
シドニーで人気の隠れ家バー
シドニーには、地下スペースや歴史遺産の中庭や元精肉店などを、知る人ぞ知る隠れ家的な店に改造した場所が多くあります。そういった店を訪れれば、探し出そうと頑張った自分に感謝するはずです。
原文:ポール・チャイ
アロハシャツのウェイターが提供するティキ・ドリンクから、ジュークボックスがある大賑わいの酒場でのクラフト・ビールまで、シドニーで最高の隠れ家バーを堪能しましょう。街には昔ながらの隠れ家スタイルのバーが数多くあり、店はお酒とともに楽しい時間を過ごす人でいっぱいです。
ジャングリング・ジャックス(Jangling Jack's)、ポッツ・ポイント(Potts Point)
この店は最近シドニーの隠れ家バー・シーンに現れた店で、ウェブサイトもオンラインメニューもなく、ただInstagramへの限られた投稿があるのみ、好んで目立たないようにしています。ジャングリング・ジャックス(Jangling Jack's)は手入れの行き届いた秘密の場所であり、暗い室内はビンテージのバンド・ポスターで覆われ、個室と、レトロなビクトリア朝の照明で照らされた長いカウンター席があります。このバーはクラシックな飲み物を得意としており、完璧に作られたマルガリータを堪能できるでしょう。フードには、少しはちみつを使ったフライドチキンや、フライドポテトを添えたステーキのような伝統的なメニューがあります。
モジョ・レコード・バー(Mojo Record Bar)、市内中心部
この店は一部がレコード店で一部がバーとなっていますが、まずは店自体を見つけなくてはなりません。古いレコードが張り付けられた扉を探し、それからモジョ・レコード・バー(Mojo Record Bar)まで階段を降りましょう。そこが、市内のど真ん中ある、古き良き感性の書斎のようなバーです。薄暗い照明の店内には、低いブースシートと背の高いスツールを備えた堅い木のバーカウンター席があります。この場所には年月の経過とともに味わいを増す雰囲気があります。
バクスター・イン(The Baxter Inn)、市内中心部
外には店の存在を知らせる表示が何もなく、薄暗い照明の店内には高いはしごが必要なほどのウイスキーの壁があるバクスター・イン(The Baxter Inn)は、ウイスキー・ソーダと無料のプレッツェル(唯一提供されているバースナック)に最適な場所です。ここには隠れ家の中にある隠れ家として、隠されたウィスキールーム(Whisky Room)があり、そこでは極上のウィスキーを提供しています。
アールズ・ジューク・ジョイント(Earl's Juke Joint)、ニュータウン(Newtown)
アールズ・ジューク・ジョイント(Earl's Juke Joint)は、昔営業していた精肉店ベッタ・ミート(Betta Meats)の正面の奥に隠れています。精肉店の玄関のドアを開けて中に入れば、精肉や上肉の塊ではなく、賑やかなバーから提供される上質なカクテルで大いに楽しめるでしょう。額縁の写真、露出したレンガ、ダークウッドのバーカウンターというシンプルな内装のバーですが、同伴の友達を驚かせたくて足を運ぶことになります。この騒々しくて楽しいバーはアメリカの田舎のバーをモデルにしていますが、本家よりも高級な飲み物を提供するスタイルです。この店でバーボンが入ったものを選ぶと、間違いがありません。
グランマズ(Grandma's)、市内中心部
このキッチュな地下のバーにはトロピカルな雰囲気があります。このバーで一番目玉のドリンクは、おばあちゃんが作っていたようなエキゾチックなティキ・ドリンクです(ご想像にお任せします)。テーブルにはキャンドルが灯され、よく訓練されたカクテル・クルーは派手なアロハシャツで飾りたてています。その上バー・スペースは窮屈かつ親密、ときたら、このバーでは新しい友達を作るほかないでしょう。このバーの名物マイタイとホットジャッフル(トーストサンドイッチ)をつまみ、グランマズ(Grandma's)で冗談を楽しみましょう。
パーマー・アンド・コー(Palmer & Co.)、市内中心部
石畳の路地を歩き、狭い非常階段を降りて禁酒法時代のバー、パーマー・アンド・コー(Palmer & Co.)に入ると、別の時代の別の場所に運ばれてきたように感じます。バンドがBGMを演奏する中、白黒の写真が壁に並び、こまごましたアンティークが丁寧に展示されています。これらはすべて酒が禁止されていた忘れられた時代を思い起こさせます。この現代の隠れ家では、カクテルとスピリッツに焦点を絞っており、30種類以上のジン、80種類以上のウィスキー、40種類以上のテキーラとアブサンがそろっています。
ピージーズ(PG's)、ニュータウン
ニュータウンのメイン通り、キング・ストリート(King Street)沿いの本棚に偽装した入口を探せば、ピージーズ(PG's)を見つけることができます。むき出しのレンガの壁に薄暗い照明、ベルベットのカーテンのこのバーに入ればすぐ、外の慌ただしさから逃れられます。シェフは、前菜の盛り合わせや自家製の鶏レバーのパテなど、創業者のフランスの伝統を受け継ぐバーメニューを用意しています。バーではカクテルと、グラス売りとボトルの両方で手頃な値段のワインを提供しています。
スティッチ・バー(Stitch Bar)、市内中心部
現代の隠れ家バーでは典型的な入口を一つご紹介しましょう。通りに面したフェイクのスウェットショップを通り抜けて、暗い階段を階下のバーまで下っていきます。スティッチ・バー(Stitch Bar)の中は古いシンガー・ミシンがたくさんあり、古いミシンのデザインにヒントを得て、糸巻と華やかな金属で仕切られたブースがあります。ここはウィスキー・バーなので、カクテルのオールド・ファッションドを頼んでみましょう。小腹が空いているなら、ここのバーフードはアメリカのおいしいB級フードをアレンジしたものです。優雅なホットドッグやマック・アンド・チーズボールなどがあります。
オー・ド・ヴィー(Eau De Vie)、市内中心部
メルボルンが本店でシドニーに支店があるオー・ド・ヴィー(Eau De Vie)は、ビンテージのグラスやレトロなドリンクリスト、フォーマルファッションの礼儀正しいバーテンダーなどで、どちらの店でも禁酒法時代のムードを味わえます。ドリンクメニューも当時を彷彿とさせるもので、ベルサイユ・エクスペリエンス(ジン、アブサン、レモン汁、洋梨のピューレ、ミントが入っており、シルバーとガラスでアブサンの噴水として提供されます)やアビエイター(ジン、新鮮なレモンにルバーブを少し、飾りとして小さな紙飛行機を添えて)があります。インテリアはドリンクリストと同じくらい上品で、木製のバースツールに油絵、ガラス製の収納箱が飾られています。
オールド・メイツ(Old Mate's)、市内中心部
オールド・メイツ(Old Mate's)の階段をどうにか見つけて、4階まで狭い急勾配の階段を上れば、氷のように冷たい飲み物が欲しくてたまらなくなるでしょう。そんな人にうってつけの場所がこのバーで、到着した客にはミニ・カクテルが手渡されます。もっと階段を上る気があれば、街の摩天楼を一望できる屋上スペースがあります。カクテルリストには厳選された定番が載っており、バーフードはボリュームがある料理です。バーメニューはボリュームたっぷりで、種類豊富なデリミートや農家直送のプレートのほか、ローストカリフラワーのベシャメルソースにダブルスモークハムとパルメザンチーズで作られた「ワッフル・クロック・ムッシュ」などが揃っています。
シンス・アイ・レフト・ユー(Since I Left You)、市内中心部
シンス・アイ・レフト・ユー(Since I Left You)は店名のロゴさえも禁酒法時代に有名だった酒場コットンクラブ(Cotton Club)にインスパイアされたバーです。シドニーの小規模バーの先駆けとなったこの店は、オープン以来シドニーの酒好きの間で確固たる人気を誇っています。人気があるのは19世紀そのままの建築の中庭で、豆電球のイルミネーションとライブバンドの演奏があります。カクテルは、おなじみのカクテルに小生意気なひねりを効かせたベネディクト・キュウリバッチ(メスカル、キュウリ、ローズマリー、ライム)などです。フードにはクロスティーニとトーストしたサンドイッチがあります。
ラブ、ティリー・デヴァイン(Love, Tilly Devine)、ダーリングハースト(Darlinghurst)
悪名高いシドニーの娼家のマダムで犯罪組織のボスだったティリー・ディヴァイン(Tilly Devine)は、当時隠れ家バーを経営していました。現代のシドニーにある彼女の名前に由来するバーは、もっと洗練されており、怖くない店です。ダーリングハーストのレーンウェイ(裏路地)を入ったところにあるラブ、ティリー・デヴァイン(Love, Tilly Devine)は実にシンプルなバーです。真っ白なレンガ、一流の特製品と愛情をこめて選ばれたワインがそこにあります。窓辺の素晴らしい席を確保し、300種類以上のワインリストで世界を旅しましょう。どれを選んでも間違いがありません。