

キングストンガイド
キャンベラ随一の食事に夢中になって、人気の週末マーケットを見て回り、サイクリングコースをさっそうと走れば、緑豊かな湖畔のキングストン(Kingston)地区を体感できるでしょう。
原文:ジェニファー・ピンカートン
キングストン(Kingston)は昔ながらの雰囲気とおしゃれが共存する街です。キングストンが伝統的な魅力にあふれているのは、キャンベラで一番古い地区だからかもしれません。1920年代に労働階級や中級から上級の公務員の居住地として発展し、現在ではアパートやバー、公園、ショップ、レストランが集まるモダンな街となりました。キングストンには2つの代表的な地域があります。キングストン・ショップス・アンド・グリーン・スクエア(Kingston Shops and Green Square)は、カフェが並ぶ緑豊かで静かなエリアです。さらにバーリー・グリフィン湖(Lake Burley Griffin)に向かって進むと、オールド・バス・デポ・マーケット(Old Bus Depot Markets)やキャンベラ・グラスワークス(Canberra Glassworks)、数々のバーやレストランがあるキングストン・フォーショア(Kingston Foreshore)のエリアがあります。
必ずやっておきたいこと
- オールド・バス・デポ・マーケットでグルメやアート、洋服、工芸品などの露店をじっくり巡る
- キャンベラで人気のベーカリー、サイロ(Silo)で甘いペストリーを味わう
- コモンウェルス・アヴェニュー・ブリッジ(Commonwealth Avenue Bridge)までサイクリングして、途中6つの国家の建物を見る
行き方
キングストンはキャンベラの中心地から南に4kmの場所にあり、車でパークス・ウェイ(Parkes Way)およびウェントワース・アヴェニュー(Wentworth Avenue)を走れば10分です。または、シティ・バス・ステーション(City Bus Station)から80番のバスに乗りましょう。
キングストンの人気アクティビティと見どころ

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、キングストン、ローカル・プレス・カフェ
ローカル・プレス(Local Press)のジュースを飲む
バーリー・グリフィン湖を照らす朝日を眺めて一日をスタートし、ローカル・プレス(Local Press)で、コールドプレスジュースを飲みましょう。湖畔にあるこのジュースバー&カフェは、むき出しのレンガの壁と様々なスタイルの調度品で飾り付けられたアットホームな空間で、ビーガンやベジタリアン、自然食メニューが楽しめます。パンクハート・ワイナリー(Pankhurt Winery)のピノ種のブドウを使ったスパークリンググレープジュースや、ピーナッツバター、バナナ、カカオをブレンドしたナッツミルクスムージーが特におすすめです。

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、 キングストン、オールド・バス・デポ・マーケット
オールド・バス・デポ・マーケットを散策する
オールド・バス・デポ・マーケットは、アート、ファッション、工芸品、グルメ、新鮮な食材の屋台が集まる、キングストン最大の市場です。毎週土曜日に開催されており、時折日曜日にもテーマを決めて開かれます。デザイナー・サンデー、マルチカルチャー・サンデー、コレクタブル・サンデー、レトロ・サンデーなど、テーマに沿った屋台が加わるので、マーケットはさらに賑わいます。2階建てのギャラリー、フォトグラフィ・ルーム(Photography Room)には地元のアーティストによる写真作品を展示しているので、是非立ち寄ってみましょう。

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、キングストン、グラスワークス
手吹きガラスの実演を見学する
キャンベラ最古の公共建築、旧キングストン・パワーハウス(former Kingston Powerhouse)の中にあるキャンベラ・グラスワークス(Canberra Glassworks)は、アーティストのアトリエ兼ショールームとなっており、数ドルの寄付で、スタジオの炉のまわりに座って手吹きガラスの職人技を見学できます。開館日は水曜日から日曜日で、ギャラリーショップや展示室もあり、ペーパーウェイトづくりのワークショップや、歴史を紹介するツアーも開催しています。グラスワークスの後ろには、お洒落なアメリカンスタイルのハンバーガーショップ、ブロッドバーガー(Brodburger)があります。キャンベラ名物の巨大な直火焼きハンバーガーを求めて立ち寄ってみましょう。そして近くの緑あふれる湖畔に建つザ・ドック(The Dock)で、ドリンク片手にくつろぐのがおすすめです。

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、キングストン、サイロ
サイロ・ベーカリー(Silo Bakery)でゆったりとランチ
サイロ(Silo)は、チーズのセレクション、絶品の朝食やランチ、様々な風味の美味しいフルーツペストリーが地元の人に人気のベーカリーです。遠方から政治家や有名人がわざわざ訪れることもよくあり、すぐ満席になります。店はキングストン・ショップス(Kingston Shops)にあり、オレンジ色の市松模様のタイルが目印。ここではヨーロッパ風ビストロスタイルのメニューが味わえます。タルト・フラミッシュ(フレミッシュ風リークとチーズのペストリー)や、発酵ライムを添えたタコ、そら豆、フェンネルのサラダなどがおすすめです。

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、バーリー・グリフィン湖
橋から橋まで続く道をサイクリング
ランチの後は腹ごなしに、橋から橋まで続く5kmの人気コースをサイクリングしましょう。ウォーキングやランニングも可能です。滞在するホテルに直接自転してくれる車を配達サイクル・キャンベラを利用するか、市内の自転車シェアステーションの一つスピンウェイ・キャンベラ(Spinway Canberra)で自転車をピックアップすることも可能です。キングストンから近くのキングス・アベニュー・ブリッジまで行き、コモンウェルス・アベニュー・ブリッジを経由して戻るコースがおすすめです。このコースは湖に沿っており、ナショナル・カリヨン(National Carillion)、オーストラリア国立美術館(National Gallery of the Australia)、オーストラリア最高裁判所(High Court of Australia)、国立図書館(National Library)、レガッタ・ポイント(Regatta Point)、コモンウェルス・パーク(Commonwealth Park)を通ります。

オーストラリア首都特別地域、キャンベラ、キングストン、ミューズでの本の拾い読み
文学に通じたレストランを満喫する
一日の最後は、文学をテーマにした新しいレストラン、ミューズ(Muse)でくつろぎましょう。ミューズは、スタイリッシュでモダンなイースト・ホテル(East Hotel)の中にあり、ホテル内には、お洒落でユニークなイタリアンレストラン&バーのジョーズ・バー(Joe’s Bar)もあります。ミューズの店内の本棚には新刊書や古本などがずらりと並び、ティム・ウィントンやメリナ・マーチェッタなど、オーストラリアの有名作家を招いたトークやイベントを定期的に行なっています。2016年にキャンベラのLGBTI・ビジネス・オブ・ザ・イヤー(LGBTI Business of the Year)を受賞したレストランでもあり、朝食、ランチ、ディナーを提供しています。自家薫製の鴨の胸肉にカリフラワー、ビーツチャツネ、ソバ、サワーチェリーソースを添えたプレートをキャンベラ地域のワインと共に堪能しましょう。