian Coastal Safaris)では、シーフード、釣り、そして海岸での冒険を楽しむ地など、さまざまなパッケージが用意されています。
オーストラリアの水域は、世界中から素晴らしい評価を得ており、また定評となりつつあります。特につり上げたときの満足感が大きく、人気も高い獲物である、メカジキなどが有名です。このような激しい戦いを挑んでくる相手を目がけ、日中に「ディープ・ドロッピング」したときの平均的なヒット率は劇的に上がっています。そのため遠くから訪れる釣り人も地元の釣り人も同様に、生きているうちにぜひとも挑戦したいことの1つとしてリストアップしています。
深場釣りやゲーム・フィッシングは、西オーストラリア州ではマカレル・アイランズ(Mackerel Islands)の青い海、東海岸ではクイーンズランド州の青く美しい湾やサンゴ礁など、国内の多くの場所で楽しめます。イースト・コースト・アングリング(East Coast Angling)やウォーターライン・チャーターズ(Waterline Charters)のツアーで、獲物が豊かなクイーンズランド州の海を目指しましょう。また、ケアンズのリーフを楽しんだ後に、ケアンズ・リーフ・フィッシング(Cairns Reef Fishing)で日帰りツアーに出るのはいかがでしょう。地元のオージーのガイドが、海を存分に楽しめるようにサポートしてくれます。
釣りの技術のレベルや、獲物とする魚のサイズにかかわらず、オーストラリアの海に出て釣り糸を垂らし、腕を鳴らし、想像力を膨らませることができます。
淡水域での釣り

西オーストラリア州、カナナラ、究極のバラマンディ釣り © Ultimate Adventures Barramundi Fishing
地上最大級の淡水魚が、オーストラリアの静かな陸水域に潜んでいることをご存知ですか?それはマレー・コッドと呼ばれる魚です。オーストラリアの地元ではグードゥーまたはポンドとも呼ばれており、先住民アボリジニのドリームタイム(創世記)の物語で極めて重要な役割を果たしています。緑色のまだら模様でビア樽のような魚体に、不運なカモを丸呑みできるような大きな口。マレー・コッドはハタのような見た目ですが、動作はまるで巨大なバスのようで、ルアーや毛針を使う釣り人にとっては最高にスリリングなターゲットです。そしてさらに、このような魚が多い水域は、訪れる場所としても非常に楽しいところです。カーブを描く屈曲部、岩の多い中州、植物が覆い被さるような場所がこの緑色の肉食魚の隠れ家となっており、ヒレを広げてほとんど動かずに潜んでいます。
マレー・コッドが棲む美しい川や湖は、ゴールデンパーチやシルバーパーチといった他の美しい釣り魚の生息地にもなっています。また南東部の沿岸部の川や貯水池には、元気がよく、引きのいいオーストラリアン・バスが生息しています。北部では、バラマンディ、サラトガ、スーティ・グランター、ジャングル・パーチなども釣魚のリストに加わります。これらは皆、手付かずの自然が残る川や、スイレンが咲く水たまりなどで泳いでいますが、こういった場所にはクロコダイルや、さまざまな水鳥も生息しており、その他の魅力的な野生動物も見られます。オーストラリアは地上でも最も乾燥した大陸の1つとされていますが、淡水魚を狙う冒険心に満ちた釣り人に偉大なる機会を提供できる場所です。
ガイド付きの釣りツアーを予約すれば、大きな期待が持てるスポットを探すのを手伝ってもらえるほか、道具の貸し出しもあり、淡水域への究極の冒険にいざなってくれるでしょう。
淡水域でのフライ・フィッシング

タスマニア州、デロレイン、ドリフトウォーター © Driftwater
フライ・フィッシングは釣りの世界の中でも急速に成長した分野の1つです。オーストラリアはフライ・フィッシングに適した場所があらゆるところにある恵まれた土地です。
この地にとって、マスは土着の魚ではありませんが、1800年代半ばに移入に成功し、オーストラリアの冷涼な地域でよく成長しています。特に、島であるタスマニア州では、その静かで美しい水の中で自然繁殖したブラウン・トラウトの「サイト・フィッシング」が人気を集めています。タスマニアでのフライ・フィッシングについては、ドリフトウォーター(Driftwater)、リバーフライ1864(RiverFly 1864)、そしてサウザンド・レイク・ロッジ(Thousand Lakes Lodge)をご覧ください。最高のマス釣りは本土でも楽しめます。特にビクトリア州やニュー・サウス・ウェールズ州のハイ・カントリーが有名です。
しかし、オーストラリアの淡水域でのフライ・フィッシングは、マス釣りだけに限りません。今では堂々としたマレー・コッド(50kgを超える重さになることもあります)などの種類が、フライ・フィッシングの世界の獲物に値するとして国際的に注目を集めるようになっています。また、他の場所にも古代魚のサラトガや、オーストラリアの力強い土着のバスなど、素晴らしいフライ・フィッシングのチャンスがあります。ターゲットとして有名なバラマンディは、大陸の北部の淡水域にも海水域にも生息しています。
海水域でのフライ・フィッシング

クイーンズランド州、ハービー・ベイ、ハービー・ベイでのフライ&スポーツ・フィッシング © Hervey Bay Fly and Sportfishing
海水域と言えば、オーストラリアの北部沿岸では、熱帯のフラットの「ビッグ・スリー」と呼ばれる、パーミット、ボーンフィッシュ、ターポンが釣れます。しかし、それぞれの魚には、地球の裏側同士で興味深い違いが見られます。このインド太平洋地域のパーミット(実際には2つの種類があります)は、カリブ海で見られる種類と同様に少し釣りにくいのですが、その数ははるかに多く見られます。またこの地域のボーンフィッシュは大型で抜け目がありませんが、世界の他の地域の近縁種よりも若干深い場所を住み処としています。そしてこの地域のターポンは、大西洋で見られる大型の近縁種をミニチュアにしたような姿で、重さで4kgを超えることは珍しいものの、中程度以上の大きさであれば十分に手応えがあります。また、すばしこくて引きの強い「ブルー・バスタード」(スイートリップの仲間)をターゲットにしても、フラットでスリル溢れる釣りを楽しめます。
コガネシマアジ、ウマヅラアジ、ロウニンアジ、バラマンディ、クイーンフィッシュ、ジャイアント・ヘリング(レディフィッシュ)、スレッドフィン・サーモン、バラクーダなども釣りのターゲットです。人口の少ない北部一帯にある、浅い水域や海岸近くでのフライ・フィッシングの方法を考えてみましょう。
しかし、海水域でのフライ・フィッシングのスリルはオーストラリアの北部でしか味わえないと思ってはいけません。涼しい南部の海域も、釣り人の気概を試そうとする魚、フライリールをむしり取ろうとする魚で溢れています。知られているものには、5~6種類以上におよぶマグロ、鋭い歯を持ったテイラー(世界の他の地域ではブルーフィッシュ、エルフ、シャッドと呼ばれています)、シイラ(マヒマヒ)、そして非常に力の強いサザン・イエローテール・キングフィッシュ(カリフォルニアや日本のブリなどとほとんど同種)などがあります。しかし、あまり有名ではないものの、よりエキゾチックなターゲットもいます。いわゆるオーストラリアン・サーモンですが、これは本物のサーモンとはまったく異なる魚です。どちらかといえば、アメリカのストライパーとヨーロッパのシーバスの中間に当たるような種類ですが、フライで釣り上げるのはとても楽しいものです。
これまで説明した種類のほとんどは、8番から9番の重さのフライ・フィッシングの道具で挑むことができます。しかし熱意がさらに高い人のために、長い吻を持つビルフィッシュをフライで狙えるような場所もあります。インド太平洋地域にはバショウカジキ、シロカジキ、クロカジキ、マカジキ、フウライカジキ、そしてメカジキも生息しています。ここではどの種類の数も豊富です。ですから、ぜひお気に入りのフライロッドを持ってきてください。サンシャイン・コースト(Sunshine Coast)にあるギャビン・プラッツ氏が経営するタイ「N」フライ・アウトフィッターズ(Tie ‘N’ Fly Outfitters)では、オーストラリアの海水域でのフライ・フィッシングのスペシャリストからアドバイスを受けることができます。
ハービー・ベイ(Hervey Bay)のガイド付きのフライ・フィッシング・ツアーに参加して、(いくらかの)ハードワークの末に素晴らしい獲物を釣り上げてください。あるいは釣り業者の地図を参考にして、業者を選んでください。