
シドニーのクラフトビールの裏路地文化
シドニーのインナー・ウエストの裏路地には、ビール愛好家をその美味さで驚かせる、小規模なビール醸造所による風味豊かな、受賞歴のあるビールがあります。
原文:カトリーナ・ロブリーとアシュリー・ウィーラー
過去数年間で、オーストラリアのビール醸造所の数は2倍以上になっています。この性急な革命の中心地の一つは、シドニーのインナー・ウエストで、 ニュータウン(Newtown)、マリックビル(Marrickville)、カンパーダウン(Camperdown)の郊外を含む、街の中心部からバスまたは電車でわずか10分の地域です。クラフトビールの醸造所は、このクールで一種独特の地域で営業している、流行に敏感な多数の小規模なビール醸造所とともに、ビール醸造への情熱を一段と高めています。これらのビール醸造所はまた、流行の先端を行く人からオタクまで誰もが歓迎される、活気のあるコミュニティハブになっています。
ヤング・ヘンリーズ

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、ヤング・ヘンリーズ © Young Henrys
活気のある大通り、エンモア・ロード(Enmore Road)とキング・ストリート(King Street)から離れ、グラフィティが描かれた人目につかないレーンウェイ(裏路地)にひっそり佇む、ニュータウンのこの醸造所に近づくにつれ、楽しげなざわめきが伝わってくるでしょう。地元の人も観光客も、リアルエール(Real Ale)などの個性的なビールを試すために、試飲バーのヤング・ヘンリーズ(Young Henrys)を探し求めます。リアルエールは、英国の代表的ビールにオーストラリアらしさを加えた、非常に素晴らしいビールで、英国の2014年リアルエール・フェスティバルで金メダルを獲得しました。醸造所はまた、ウインター・ホップ・エール(Winter Hop Ale)やマルベリア(Mulberia)(サワーフルーツビールの大胆なアレンジ)などの季節のビールも製造しています。
ウェイワード・ブリューイング・カンパニー

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、ウェイワード・ブリューイング・カンパニー © Wayward Brewing Company
ウェイワード・ブリューイング・カンパニー(Wayward Brewing Company)には、フレンドリーで、くつろいだ雰囲気の常連客が集まります。カンパーダウン(Camperdown)にあるビアホールは、飼い主とともにたびたび醸造所を訪れる犬の写真が飾られた壁、リビングの延長のように感じられる空間を生み出すビンテージ家具を特色としています。ビールサーバーからはパッションフルーツやゆずサワービール(パッション・オブ・ザ・パス(Passion of the Puss))などの珍しいビールがサーブされるかもしれません。常連客は、ジャイアントジェンガのゲームを楽しんだり、バーで無料のポップコーンを食べたりしています。
アカシャ・ブリューイング・カンパニー

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、アカシャ・ブリューイング・カンパニー © Akasha Brewing Company
ファイブ・ドッグ(Five Dock)のアカシャ・ブリューイング・カンパニー(Akasha Brewing Company)の試飲ルームに足を踏み入れると、この小規模なビール醸造所が当たりであることが分かるでしょう。広々とした部屋に並ぶ、殺風景な金属の醸造機械を原木の椅子が中和しています。最大で12種類のビールとサイダーを楽しむことができ、取りそろえには、定期的に取り替えられる特別版のビールに加えて、必ずラガー、ペールエール、アンバーエール、IPA(インディアペールエール)が含まれます。ビリヤードやダーツの娯楽により、午後をのんびり過ごしてから、毎週末、その場に登場するフードトラックの食べ物を試すのが容易になります。ビールを楽しんだ場合は、1.9リットルの「グラウラー」でビールを醸造所から家に持ち帰ることを検討しましょう。
グリフター・ブリューイング・カンパニー

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、マリックヴィル、グリフター・ブリューイング・カンパニー © Sam Coady
マリックヴィルの倉庫街にあるグリフター(The Grifter)には、近隣の雰囲気と完全に調和している設備があります。かつては産業用コインランドリーとして使用されていた、オープンスペースは、広々としたテイスティング・バーとともに、醸造タンクを収容するのに十分な広さがあります。中に入ると、壁と天井がむき出しのレンガと波形の鉄という一見適切な組み合わせにより、補強されていることに気付くでしょう。ビール愛好家は、グリフターで味わえる全種類(有名なオーストラリアン・ペール・エールを含む)を知ってワクワクするでしょう。美味しいビールの中からどれを試すかを選べない場合、12オーストラリアドルで4種類のビールを小型グラスで試すことができます。一つずつ試飲できるので、手に持っているビールは常に新鮮です。
ウィリー・ザ・ボートマン

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、セントピーターズ、ウィリー・ザ・ボートマン © The Corner Studio
古い塗装工場内にある、試飲バーを備えたクラフトビール醸造所のウィリー・ザ・ボートマン(Willie the Boatman)は、セントピーターズ(St Peters)のメアリーストリート(Mary Street)にひっそりと佇んでいます。自家醸造家としてスタートしたオーナーは、クラフトビールへの愛をそれと分かる地元のブランドへと徐々に発展させ、航海のテーマでスペースを飾り、オールド・ソルティ・ゴーズ(Old Salty Gose)やアルボ・コーン・エール(Albo Corn Ale)などの独自のビールのフレーバーは、地元の人々の間で人気が出ています。
ソース

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、マリックヴィル、ソース・ブリューイング・カンパニー © Adrian Cook
クラフトビール・シーンの中ではかなり新しいソース(Sauce)は、2017年にマリックヴィルの醸造所を開業しました。酒場とビアガーデンがあり、あらゆる年齢の常連客とペット連れの客を歓迎しています。ホップ風味のあるものから酸味のあるものまで、さまざまなフレーバービールを試飲できます。「ピス・ウィーク・ソース(Piss-weak Sauce)」や「サン・オブ・ア・ピーチ!(Son of a Peach!)」ベルリーナー・ヴァイセなどの忘れられない名前のビールは、代表的なペールエールとエクストラホッピーIPAの各種ビールを補完します。
バッチ・ブリューイング・カンパニー

ニュー・サウス・ウェールズ州、シドニー、マリックヴィル、バッチ・ブリューイング・カンパニー © Batch Brewing Co.
マリックヴィルのバッチ・ブリューイング・カンパニー(Batch Brewing Company)は、アメリカンビールとオーストラリアンビールのユニークな組み合わせを提供しています。同名店と同様に、マリックヴィルのテイスティング・ルームのビールの種類は、新しいバッチが醸造され次第、頻繁に変わりますが、メニューに載っている一部の定番にはアメリカン・ペールエールとIPAが含まれます。一部のビールは、手に持てる1.9リットルのグラウラーまたは640ミリリットルのボトルで家に持ち帰ることができ、舞台裏を垣間見たい場合は、週末に醸造所ツアーを予約してから、週に2~3日夜に屋外に駐車しているフードトラックの1つで軽く食事することができます。